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2010.12.08  本会議 一般質問




〇七十三番(尾崎大介君)
 まず最初に、多摩の森林について何点かお伺いいたします。
最近マスコミ等でも取り上げられた、外資による森林の購入問題ですが、民間シンクタンク東京財団の、グローバル化する国土資源と土地制度の盲点という報告書によると、埼玉や山梨、長野、岡山県など全国各地の水源に近い山林について、中国などの外国資本が買収の打診をしてきているという結果が報告をされております。これは九月にNHKの「クローズアップ現代」でも取り上げられ、既成事実として全国に周知をされました。
こうしたことを受け、国が調査に乗り出し、また北海道では道で独自の調査を行い、外国企業、個人による道内の林地所有は三十三カ所、計八百二十ヘクタールという結果を公表しております。
都においても、多摩地域に私有林四万ヘクタール、都有林一万ヘクタール、合わせて五・二万ヘクタールという豊かな森林を抱えており、この外資による森林購入問題は人ごとではありません。
外資が日本の森林を購入する動機は明らかではありませんが、直接的には森林が不当に安いのと、木材とは関連のない山林原野を購入しているケースは、水源あるいは吸収源を求めているのではないかと考えるのが自然であります。
現行の法律では、山林の売買実態を把握すること自体が極めて難しく、現在、都市計画区域外の一ヘクタール以上の土地売買については、国土利用計画法により、都道府県知事へ契約締結後二週間以内の事後届け出が義務づけられております。農地の売買については農地法により一定の転売規制がありますが、森林にはそうした規制はなく、売り方、買い方の二者間の合意だけで売買は成立してしまいます。私有林の二割程度である保安林以外であれば、開発規制も実質的にはほとんどないのが現状であります。
そもそも森林は保安林や水源林としての役割があり、国土の保全、住民の命を守る大きな財産であります。それが、このような法整備の不備もあり、結果として外資に乱購買されているとすれば、水源すなわち生命存在の基本となる水にかかわることだけにゆゆしき問題であります。
また、二〇一三年の京都議定書約束履行期限以降の主要な二酸化炭素吸収源としての森林ビジネスも世界的に拡大をしております。東京都の試算によれば、年間三十万トンの吸収源としており、生命、産業という側面からも、森林の持つ重要なポテンシャルを守る必要があるわけであります。
東京都としては、この外資による森林購入問題の実態を調査され、その結果、一ヘクタール以上の山林売買の事例はないとのことでありますけれども、一ヘクタール未満の山林に関しては調査方法がないことや、林野庁もどの程度の調査報告を都道府県に対して求めているのか明確でない中で、この作業を行っていくことが大変であるということは理解できます。
しかし、仮に外資が先ほど述べた水源、吸収源を求めて山林を購入しているなら、法の抜け道である一ヘクタール未満の土地に目をつけるであろうことは想像にかたくありません。そもそも、東京において一ヘクタール未満の山林所有者は全体の約六〇%でありますので、一ヘクタール以上の売買事例がないのは、こうした理由も含まれていると思います。
北海道では、先ほど述べた森林売買にかかわる現在の法整備の不備を、二〇一一年中に森林土地取引に事前届け出を求めるとして、みずからの条例制定を検討し、外資による森林購入の対策を行うとしております。さらに、一ヘクタール未満の土地についても売買契約前の届け出を求め、問題があれば審査、そして知事が勧告をすることも検討していると聞いております。
また、埼玉県でも知事みずからが、国の調査依頼だけでは不十分だとし、県独自の調査を進めていくというように聞いております。
こうしたことからも、例えば、土地台帳による調査を市町村とも連携しながら進めていくなど、我が国の模範的立場でもある首都東京として今後どのような対策を考えるのか、お伺いいたします。
次に、この問題に関連し、本年六月に導入された民有林購入モデル事業についてお伺いいたします。
本事業は、多摩川上流の水源林について、荒廃した民有林を購入し適正に管理することで水道水源林の機能を最大限発揮できるようと導入された事業と聞いております。
現在の小規模林を持つ所有者の多くは、高齢化や林地面積の小ささから森林整備が放置されており、このような小規模林は整備もままならず、木材需要を生み出す具体的な展望も見えない。こうしたことから荒廃した森林を招く結果ともなっていることを考えれば、的を射た事業と評価をできるものであり、本事業導入による私有林の公有林化は大変望ましいものであります。
現在の景気状況や経済情勢から見て、山林の所有者の中には、山を売りたい、高く買ってくれるなら外資でもよいという考えもあり、そこを外資につけ込まれ、一ヘクタール当たり十万でも売買されているということも聞いております。
森林総合研究所、平成十八年の調査では、森林売買価格は、北海道、東北、関東、そして九州では一ヘクタール当たり五十万円以下、北陸、中部、中国、近畿、四国では一ヘクタール当たり百万円以下という結果が出ています。森林ということでは、東京都の水源地域でも同程度の価格であると考えられます。
仮に、このような価格で公的機関が購入となれば、山主も、先祖代々の山を縁もゆかりもない外資に売買することは心情的にもあり得ないと思われ、本事業は、水源確保という大きな目的の推進であり、今後どのように展開をしていくのか、また、購入という同じ行為ながら、外資購入との違いを山主に積極的に説明すべきと思いますが、所見をお伺いいたします。
水源付近の山林が外資に乱購買され、主体が外資に移っていけば、本来果たすべき機能を失うとも限りません。これは単に環境破壊とかの観点から申しているわけではなく、国土保全の根本的な対策は、本来国が行っていかなくてはならないことは十分認識をしておりますが、現状の法制度の不備を理由に手をこまねくことがあってはならないと考えます。
森林を含めた国土の売買の制限については最重要課題だということを国に対して求めていくとともに、本問題については、森林行政の縦割りの弊害が出ているといわざるを得ませんが、長期的な視点に立ち、東京都が率先して森林の持つ多機能、多面的なポテンシャルを生かすことが重要課題ととらえ、対策を立てていくべきと考えますが、知事の見解をお伺いし、次の質問に移ります。
最近の農業に対する都民の関心は、単に趣味的な領域を超え、みずから安心・安全な農作物を生産し、また農作物への知識も相当深まっております。また、近年は若い人の農業体験は急増しており、将来的な農業として、農業を志向する人も増加しております。
一方、東京には多摩地域に六千ヘクタールの農地があり、文字どおり地産地消を実現できる環境にあります。そこで、東京の若い人を活用した農業振興策に新しい考えの導入が必要であると考えます。東京都の農業振興策の基本計画としては、平成十三年の東京農業振興プラン以降策定されておりませんが、今後の策定方針はあるのか、お伺いいたします。
また、農業の若年就業者数を上げる方策として、やる気のある若者に対して休耕地等の貸与制度などを考えられないのか、お伺いいたします。
最近アメリカにおいては、地域のコミュニティに支持された農業という意味のCSAという新しい農業のシステムが各州に広がりを見せております。最近の都市部消費者の農産物に対する要望、すなわち有機栽培、減・無農薬栽培、珍しい野菜等は根強い需要があります。
一方、東京都は、東京都環境保全型農業推進基本方針、また東京都有機農業推進計画を進めておりますが、これらの都市需要と東京の意欲的、先進的な農業推進計画を結びつけて運営管理できるような仕組みができれば理想的だと思われます。いいかえれば、地産地消地の実現策として、多摩地域でのCSAの導入は考えられないのか、お伺いいたします。
次に、経済的弱者を相手にしたいわゆる貧困ビジネスについてお伺いいたします。
貧困ビジネスという言葉が出てきたのは、昨年のちょうど今ごろであります。最近ではマスコミの報道もいっときほどは騒がれなくなりましたが、では貧困ビジネスが減少したかというとそうではなく、ますます手が込み入り、巧妙になってきたといえます。
特に最近は、医療扶助などの公的扶助を利用した貧困ビジネスの増加も著しく、この背景はかなり複雑で、大きくは昨今の経済情勢がその主因ともいえますが、ある意味では、直接の被害者だけではなく、行政当局も間接的な被害者という側面は否めません。
とはいえ、社会的弱者に対する支援は行政当局の任務であり、使命でもあります。いわゆる富裕層と貧困層という二極化した階層社会となった今日、市場も、富裕層対象ビジネスと貧困層対象ビジネスの二つに二極化しているといえるわけであります。
昨年、私は、各会計決算特別委の全局質疑の中で、敷金礼金をゼロとうたい、部屋のかぎのみを貸与することによって、借地借家法にとらわれない、まさしく法の抜け道をついたゼロゼロ物件、家賃を滞納したら貸し主にかわって取り立てる家賃保証会社、また、強引な手法でこの退去を迫る追い出し屋等について質問をいたしました。まず最初に東京都の行政機関の中で貧困ビジネスという認識を持っているのか、またその取り組みはどうなっているのかお伺いし、都市整備局、生活文化スポーツ局の答弁では、両局とも、今後適切な対応を図っていくとのことでしたが、その後の対策経過についてあわせてお伺いいたします。
他の自治体の例として、大阪ではプロジェクトチームをつくり、悪質業者の摘発も積極的に行っております。また大阪府では、大阪府被保護者等に対する住居・生活サービス等提供事業の規制に関する条例が先日成立しております。大阪府や大阪市には、関係部局が横断的に連携し、この貧困ビジネスに対して逮捕を含む強い指導を行う対策を強化しております。
一方、東京都は、消費生活条例等での対応を図るとしておりますが、あくまでも生活センターへの相談が発生してからの対応であり、東京都みずからが積極的、能動的に対応する姿勢ではありません。
したがって、再度、消費生活条例の規制強化、貧困ビジネスに特化した規制条例を設置すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
最後に、福祉の観点から何点かお伺いいたします。
都内には、東京都美術館を初め数多くの美術館、博物館があります。公益財団法人東京都歴史文化財団の資料によりますと、東京都庭園美術館など五つの施設の平成二十一年度の年間観覧者数は約三百三十六万人であり、芸術に関心のある方を中心に多くの来場者が会場を訪れております。
この中には、健常者以外の例えば耳の不自由な方も含まれており、先ほどの三百三十六万人のうち、いわゆる障害者減免で入場された方は、付き添いの方を含めて約十四万人とのことでありますので、いかに多くの障害をお持ちの方が文化に触れる機会を求めて美術館を訪れていることがわかります。体の自由、不自由にかかわらず、美術や芸術に対しての関心は何ら違いはなく、同様の情報が得られるようにしなければならないと考えます。
例えば、江戸東京博物館では、イヤホンやレシーバーによる音声サービスがありますが、これは主に健常者に対してより詳細な情報を提供するサービスであります。また、車いすや盲導犬の受け入れ体制はあっても、耳の不自由な人に対してのサポートは不足をしているといわざるを得ません。実際に手話通訳を伴って美術館に行った際、通訳を受けていると、ジェスチャーが邪魔でゆっくり作品を見られないので、やめていただけませんかといわれた方もいらっしゃったそうであります。
そこで、耳の不自由な方々に対しての美術館などでの情報提供について、東京都はどのように認識をされているのか、見解をお伺いいたします。
近年のIT技術の発展は目覚ましいものがあります。アイフォンやアイパッド、またいわゆるスマートフォン携帯が急速に普及し、耳の不自由な人たちにとっても貴重な情報ツールとして広がりつつあります。
そこで、これらのツールを利用した手話通訳案内の可能性が考えられます。例えば、美術作品などの情報を手話通訳した動画として保存し、耳の不自由な人たちが館内で端末を利用して自由に取り出せるというものであります。これであれば、第三者の助けをかりることなく、いつでも情報を得られることができます。端末はそれぞれが所持をしているため、東京都として購入する費用もかかりません。さらに、展示会場の地図などの館内情報を配信すれば、多くの方々が情報を得られるようになると考えますが、こうした聴覚障害者への情報提供が可能であるかお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
〔知事石原慎太郎君登壇〕

〇知事(石原慎太郎君) 尾崎大介議員の一般質問にお答えいたします。
森林の保全についてでありますが、多摩の森林は、木材の供給のみならず、水源の涵養や地球温暖化の原因になる二酸化炭素の吸収、貯蔵など、多面的な機能を持ったかけがえのない都民、国民共通の財産であります。多摩に限らず、古代には、森そのものや、そこにある滝が神様として信仰の対象にもなっておりました。
いずれにしろ、多くの恵みをもたらす森林づくりは、五十年、百年という長い月日をかけてかなうものでありまして、この貴重な財産である森林とそこから生み出される水源が将来にわたって損なわれることがあっては絶対にならないと思います。
最近、北海道において外資による森林買収の事実が明らかになって、今後はこうした動向に十分注意を払う必要があると思います。
本来、森林や水といった国土資源の保全については、国が速やかに対応すべきことであると思います。現場を預かる都としては、森林に関する情報を十分に把握するとともに、関係各局に横ぐしを通して、しっかりとした連携を保って森林の保全に取り組み、次世代にこれを継承していきたいと思っております。
他の質問については、技監及び関係局長から答弁いたします。
〔東京都技監河島均君登壇〕

〇東京都技監(河島均君) 家賃保証会社等への対応についてのご質問にお答えいたします。
これまで都は、賃貸住宅の相談窓口におきまして苦情等を受け付けるとともに、宅地建物取引業法に基づく業者指導等を行っております。
また、国は、社会資本整備審議会で家賃債務保証業務等の適正化について検討し、本年一月に最終取りまとめを行いました。これをもとに、本年三月の通常国会にいわゆる賃貸住宅居住安定法案が提出されましたが、現在、国会で継続審査となっております。
都としては、こうした国の動向も踏まえ、引き続き適切に対応してまいります。
〔産業労働局長前田信弘君登壇〕

〇産業労働局長(前田信弘君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、森林の売買についてでありますが、平成二十年六月に林野庁から、外資による林地取得について関係機関からの聞き取りなどを行うよう調査依頼がありましたことから、都は地元の情報に詳しい森林組合等の関係団体や市町村の協力を得て、森林の売買について情報収集に努めてまいりました。
今年度に入り、林野庁からより詳細な森林売買に関する調査があったため、森林売買にかかわる関係各局とも連携して対応してまいりましたが、現在のところ、都においては外資による森林売買の事実は確認されておりません。
しかし、最近、北海道において外資による森林売買の事実が明らかになりましたことから、今後は、関係各団体等の協力のもと、小規模な森林の売買についても一層の情報収集に努めるとともに、国や他の自治体の動向、調査手法を踏まえながら、より効果的な調査手法を検討してまいります。
次に、東京農業振興プランの今後の策定方針についてであります。
都は、平成十三年に東京農業振興プランを策定し、農業経営対策や農産物の生産流通対策などを実施してまいりました。その後、東京の農業を取り巻く環境の変化に対応するため、平成十八年に中間評価を行い、農地保全対策や食の安全・安心への取り組みなどについて、新たに都独自の農業振興施策を展開してまいりました。
現在、国においては、市街化区域内農地の位置づけの見直しや農地保全の方策、TPP等への対応策が検討されていると聞いております。プランの改定に当たりましては、こうした国の動向や社会経済情勢の変化を見きわめつつ対応してまいります。
次に、農業に意欲のある若者に対する休耕地等の貸与制度についてでありますが、農業従事者の高齢化が進んでいる現在、農業後継者の育成とともに、農地の貸与などによる新たな担い手の農業参入は重大な課題であります。
農地の貸し借りは、市街化区域内では、貸し付けた農地に対して相続税納税猶予制度が適用されないことなどにより難しい状況にありますが、市街化調整区域などでは、農業経営基盤強化促進法に基づき、意欲ある農業者が農地を借りられるよう進めております。
また、都独自の取り組みとして、意欲ある都民の農業参画を促進するため、労働力不足などの課題を抱える農業者と新たな担い手を結びつける取り組みや、規模拡大を目指す農業者や新規参入者のために、遊休農地再生のための整備を支援する取り組みを実施しております。
最後に、多摩地域でのCSAについてでありますが、CSAは、地域に支えられた農業などと訳されまして、地域住民が農産物料金の前払いや農作業への労働力の提供など、応分の負担をしながら地元の農業を支援する仕組みでありまして、日本でも、有機農業などでこうした事例が見受けられます。
都ではこれまでも、地域住民と農業者との理解を深めながら農業振興を図るため、農業体験農園や農産物共同直売所の整備などについて助成を行ってまいりました。
今後も、都市住民と農業者の相互理解に根差した地産地消の推進に努めてまいります。
〔水道局長尾崎勝君登壇〕

〇水道局長(尾崎勝君) 民有林購入モデル事業の今後の展開及び山林所有者への事業目的の説明についてお答えします。
小河内貯水池上流域の人工民有林は、長期にわたる林業不振の影響などを受け、間伐が行われないことによる樹木の過密化や、伐採後の植林の放棄などにより荒廃が進んでいます。
こうした状況を踏まえ、本年一月に策定した東京水道経営プラン二〇一〇において、事業期間をおおむね五年間とする民有林購入モデル事業を計画化し、平成二十二年度から着手しております。
本事業は、管理が不十分で山林所有者が手放す意向を持つ人工民有林を水道局が取得し、水道水源林として適切に管理を行うことで、森林が本来持つ水源涵養機能などを最大限発揮させ、都民の貴重な水がめである小河内貯水池の保全を図ることを目的としております。
山林の公募に当たっては、この当局の民有林購入の目的などを広く周知したところでありますが、今後とも機会をとらえて積極的に説明してまいります。
〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕

〇福祉保健局長(杉村栄一君) 貧困ビジネスのご質問についてお答えいたします。
この言葉に明確な定義はございませんが、生活困窮者や住居喪失者、低賃金労働者、多重債務者など、社会的弱者である貧困層の弱みや知識不足を利用して利益を得る事業の総称として一般的に使われております。
例えば、住居、生活に困窮している低所得者が利用する無料低額宿泊所のうち、利用者が不当な処遇を強要されるなど劣悪な状況にあるものは貧困ビジネスの一つとされております。
無料低額宿泊所につきましては、都はこれまでガイドラインや運営指導指針を策定し事業者を指導するなど、その適正な運営に努めてきております。
また、現在、国におきまして、無料低額宿泊所等の適正化を図るため、利用契約の締結や解除に係る規制、金銭管理の制限などを盛り込んだ新法の制定が検討されておりまして、都は、国の検討状況を踏まえながら適切に対応してまいります。
〔生活文化局長並木一夫君登壇〕

〇生活文化局長(並木一夫君) 三点のご質問にお答えいたします。
初めに、いわゆる貧困ビジネスに対する消費生活条例の規制強化についてでございますが、消費者の弱みにつけ込む悪質事業者に対しましては、これまでも特定商取引法や消費生活条例などの法令に基づき、厳正な処分、指導を行ってまいりました。
経済的弱者において特に深刻な問題となる滞納家賃の不法な取り立て等につきましては、個別に事業者を指導するとともに、家賃保証会社の関係団体に対しては、法令遵守の徹底を要請し、その結果、家賃請求権の適正な行使などについて自主ルールが策定されるなど、現在の法令でも十分な効果を上げております。
今後とも、悪質な事業者から都民を守るため、関係各局と連携し、さまざまな法令や取り締まり権限を駆使し、積極的に対処してまいります。
次に、美術館などを訪れる聴覚障害者への情報提供でございますが、障害の有無にかかわらず、大人から子どもまで訪れる方々に対しまして、展示内容をよりよく理解し、楽しんでいただくため作品の解説などの情報を提供することは、美術館、博物館の重要な機能の一つでございます。聴覚障害者に対しましてもこれらの情報を適切に伝えることは重要であると認識しております。
最後に、美術館などにおける携帯端末を利用した聴覚障害者への情報提供についてでございますが、IT技術の進展に伴い、携帯電話による文字や写真の閲覧が可能になり、さらにスマートフォンなど最新機器の登場で大容量の動画の閲覧も容易になってきております。こうした携帯端末などを利用し、聴覚障害者向けに多様な展覧会情報を提供する可能性が広がってきております。
今後、端末などの普及状況、利用者の意向、費用等を総合的に勘案し、都立文化施設における聴覚障害者への効果的な情報提供のあり方につきまして、引き続き検討を行ってまいります。

 
2010.09.07 都市整備委員会:豊洲土地地区整理事業における盛り土工事について

 

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
  報告事項
  ・豊洲土地区画整理事業における盛り土工事について



◯尾崎委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項につきましては、説明聴取の後、委員会を代表し、私から一言申し上げたいと思います。ご了承願います。
 初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員の交代がありましたので、河島東京都技監より紹介があります。



◯河島東京都技監 去る七月十六日及び八月十日付で異動のございました当局幹部職員を紹介させていただきます。
 住宅政策推進部長の鈴木尚志でございます。都市基盤部長の藤井寛行でございます。企画担当部長の宮良眞でございます。住宅政策担当部長の香山幹でございます。多摩ニュータウン事業担当部長の五十嵐誠でございます。耐震施策担当部長の小野幹雄でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕



◯尾崎委員長 紹介は終わりました。
     ─────────────



◯尾崎委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。



◯河島東京都技監 尾崎委員長を初め、当委員会の皆様には、こうした形で発言の機会をちょうだいいたしましたことまことにありがとうございます。
 それでは、申し上げます。
 当局が豊洲土地区画整理事業で実施した盛り土工事におきまして、当該地が市場の予定地であることから、常にも増して細心の注意を払って工事を進めるべきであるにもかかわらず、みずから定めた試験頻度を満たさないまま土の受け入れを行い、これにより都民の都政に対する信頼を著しく損ねたことを深くおわびいたします。
 豊洲地区では、区画整理事業の中で、高潮対策などのための盛り土工事を実施してまいりました。平成十四年度から平成十八年度までの間、市場予定地に盛り土材として、道路や地下鉄などの公共工事からの建設発生土約六十万立方メートルを受け入れております。
 この工事を行うに当たって、食品を扱うという市場の特殊性を踏まえ、従前の基準を強化し、受け入れ土量二千立方メートルごとに一回の試験を搬出元が実施することといたしました。しかし、百四十八件の搬出元のうち約三割に当たる四十四件で試験頻度を満たさずに受け入れたことが明らかとなりました。
 原因がどこにあったのかという点につきまして、既に局内に調査チームを立ち上げましたが、基準を定めた経緯、化学性状試験の実施状況、土の受け入れの詳細な進め方などにつきまして、幅広い観点から、改めて具体的な調査を行う必要があると考えておりまして、徹底的に究明してまいります。
 この調査に当たっては、特に盛り土工事を行う際の作業手順やチェック体制、基準のあり方など、仕事を進める仕組みにどういう問題があったのかを明らかにしていかなければならないと考えております。
 さらに、この業務を行うに当たって、みずから決めたルールをみずから守るという意識が組織の中に徹底されていなかったという点につきましても究明してまいります。
 また、今回の事態を踏まえまして、今後の盛り土工事において、都民が安心でき、適正な工事を行うためにはどうすればよいか、外部の識者を交えた検討委員会を今月中にスタートさせます。
 当局が所管する事業の中で、こうした事態を招いたことを、原点に返って深く反省し、今後二度とこのようなことがないよう、職員一丸となって全力を傾け、取り組んでまいります。
 改めて、都民や都議会の皆様に心からおわび申し上げます。



◯尾崎委員長 報告は終わりました。
 この際、委員会を代表し、私から一言申し上げます。
 ただいま東京都技監から、豊洲土地区画整理事業における盛り土工事に関して発言がありました。この際、当委員会を代表して私から一言申し上げます。
 まず、都技監から盛り土工事において、みずから定めた基準を守らずに土砂を搬入したことについて、陳謝の発言がありました。安全を確保するために定めた基準を遵守しなかったことは、土砂を搬入した場所のいかんにかかわらず、絶対にあってはならないことであると考えます。ましてや食の安全が求められる豊洲地区においては、なおさらのことであります。都政に対する都民の信頼を大きく損ねたことの重みを真摯に受けとめ、都市整備局には猛省を促したいと思います。
 次に、都市整備局では、既に調査チームを立ち上げ、仕事を進める仕組みや職員の意識などの問題について究明するとともに、今後適正な工事を行うための検討委員会をスタートさせる旨の発言がありました。
 いうまでもなく、今回のような事態は二度と繰り返してはならないことであり、徹底的にその原因を究明し、再発防止に向けて万全の対応をとるよう強く求めるものであります。都市整備局は今回の事態の反省に立ち、都民の安全・安心の確保を業務遂行の基本に据えて、局一丸となって取り組んでいってもらいたいと思うところでございます。
 あわせまして、委員会審議の際の理事者の姿勢について一言申し上げます。
 都民の代表である都議会の質疑に誠意を持って対応することは、理事者の当然の務めであり、理事者の姿勢には問題があったといわざるを得ません。今後の委員会審議に当たっては、このようなことのないよう、都市整備局を所管する当委員会の委員長としても、強く注意を促したいと思うところであります。以上でございます。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。


 
 

2010.03.28 平成22年度 予算特別委員会



〇尾崎委員 は、都議会民主党を代表して、本委員会に付託をされた第二十号議案、平成二十二年度東京都中央卸売市場会計予算について付帯決議を付し、他の議案には原案のとおり賛成の立場から討論を行います。
 まず、第一号議案、平成二十二年度東京都一般会計予算について述べます。
 一般会計の予算規模は、大幅な税収減を受けて、前年度比五・一%減の六兆二千六百四十億円で、二年連続の減となりました。しかし、約六千億円もの税収減に対しては、基金の取り崩し、都債発行増などで歳入を確保し、歳出における公債費、税連動経費、基金積み立ての減などにより、給与関係費を除く経常経費については前年度比三・九%増の二兆二千二百三十二億円、投資的経費については前年度比四・七%増の八千百三十七億円を確保しております。事務事業評価においても、百四十件を見直し、再構築することによって約二百億円を確保するとともに、歳出の精査によって約一千二百億円の事業費を削減しています。こうした堅実な財政運営については、基本的に評価をするものです。
 そこで、予算の各分野について申し上げます。
 まず、医療、福祉、保健行政についてです。
 医療では、民主党が求めてきたNICU一・五倍が都の整備目標となりました。今後は、これを達成するため、人員確保支援、長期入院児の退院促進と地域移行支援、適切な療育、生育環境整備等、必要な施策を構築することを求めるものであります。
 救急医療の東京ルールの効果と課題を検証し、地域救急医療センターへのさらなる支援や医療機関同士の連携強化に向けた方策を検討すること、医師確保、医師の離職防止対策、特に若年世代の女性医師急増に対応し、短時間勤務や交替制、保育所利用支援などの継続支援策、復職支援策を早急に検討、実施することを強く求めるものであります。
 保育サービスのさらなる拡充はもとより、病児、病後児保育施設拡大のため、施設の経営安定化とサービスコーディネートへの強力な支援を求めます。
 また、学童クラブは、民主党がかねてより要望してきた、預かり時間の拡大への補助が新たに計上されたことを評価いたします。
 次に、教育行政についてです。
 東京都においては、国の私立学校の生徒に対する就学支援金制度を踏まえ、私立高等学校等特別奨学金補助を前年度比約十億円増の約四十三億円を計上しております。公私間格差の縮小のため、私学に通う生徒の保護者に対して、授業料補助をさらに充実していただくことを求めます。また、私学に対する経常費補助を充実し、学校経営面から見た公私間格差の解消に努めていただくことを、あわせて要望します。
 次に、雇用対策についてです。
 雇用情勢も厳しい状況が続いております。東京都は、雇用創出事業をさらに積極的に実施し、離職者の方々の雇用の場をしっかりと確保していく必要があります。離職者に対する支援には、生活面での支援や職業訓練、就業支援など、多様なメニューが用意されておりますが、それらの情報が必要な人たちに届くよう、情報提供の強化についても積極的に取り組まれるよう求めるものであります。
 また、雇用をめぐるトラブルの多くは、労働法令が守られていないことにも起因をしております。都として、企業の法令遵守に積極的に取り組むとともに、解雇や賃金不払いなど、厳しい状況に直面をしている労働者への支援の強化が必要であります。
 さらに、非正規労働者の雇用環境の改善や、職場におけるメンタルヘルス対策として、不調に陥る労働者を発生させないための予防策の充実に向けて取り組まれるよう要望するものであります。
 次に、中小企業対策についてです。
 制度融資については、預託金の活用により、さらに低金利への誘導を図るなど、融資目標額を拡大するとともに、小口資金融資や経営支援融資などの保証料補助を拡充するなど、中小企業の負担軽減を図ることが求められております。
 また、地域の金融機関と連携をした新たな金融支援策については、デフォルト抑制や保証料率の見直し、情報公開などに取り組みながら、融資規模の拡大に向けて取り組まれるよう要望するものであります。
 さらに、新銀行東京については、都民の税金がさらに毀損することのないよう、事業譲渡や株式の売却などを含め、早期に新銀行東京から撤退することを強く求めるものであります。
 次に、防災対策についてであります。
 私たちは、建物倒壊危険度や火災危険度が高い地域であるにもかかわらず、整備地域に選定をされていない地域があることを、これまでたびたび指摘をしてまいりました。ことし一月に改定をされた防災都市づくり推進計画では、建物倒壊危険度と火災危険度がともに高い地域については、ほぼ全域が整備地域に含まれることになりました。この点については私たちも評価をしておりますが、建物倒壊危険度または火災危険度が高い地域であっても、依然として整備地域から漏れている地域があります。このような地域の木造住宅にも対象を拡大することについて改めて検討されるよう、強く求めるものであります。
 いわゆるゲリラ豪雨対策として、雨水浸透機能の強化のために、雨水浸透ますの設置助成地域が四流域から七流域に拡大されることになりました。さらに、都議会民主党の復活予算要望により、雨水浸透施設の設置指導等強化事業として、区市町村への普及等を支援する経費として三千五百万円の予算案が実現をいたしました。
 浸透ますの設置は民間レベルでの取り組みが欠かせないことから、積極的かつ効果的な広報啓発活動を実施し、今後、計画的かつ継続的に東京都内の雨水浸透ますの設置をさらに全都に拡大をしていくよう求めるものであります。
 次に、環境対策についてです。
 世界で最も環境負荷の少ない都市実現に向けて、カーボンマイナス東京十年プロジェクト予算では、さまざまな新規施策を含め、平成二十一年度比で約二十五億円、六・九%増の三百九十一億円が計上されております。
 特に東京は、エネルギー利用の密度が高い、大規模な開発が多い、都市排熱を含めた未利用エネルギーがまだまだ豊富にあるなど、大都市ならではの特性があります。これらの特性を最大限活用するため、複数のビル、街区単位のエネルギー融通による効果的な省エネ、省CO2、再生可能エネルギーや未利用エネルギーのさらなる積極活用など、エネルギーの地域での有効利用やネットワーク的利用に向けた取り組みを求めるものであります。
 次に、オリンピック・パラリンピック招致について申し上げます。
 二〇一六年オリンピック・パラリンピック招致失敗の総括については、いまだ多くの都民が納得するものには至っておりません。招致にかかわる都民からの支持は、四立候補都市中最下位で、招致委員会の寄附目標額も達成できませんでした。このことは、オリンピック招致には都民、国民の自主的、主体的な盛り上がりが不可欠であることを改めて示しております。また知事は、国際プロモーションにおいては、IOCや国際競技連盟の要職に強力な人材を送り込まねば日本の招致は不可能と答えております。しかし、それは短期間で克服できる問題とは思えません。
 オリンピック・パラリンピック招致の教訓を次に生かしていくために、特別委員会は、全会派一致で継続調査を行うことを決定しております。今後、東京都以外の関係者からも意見を聴取し、二〇一六年オリンピック招致の総括を続けていくことを表明させていただきます。
 次に、第二十号議案、平成二十二年度東京都中央卸売市場会計予算について述べます。
 私たちは、豊洲の安全性が確認をされていないことや関係者の合意が得られていないことから、昨年七月の都議選のマニフェストで、強引な移転に反対をし、現在地再整備について改めて検討することなどを訴えてまいりました。都議選後、石原知事自身も、必要なら専門家を入れてもう一回検討したらいいと述べ、私たちも検討機関の設置を再三求めてまいりました。さらに、ことし二月十八日には、二十一世紀築地プロジェクトから現在地再整備の具体案が発表されました。しかし、石原知事は、この間、現在地再整備の検討について何ら積極的な姿勢を見せませんでした。
 しかし、昨日の予算特別委員会において石原知事は、議会における現在地再整備の検討結果について真摯に受けとめると答弁をした上で、執行機関として現在地再整備の組織を設けていくと答弁をされました。私たちがマニフェストで求めていた現在地再整備の検討が、ようやく都政における具体的な課題になったといえるわけであります。重ねて私たちは、現在地再整備の検討を担保するために、用地取得費の執行についてもただし、知事は、議会の合意に示された意思を尊重する旨答弁をされました。また、付帯決議案には、土壌汚染が無害化された安全な状態での開場、あるいは市場事業者の状況及び意見などの聴取などの項目を盛り込んでおります。
 私たちは、単に予算に反対し、いたずらに市場機能を混乱させるのは本意ではありません。現在地再整備を検討し、豊洲案と比較考量した上で、都民や関係団体にとって最善の結論が得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 そのため、昨日の予算特別委員会における石原知事の答弁などを総合的に判断した上で、付帯決議を付して原案に賛成するものであります。
 しかしながら、現在地再整備の検討が、まず結論ありきで、おろそかにされることのないよう、二十三年度予算も含め、今後の関連議案に対しては、その賛否を留保するものであります。
 以上で都議会民主党を代表しての討論を終わります。(拍手)
 
 
2009.11.11 平成21年度 各会計決算特別委員会

〇尾崎委員 私からは、都営住宅の利活用について、本年九月にオープンした、新宿の角筈アパートの跡地の住宅展示場について関連して何点かお伺いしたいと思います。
 都の財産利活用の基本的な方針であります、平成十九年六月につくられた今後の財産利活用の指針、環境変化に対応した新たな利活用において、都有地の貸付条件として、民間の力を生かした施策連動型の財産利活用の推進とうたっておりまして、また、収益の確保と同時に施策の実現を図る手法を導入とも述べております。
 都民の財産である都有地が都民のために利用されることは当然のことでありまして、単なる財政政策上の有効活用だけを考えて、ましてや、施策連動という形で東京都が限られた民間事業者だけを支援するということはあってはならないと私は考えるものであります。
 今回の角筈アパートの跡地利用については、私がさきに述べた利活用がされているものと東京都は考えていらっしゃるのでしょうけれども、その施策の選び方については、私は疑問を抱かざるを得ないわけであります。
 この用地を所管して、今回の住宅展示場の貸し付けを行っている都市整備局からは、ここで実現を目指した都の施策とは、環境配慮はもちろんのこと、耐震性の確保やバリアフリー、また緑化の推進等、盛りだくさんと聞いているわけでありますけれども、都民全体の財産である都有地を使っての展示場なわけでありますから、もっと東京の地域性や最近の社会経済の状況等を踏まえた都の施策が盛り込まれてよかったのではないかというのが私の率直な感想であります。
 というのも、二〇〇八年一月の報道資料等によりますと、当該地の貸し付けによる想定収入を一億円、これは年額賃料であります。この都との契約者であるファジー・アド・オフィスという会社が、出展者であるハウスメーカーと契約をするわけでありますけれども、この契約料というのは都の方でも認識をしていないということで、私もこれは今後また調べていきたいと思うんですけれども、民間に都有地を貸したので、貸した後は民間の自由という、この論理がまかり通ってしまえば、これは単なる又貸しビジネスになりかねないわけであります。やはり都の施策がしっかりと連動されているのかを今後分析していくことが、私は都有地を貸し出す際の最低限のラインだと考えます。
 そこで聞きますけれども、住宅展示場以外の活用策で一億円以上の収入が見込める、もっと財政効果的な利用策というのはなかったのかどうか、お伺いいたします。

〇河島都市整備局長 お話のございました都有地につきましては、地域のまちづくりに活用するため、地元区等の意向も確認しながら、整備の方向について検討を進めてまいりましたが、具体的な活用策が定まるまでにはしばらく時間を要する見込みでありますことから、当面五年程度の暫定利用を図ることとしたものでございます。
 暫定利用に当たっては、都が行う施策と連動した貸し付けを行うこととした上で、地元区等の意向も踏まえつつ、短期的な利用の中での事業性の確保などを考慮いたしまして、住宅展示場として利用を行うことといたしました。
 また、貸付料につきましては、東京都公有財産規則にのっとり適正に算出した額を上回る収入を得てございまして、適切と考えております。

〇尾崎委員 そうはいっても、この施策を連動するという観点からいえば、私は、この契約の上でもっと細かい数値を盛り込んでいくということも考えられたと思うんですね。
 例えば、今の時代はエコだとか環境だとかいわれている時代で、行政のさまざまな補助金や免税などの特典があるわけであります。この住宅展示場のような環境配慮住宅には非常にこれが追い風になっていると考えます。
 この展示場の目玉は、ほとんどのモデルハウスに設置された太陽光発電システムということなわけでありますけれども、太陽光発電については、さまざまな補助制度や家庭で発電した電力の買い取り制度、こうした開始もありまして、今後急速に普及することが考えられるわけであります。この展示場が環境配慮型の住宅展示場を標榜するのであれば、太陽光発電以外にもさまざまな再生可能エネルギーの普及を図るべきだと私は考えます。
 今回の貸し付けに当たっては、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入が貸付条件となっているわけですけれども、それ以外にも新しい再生エネルギーの導入などは考えられなかったのか、お伺いしたいと思います。

〇河島都市整備局長 この土地につきましては、地球温暖化対策等の環境施策と連動した貸し付けを行うことといたしまして、今お話のございました太陽光発電設備のほかにも、太陽熱利用機器等、再生可能エネルギー設備を備えた住宅の展示、さらには、住宅の断熱性能を高めることによる省エネルギー性能の確保などを条件としております。
 また、ハウスメーカー等が自主的に、太陽光発電以外の新たな家庭用のエネルギー設備といたしまして、例えば燃料電池を設置するなど、環境配慮型住宅展示場にふさわしい取り組みを行っておるところでございます。

〇尾崎委員 都有地を使った省エネ対応の住宅展示場としてだけでは利活用の根拠には乏しいと、私は先ほどから申しておるわけでありまして、ましてや、この展示場に出展をしているハウスメーカーは日本を代表する大手メーカーばかりであります。その上、このオープニングセレモニーには都市整備局や産業労働局が出席をして、都有地を使った展示場のモデルハウスであると聞けば、一般都民の感覚として、これは東京都が推奨するモデルハウスなのかと、さらには、ここに出展しているメーカーが東京都のお勧めなのかと、こうした感覚を抱いたとしても、これは無理からぬことだと思うんです。結果的に、東京都がこの都有地を提供して大手ハウスメーカーの住宅宣伝をしているといわれても仕方がないことだと思います。
 ちなみに、このハウスメーカーが宣伝をしているモデルハウスの購入平均額でありますけれども、これはおよそ五千万を超えるものでありますから、平均で坪単価百万円から百二十万円ということになるわけであります。ちなみに、一般都民が住宅を購入する際に利用する住宅金融公庫での融資額というのは、東京都の坪単価で約七十万円でありますから、私はやっぱり都民感覚から見ても、このモデルハウスが都民の望む住宅価格とは大きくかけ離れているのではないかと思わざるを得ないわけであります。
 一方で、都内の中小企業の業況というのは依然厳しい水準で推移しているわけで、中小工務店は、こうした不況の中でも本当にありとあらゆる知恵を振り絞って、自社製品のPRや、あるいは販路拡大の機会を待ち望んでいるわけであります。そのための機会を提供するのも、行政の役割として当たり前のことだと私は思うわけでありまして、そういう中で、単に省エネ対応の展示場としてだけでは、結果的に、都有地という都民の財産を使った大手ハウスメーカーの宣伝ともとられかねない。例えば貸付期間中のリフォームフェアだとか、あるいは多摩産材フェアなど、都民ニーズにこたえた取り組みをさらに推進すべきではないかと私は思いますが、見解をお伺いいたします。

〇河島都市整備局長 この展示場では、先ほどお話を申し上げました環境配慮型住宅の展示に加えまして、長寿命住宅や太陽光発電補助制度をテーマとするセミナーの開催などにより、来場された都民や、大手から中小までさまざまな規模の住宅事業者に対し、広く都の施策の普及啓発を行っております。
 また、展示場来場者に多摩産材を使用した展示場センターハウスを実際に見ていただくとともに、パンフレットを配布することなどによりまして、多摩産材の利用促進を図っております。
 今後も、こうした取り組みを通じまして環境配慮型住宅の普及促進に取り組んでまいります。

〇尾崎委員 ぜひこれは、こうした大手ハウスメーカーだけでなく、そうした中小工務店に機会を与えるとともに、そうした多摩産材の利用拡大なども僕はやってもらいたいと思います。
 というのも、この契約者であるファジー・アド・オフィス、これは平成二十年度の多摩産材利用拡大事業の決定事業者にもなっているわけです。上限額八百万のこの助成金が、この都有地を貸し出す際にもう既に交付をされているわけです。この展示場は、私も見に行きまして、今、局長からお話のあったセンターハウス、多摩産材を使ってのセンターハウスがつくってあるんですけれども、これは本当に八百万の助成金をもらって、申しわけ程度につくってあるようにしか私は見えなかったんですね。
 これはもう都の施策連動とはいいがたいものがあるわけでありまして、これは冒頭申し上げましたけれども、この契約条件の中にこうした多摩産材の活用などを盛り込んでいけば、契約した上に補助金を交付するなどということはなかったんだと、私はこう思うわけであります。
 今後は、こうした観点からも、この都有地の利活用については、ぜひこれは慎重に行っていってもらいたいと思うとともに、片方で、これは全部僕は否定するわけじゃなくて、例えば東村山市で行われているプロジェクト、東村山本町プロジェクトというのがありますけれども、これはもう本当に地産地消型のすぐれたプロジェクトでありますから、ぜひこうしたプロジェクトのように、都の施策のさまざまな局面において中小企業の活性化につながる取り組みがなされるよう強く要望して、次の質問に移ります。
 昨今の景気不況によりまして、日本全体の経済状況はさることながら、首都東京でも、その経済状況の悪化は著しく進んでおります。
 先般、厚労省が日本の貧困率は二〇〇七年の時点で一五・七%と発表しましたが、これは生活の苦しさを示す指標というよりも、国内の経済格差を見る指標でありますから、相対的貧困率は、これは三年前から拡大をしているわけであります。つまり経済格差がどんどんと拡大をしているわけで、昨今では、これが派遣村だとか、そうしたさまざまな社会問題を生み出し、経済的弱者に多くの影響を及ぼしております。
 そこで、まず最初に、経済も人口も集中しているこの東京においてさまざまな対策を立てていくには、東京都の貧困率というものも試算することは可能だと考えるんですが、お伺いいたします。

〇安藤福祉保健局長 お話の貧困率とは相対的貧困率でありまして、国民一人一人の所得、これは等価可処分所得といわれておりますが、この所得を順に並べまして、真ん中の金額を割り出して、その額の半分に満たない人の割合がどのくらいかを示す指標であります。
 国が今回発表いたしました相対的貧困率の統計データにつきまして、東京都分だけを入手することができるかどうか国に照会しましたところ、提供は困難であるという回答でございました。
 他方、福祉保健局では、毎年、東京都福祉保健基礎調査を実施し、その一環として、五年ごとに都内一般世帯の収入データを調査しております。しかし、本調査では、相対的貧困率を算出するための可処分所得のデータは把握をしておりません。したがいまして、東京都民を対象とした相対的貧困率というものの算出は現時点では困難でございます。

〇尾崎委員 別に僕は貧困率という言葉にこだわっているわけではありませんで、この貧困率というのはあくまで指標ですから、それに近いデータがあれば私はいいと思います。
 この近いデータの把握というのは東京都はしているのか、あるいは、このデータを把握することで、さまざまな対策を立てていくことが可能だと考えますが、いかがでしょうか。

〇安藤福祉保健局長 ただいま申し上げました当局の調査では、直近の平成十八年度でございますが、年間の世帯の収入が百万円未満の世帯が全世帯に占める割合は四・一%、二百万円未満の世帯の割合は一四・二%となっております。こうした基礎調査を継続的に実施いたしまして、幅広く活用してまいりたいと思います。

〇尾崎委員 今のご答弁で、年間の世帯収入が百万円未満の世帯が全世帯に占める割合は四・一%、二百万円未満世帯の割合は一四・二%という話でしたが、恐らく都民の貧困率というのは、この間にこのゾーンが存在するんだと推測されるわけであります。
 なぜ私はこういうことを聞くかといえば、この世帯の貧困は、就労ができず、十分な収入が得られないことがその背景にあるわけであります。こうした人たちをターゲットにした、まさしく弱者をねらい撃ちにしたさまざまなものは、これは昨今話題にもなりましたけど、おれおれ詐欺にも見られるように、これは手をかえて、品をかえて、本当に次々と出てくるわけであります。
 これは今、貧困ビジネスともいわれるものでありまして、法の抜け道を駆使して事業としてしっかりと成り立ってしまって、この貧困ビジネスによる被害者は増大しております。その内容も、悪徳人材派遣会社のような雇用にかかわるものから、住民票登録ができるインターネットカフェ、また借金返済の弱みにつけ込んだ多重債務者過払い金ビジネスなど、これは多岐にわたっております。
 最近では、敷金礼金をゼロでとうたって、部屋のかぎのみを貸与することによって、借地借家法にとらわれない、まさしく法の抜け道を突いたゼロゼロ物件の被害に遭った方たちが後を絶たないとも聞いております。ゼロゼロ物件にあわせて、家賃を滞納したら貸し主にかわって取り立てる家賃保証会社、また、強引な手法でこの退去を迫る追い出し屋など、本当にこれは枚挙にいとまがないくらいであります。
 こうした事業は法の目をくぐっていることから、夜討ち朝駆けの取り立ては日常茶飯事で、ドアに張り紙をされたり、あるいは取り立てに来たら訪問料を請求されたり、さらには、出ていけだとかという弔電を送られたり、さながら本当に一昔前のサラ金の取り立てをほうふつとさせるようなことが現実に起こっているわけであります。
 この東京都への相談件数も、平成十六年度から右肩上がりでふえていると聞いております。今現在こうした行為を規制する法律がないわけでありまして、これは今、業界の自主ルールにゆだねられていることから、これはやっぱり本格的に動かなくちゃいけないということで、国の方でも、先日、前原国土交通大臣が規制する新法を検討し始めたと報道をされたばかりであります。
 こうした社会問題について、都には直接担当する部署がないと聞いておりますけれども、都民からは消費生活総合センター等に相談が寄せられているんだと思うんですね。この消費生活行政の観点から、ゼロゼロ物件についてどのように把握しているのか、お伺いいたします。

〇秋山生活文化スポーツ局長 いわゆるゼロゼロ物件でございますけれども、敷金礼金を要しない賃貸借物件であるということでございますが、ゼロゼロ物件そのものに問題があるわけではなくて、家賃滞納時の取り立てに、例えば入居者に無断でかぎを交換するなどの問題があったものという認識をしております。
 実態の把握についてでございますけれども、消費生活総合センターへの相談案件を通じて、被害者、消費者被害が生じていないかを把握し、個別に適切に対応しているところでございますが、消費生活総合センターには、ゼロゼロ物件というよりも、ご質問の中にありました家賃保証会社に関する相談が多く来ているという現状にございます。
 なお、最近の特徴といたしましては、家賃保証会社の倒産に伴う相談などが目立っている状況にございます。

〇尾崎委員 じゃ、こうした全般の消費者トラブルについて、都はどのような取り組みをしてきたのか、お伺いいたします。

〇秋山生活文化スポーツ局長 消費生活総合センターへの個別の事案の相談などについて適切に対応してきたというような実態にございますが、例えば東京でゼロゼロ物件でマスコミ等で話題になった会社につきましては、消費生活条例第八条によりまして、都民の方から、実態を調査して必要な措置をとるよう申し出がございましたので、現地調査などを行い、実態を把握して、適切な対応を行ったところでございます。
 また、その過程で、ゼロゼロ物件以外に、家賃保証会社につきましても、入居者に無断でかぎを交換するなどの違法な行為、こういったものが数多く相談として寄せられているという実態がございまして、それの調査に乗り出しました。
 これはいわゆるすき間事案といわれるもので、なかなか対応が難しかったのですが、関係局でございます都市整備局と特別対策班を設置いたしまして、家賃保証会社の関係団体に改善を要請いたしまして、結果といたしまして、業界の中で適正な自主ルールを制定するといった効果も上げてございます。

〇尾崎委員 今後、じゃ、どのような対応をしていくのか、お伺いしたいと思います。

〇河島都市整備局長 現在、ゼロゼロ物件の貸し主と同様なトラブルを引き起こした一部の家賃保証会社等の問題を踏まえまして、国土交通省は、都も臨時委員として参画しております社会資本整備審議会におきまして、家賃保証業務等の適正化について検討しております。
 都としては、こうした国の動向も注視しつつ、当面、これらの事業者に対する指導等が可能な消費生活条例を所管しております生活文化スポーツ局と私ども都市整備局とが連携いたしまして、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。

〇尾崎委員 これは国の方でも早急に対応している問題でありますから、ぜひ東京都の方も迅速に対応していただきたいと思います。
 今、生活文化スポーツ局長と都市整備局長がこの件ついてばらばらに答弁されたんですけれども、委員会の場ですからいいですけれども、都民にしてみれば、どんな事案でも相談に来るのは東京都に相談する、あるいは消費生活総合センターに相談するという感覚で相談をしているわけでありますから、これはやっぱり全庁的にチームを組んで、この問題には取り組んでいただきたいということを要望いたします。
 続きまして、同じくこうした貧困ビジネスの中で、厚生労働省は十月二十日に、無料低額宿泊施設等のあり方に関する検討チームというものを設置いたしました。この無料低額宿泊施設を利用する、この貧困ビジネスも今社会問題化しております。
 これは、生活保護の受給者あるいは受給を受けようとする人たちは、いうまでもなく住民登録が必要なわけでありまして、住まいを持たない人たちはこれを受給することができないわけであります。ここに目をつけて、例えば借金の返済にこの生活保護の受給金をあてがうために、貸金業者が無料宿泊所に債務者を一手に集めて、住民登録をさせた上で受給できる権利をつくる。これはすべての無料宿泊所でそういうことが行われているとはいいませんけれども、こうした返済方法がまかり通ってしまっている現実があるわけであります。
 先ほども申し上げましたけれども、厚労省ではこの検討チームを設置いたしましたが、都としては、この国の検討を見守りながらも、積極的に本件に取り組む必要があると私は思うんですが、いかがでしょうか。

〇安藤福祉保健局長 無料低額宿泊施設の設置につきましては、東京都は平成十一年に、全国に先駆けまして、宿泊所の届け出に関するガイドラインを制定いたしました。
 その後、平成十五年には、宿泊所設置運営指導指針として強化をいたしまして、利用者の処遇向上や経営の透明性の確保など、事業者を指導しております。
 国では、お話のように、無料低額宿泊施設等に関し、検討チームで法規制や金銭管理のあり方などについて検討していると伺っております。
 都としては、事業者に対しまして引き続き都の指導指針に沿った運営指導を行うとともに、国の検討状況を見ながら、適切に対応してまいります。

〇尾崎委員 先ほども申し上げましたけれども、国レベルでは、これはもう本年九月一日から、消費者庁及び消費者委員会が設置されまして活動が始められております。これは産業育成省庁による縦割り行政を改めて、行政全体が消費者目線の行政へと転換していくための重要な取り組みの第一歩として、消費者問題に取り組む人たちが長年にわたり希望をしてきたことでもあるわけであります。
 しかし、国レベルでのこれらの組織を消費者のために真に機能させていくためには、地方におけるこの行政も変わっていくことが必要不可欠だと考えます。
 先ほどの貧困率の話もさることながら、経済が集中するこの首都東京が、やはりそうしたいろいろなこれから出てくるさまざまな案件に対して迅速に対応するとともに、また、そうした情報や、あるいは意見というものをいち早く集約をして、一致団結して取り組んでもらいたいということを最後に要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

 
2009.10.21 各会計決算特別委員会第2分科会(第5号)

◯尾崎委員 私は、消費者生活行政についてと、また後ほど東京マラソン、これは環境からの視点で何点かお伺いさせていただきたいと思います。
 先ほど、この消費者生活行政については何人かの先生からもご質問ございましたけれども、今この経済の悪化が進んでいる状況の中で、日本の社会状況、とりわけ首都東京の社会状況というものは非常に厳しいものであると認識をいたしているところであります。都民生活をしているすべての方、中小企業の経営者だとか、例えばそこで働く方々、こうした人たち、仕事がなくなってしまった人、さまざまな理由で経済的に困窮している、こうした人たちが消費者金融にお金を借りにいくということは、想像にかたくないわけであります。
 そうした消費者金融でお金を借りた結果、多重債務に陥ってしまう。これは、昨年のリーマンショックに端を発して、都民の生活をめぐる環境は大きく変わっているものと認識をしております。派遣切りなどの雇用危機はいうまでもなく、中小零細企業の経営危機等を背景とした多重債務者の増加や、また、商店街のシャッター通り化による地域コミュニティの崩壊等、都民生活のさまざまな場面で厳しい実態があらわれていると思っております。
 自殺者の数も、東京は平成十九年度で三千四十七人、平成二十年度で二千九百四十一人と、毎年三千人近くが亡くなられているわけであります。こうした自殺のことについては、これは福祉保健局の管轄でありますから多くは申しませんけれども、その予備軍ともいうべき方々の多くが生活相談窓口を訪れていることをかんがみれば、消費者生活行政の役割は極めて重要なものであると考えるところでございます。
 こうした中で、この多重債務に関する相談、これは先ほどもお話をしましたが、リーマンショック以降、非常にふえていると思うわけでありますけれども、昨今の都内の多重債務相談の状況と具体的な相談事例についてお伺いいたします。



◯清宮消費生活部長 多重債務問題でございますが、いわゆる多重債務者といわれる方は、一人当たり五件以上の借り入れをしている方の数でございまして、この二年間でそれ自体は全国では三分の一近く減っているというふうに、金融庁の調査によればなってございます。一方では、一件または二件の借り入れをしている方の数が増加傾向にございます。
 東京都の消費生活総合センター及び区市町村の消費生活センターに寄せられました平成二十年度の多重債務に関する相談は七千九百五件、前年度の七千四百八十四件よりは四百二十一件、五・六%増加しておりまして、ここ数年は七千件台で推移しているところでございます。
 具体的な相談事例でございますが、例えば、生活苦のために借金をし、十年前から銀行キャッシングのほか六社から借り入れをし、総額五百五十万円となってしまった、子どもが三人いて、妻はパートの勤めを始めたというものや、十数年前から生活費のため借りては返すの繰り返しで、三つの会社から二百二十万円の残債がある、夫は年金受給者であるといったような内容の相談が寄せられてございます。



◯尾崎委員 全国的に、多重債務の方からすれば、金融庁の調べではちょっと減少しているということで、一件、二件の債務の方々はふえているというお話だったわけでありますけれども、でも、この東京においては、今、部長の方からも話があったとおり、多重債務に関してはふえている、増加をしている、まだまだ深刻な状況にあると思われるところであるわけであります。
 じゃ、消費生活総合センターでは、この多重債務の問題の相談を受けた場合どのような対応をしているのか、お伺いいたします。



◯清宮消費生活部長 東京都では、多重債務相談者の方が適切に解決に結びつくよう、都及び区市町村の消費生活センターから弁護士会等の法律専門相談窓口に確実につなぐ仕組みでございます東京モデルを平成二十年度から開始しているところです。
 具体的には、都の消費生活総合センターでは、相談員が任意整理や自己破産などの多重債務整理の方法について丁寧に説明をし、相談者の状況に合わせて、弁護士会や司法書士会などを適切に紹介しています。専門家の窓口と連携しながら、相談の予約を確保し、問題解決の方向性が定まるまで相談員が確実にフォローしているところでございます。
 さらに、区市町村とともに特別相談多重債務一一〇番を年二回実施するなど、多重債務相談の体制整備に努めているところでございます。
 総量規制の導入や上限金利の引き下げ等の改正貸金業法、それが来年の六月までに完全施行されるという一つの状況と、こうした東京都の相談体制の効果とが、五件以上の借り入れをしているような多重債務者の数の減少には貢献しているところかなと考えてございます。



◯尾崎委員 多重債務の問題解決のためにさまざまな努力をされているというのは、私も今の答弁を聞いて非常に理解をするところでありますし、今後も引き続きそれは行っていってもらいたいと思うんですが、例えば、相談に来られた方に対してはそうした対策をとる、ただ──別に私の周りに多重債務者が多いというわけじゃないんですけれども、議員をやっていれば、いろいろとそうした相談もあるわけですよね。それで、東京都でこうしたシステムがあるから、ぜひこういうところへ相談に行ってもらいたいと。それは、相談に来れば、私も弁護士を紹介したりだとか、そういうことをしますけれども、やっぱりまだまだ、今こういう相談窓口があるということを知らない方々もいるわけであります。それで、いろいろと話を聞いていると、例えば認可登録をしている貸金業者、消費者金融等から借りている人たちだけではなくて、いわゆる認可登録をしていないヤミ金業者ですね、こうしたヤミ金業者では、十日に一割なんていうのは一昔前の話でありまして、もう今は十日に五割だとか、一日で金利が倍になってしまうソクイチだとか、こうした非常に違法な、法定金利を超えた金利で貸し出しをしている業者が、今、東京では横行しているという話も聞いております。そして実際にその被害に遭われた方々も、私もお会いしております。
 そうした方々が実際、頼みの綱として頼みに行く、その一例として、お金を払い過ぎちゃって、過払いをしてしまって、それで過払い請求を弁護士に頼んで、今まで払い過ぎてしまった金利を返してもらうという、今はそういうシステムがあるわけですけれども、その相談をしに行った弁護士が過払い金を、これはもちろん依頼をされて、その違法な業者からそれを返してもらうわけですけれど、それをその依頼をされた依頼人に返しもしないで、そのままどこかに、いなくなってはいかないんでしょうけど、そのまま返さないで済ませてしまうという、こうした相談事例も実際あると聞いております。
 これは弁護士会なんかでもいろいろと問題にはなっていることだと思うんですけれども、例えば消費者金融相談、この中で、ヤミ金の問題は産業労働局でも窓口があると聞いていますが、この産業労働局だとか、また事件になれば警視庁が出てくるわけでありますけれども、相談者の方からすれば、わらにもすがる気持ちで相談をしに来るわけでありますから、そこが窓口だからうちでは対応できませんよとか、そうしたことは多分していないと思いますけれども、ぜひこれは横断的な都庁の中で対応していただくことをお願い申し上げる次第でございます。
 ところで、この消費者金融の相談だけではなくて、詐欺まがいの手口で英会話の教材を買わされるだとか、若者の消費者トラブルがかなり多いということも聞いております。最近の相談のそうした状況と被害防止のための都の対策をお伺いいたします。



◯清宮消費生活部長 消費生活相談の中の若者のご質問でございますが、二十九歳以下の若者に関する消費者相談につきましては、相談内容で見ますと、繁華街でアンケートと称して声をかけるキャッチセールスや、もうけ話で巧みに誘うサイドビジネス商法、また、就職に有利だからと学生に高額な英会話教室を契約させる事例などが多く見られます。
 相談件数は、平成二十年度で二万六百九十一件で、相談全体の一六・五%を占めてございますが、平成十六年当時は約六万件ございまして、それに比べると大きく減少はしているところでございます。
 この間、東京都としましては、関東近隣県九県や五つの政令指定都市及び二十三区、二十三市等と合同で特別相談若者のトラブル一一〇番を実施しますとともに、進学や就業に向けた一月から三月の時期に、若者向けの悪質商法被害防止共同キャンペーン等を展開してまいりました。ポスターやリーフレットの配布に加え、新宿、渋谷、立川などの三カ所の大型街頭ビジョンを活用し、イメージキャラクターを使用しましたインパクトの強いメッセージを放映しているところでございます。また、若者をねらった悪質事業者につきましても、必要なものについては処分をしてきたところでございます。



◯尾崎委員 社会経験の浅い若者のトラブルが多い一方で、やっぱり振り込め詐欺などにも見られるように、高齢者の消費者被害というものも増加をしているわけであります。そしてまた、その被害状況も深刻であると聞いておりますけれども、東京都は、私もホームページをちょっと見たんですけれども、高齢者被害者対策として、ホームページ等を初めとしてさまざまな普及啓発を行っていると思います。
 ただ、やっぱり高齢者の方はホームページは余り見ないと思うんですよね。それを見ないで、自分にそういう被害が起こって、どこに相談に行っていいかわからないという方々もかなり多くいらっしゃると思うんです。だから、例えば介護事業者や民生委員など、周りにいる人々のサポートがそういうときに非常に必要になってくると思うわけであります。
 そこで伺うんですが、高齢者の消費者被害防止のため都ではどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。



◯清宮消費生活部長 東京都では、高齢者の消費者被害が深刻なことから、消費生活総合センターに平成十八年度に、一般相談窓口とは別に高齢者被害一一〇番を設置いたしました。また、高齢者はひとり暮らしの方も多く、社会とのコミュニケーションも希薄であり、インターネットを初めとするホームページなど、情報媒体にも接する機会が多くないということも考えられます。こうしたことから、高齢者被害一一〇番とあわせまして、民生委員やホームヘルパーの方などが高齢者被害を通報できる高齢消費者見守りホットラインを開設し、きめ細かい相談体制をとっているところでございます。
 また、平成十九年には、高齢者の消費者被害防止のための地域における仕組みづくりガイドライン、これを作成いたしまして、区市町村において、地域包括支援センターなどの高齢者を見守る人たちとの仕組みづくりを促進しています。既に都内の十九区、十九市で仕組みができているところでございます。
 さらに、毎年九月には高齢者被害防止キャンペーン月間と定め、ポスター、リーフレット、交通広告等による啓発を行うとともに、八都県市が国民生活センター等と合同で高齢者被害特別相談を実施するなど、さまざまな取り組みを進めているところでございます。



◯尾崎委員 お話を伺っていて、さまざまな取り組みをされているというのは非常に理解するものでありますし、認識をいたしました。
 だけど、さっきも申し上げましたけれども、要はその周知の問題でありまして、さまざまな取り組みをしていて、せっかくそうしたシステムがあるのに、やはりそれを知らない人たちがいるわけですから、ここにどうやって周知をしていくかということも、ぜひこれからも検討課題として取り組んでいただきたいということをお願いして、次の質問に移ります。
 続きまして、東京マラソンについてお伺いいたしますが、この東京マラソンも、もう三十一万人を超える応募があるなど、大変な人気イベントとして三回も実施されまして、定着をしてきた感があるんですが、今後やっぱり、スポーツが人々に与える感動、このすばらしさを広く社会に還元していく取り組みが求められると私は思うわけでありますけれども、その意味で、東京マラソンが行っている環境への取り組みについて何点かお伺いしたいと思います。
 ちょうど今、私たち民主党の鳩山総理も温暖化ガスの二五%削減を打ち出し、また、知事も低炭素都市東京への取り組みを今一生懸命、全都的にも、全庁的にも行っているところであると思うんですけれども、ことしの三月に行われた東京マラソンで、低炭素都市東京の実現のためにどんなことを行ったのか、お伺いしたいと思います。



◯岸本東京マラソン事業担当部長 東京マラソンでは、大会の実施に伴います環境負荷の低減に向けまして、東京マラソングリーンプロジェクトを実施しているところでございます。
 内容でございますが、大会で使用する電力をバイオマス発電によるグリーン電力を用いて賄いますことや、一万人を超えますボランティア、それからスタッフのウエアを再生ポリエステル一〇〇%の素材で製作するなどの取り組みを行ったところでございます。
 二〇〇九年大会では、ご案内のとおり、ランナーの参加者が三万人から三万五千人に、率にしますと一六%ふえておりますが、ただいま申しましたような取り組みによりまして、大会に起因するCO2の排出量は二千七百三十トンとなりまして、前年比一・八%の微増という結果となっております。



◯尾崎委員 今のお答えによりますと、定員を五千人、率にして一六%ふやしたが、大会に起因するCO2は一・八%の微増に抑えることができて、大会に起因するCO2排出量はおよそ二千七百三十トンということでありますけれども、東京マラソンでは、CO2の排出量についてカーボンオフセットを行っているのか、お伺いします。



◯岸本東京マラソン事業担当部長 東京マラソンのエキスポ会場におきまして、寄附金つきの東京マラソンのオリジナルのチャリティーグッズを販売するなどの活動を行いまして、そこで得られました収益を、緑の東京募金を通じて海の森の植林に充てることとしております。二〇〇九年大会におきましては四千七百五十七本分の植林を行う金額が集まりまして、これによりまして、CO2排出量の約一九%をオフセットすることができたこととなっております。



◯尾崎委員 やっぱり環境都市東京、そして低炭素都市東京を実現するというふれ込みなわけですから、私はもっとカーボンオフセット率を上げるべきではないかと思うわけであります。今のお話だと、海の森だけで植林をされているというお話なんですけれども、例えば東京全体でカーボンオフセットを行っていくためには、私も地元、調布ですけれども、三多摩の方ではまだまだそういった植林をできる地域はありますから、多摩でも植林の必要があると思うんですが、いかがでしょうか。



◯岸本東京マラソン事業担当部長 カーボンオフセットの割合を上げていくことは、やはり当然必要であると考えております。そのため、幅広い層にチャリティーについて参加を呼びかけるなどの工夫を今後してまいります。
 また、緑の東京募金におきましては、募金の使途を寄附者が選択できますことから、植林の場所につきましても、東京マラソンの他の主催者等とも相談の上、今後幅広く検討してまいります。



◯尾崎委員 ぜひこれは検討していただきたいと思います。
 それで、都においては、東京マラソンのほかにも各種の競技大会、都民が広く参加できるウオーキング大会など、さまざまなスポーツイベントを実施しております。そうしたイベントにおいても環境に配慮した取り組みを展開していくべきだと思いますが、所見をお伺いいたします。



◯安藤スポーツ振興部長 スポーツイベントにつきましては、大規模な競技大会などもある一方、シティサイクリング大会のように環境に優しいイベントなどもございます。さまざまなイベントにおきまして都民に環境に配慮した行動を呼びかけることはもちろん重要でございまして、これまでも、TOKYOウオーク二〇〇九で緑の東京募金の周知を図るなど、参加者に対しまして環境問題についての理解と協力を呼びかけてまいりました。
 今後も、関係者の協力を得て、これまでと同様、スポーツイベントにおける環境への配慮に努めてまいります。



◯尾崎委員 最後に、その流れなんですけれども、これから東京国体が行われるわけでありますが、この東京国体に向けていく中で、都ではこの四月に武蔵野の森総合スポーツ施設基本構想というものを策定しているわけであります。今ちょうど私の地元の調布市の味の素スタジアムの隣に、この武蔵野の森総合スポーツ施設という施設がこれからできるわけでありますけれども、これはこれから多摩地域の拠点となるスポーツ施設になるわけであります。これもそろそろ建設に着工していくわけでありますけれども、ちょうどこの間、甲州街道がこうありまして、味の素スタジアムのちょうど西側にそのスポーツ施設があるわけであります。あそこら辺一帯は都有地がたくさんあるところなんですが、ちょうどそこにポプラの並木が何本かあったんです。
 これは、ちょうど私も調布の飛田給に住んでいるものですから、その自治会の中で、そのポプラの木はぜひ残してもらいたいというお話があったんです。で、それを東京都の方にも伝えようとしたら、こういうときは異常に早くて、すぐ伐採しちゃったんですよね。これは埋蔵文化財の調査という名目で、すぐにポプラの木を伐採しないとその調査に入れないので、そのポプラの木を伐採しないとこの建設にも着工できないという理由だったんですけれども、そういう理由であれば、周辺住民にもいろいろと説明をする時間もあったと思うんですが、そういった周辺住民への説明もないまま、そのポプラの並木も切られてしまったんです。
 あの辺は、今申し上げましたけれども、まだまだ桜並木とか森林がちょっと残っている、非常にいい場所なんです。武蔵野の森総合スポーツ施設というぐらいですから、ちょうど緑とまちが融合したような、非常にいい環境にある場所なんですね。ぜひ、まだ着工する前に──で、その隣のところに、これから予定するところなんですけれども、ここも、周辺住民の方々が春になると桜の木のもとでお花見をしたりする場所がある、桜並木があるんですけれども、私、この味の素スタジアムの西側の桜並木、これはぜひ、武蔵野の森総合スポーツ施設をつくる際にも残していただきたいと思うんですが、所見をお伺いいたします。



◯板垣参事 建設予定地の既存樹木に関しましては、都と地元三市で構成いたします調布基地跡地関連事業推進協議会での協議を踏まえまして、基本構想におきまして、可能な限り保存をするという方針を明らかにしているところでございます。この基本構想に基づきまして、用地西側の桜並木につきましては、調査を行った上で、その保全を行っていく予定でございます。
 なお、先ほどご指摘のありましたポプラにつきましては、埋蔵文化財調査の区域内にありまして、調査の支障となりますほか、移植も困難と判断されましたことから、土地利用構想の告示、縦覧とあわせて、住民説明会の開催等、条例に基づく手続を経て伐採を行ったところでございますので、ご理解を賜りたいと存じます。



◯尾崎委員 この桜並木だけは残していただきたいということを要望して、私の質問を終わります。




 
2009.10.14 各会計決算特別委員会第2分科会(第3号)

◯尾崎委員 私からは、まず医療関係についてお伺いいたします。
 医師不足を初めとして、日本の医療が崩壊の危機に瀕しているということは、ここ数年、報道等や、また都議会でもさまざまな議論が尽くされてきたと思います。民主党政権も、医師の供給源である医学部の定員を増員するとしているわけでありますが、これは、お医者さんが少ないからといって、じゃ来年ふやすといっても、なかなか一朝一夕にはいかないわけでありまして、十七歳、十八歳の学生が一人前の医師として活躍できるのは十年ぐらい先の話になるわけであります。お医者さんの絶対数が不足をしていて、それを補わなければならないのは事実であるとしても、現在の限られた医療資源をどのように活用していくか、また、コメディカルなどをどのように養成、確保するかが喫緊の課題であると考えます。
 そこで何点かお伺いいたしますが、まず産科については、リスクに配慮しながらも、医師との役割分担の観点から、助産師の専門性を活用することが重要であると考えます。医療機関において、正常経過の妊婦さんの健康診査や保健指導、また助産を助産師さんが自立して行う院内助産所や助産師外来の設置を促進することで、医師は医師の専門業務に専念することができ、業務の軽減が可能になると私は考えます。
 東京都は院内助産所等の設置についてどのような支援策を講じているのか、まずお伺いいたします。



◯吉井医療政策部長 病院勤務医の業務の負担を軽減するためには、産科の領域で申し上げれば、院内助産所や助産師外来の設置、これを促進することが必要と考えております。
 平成二十年度から、病院勤務医師の離職防止、定着促進を目的として事業開始いたしました医師勤務環境改善事業、この中では、院内助産所や助産師外来を設置する周産期医療センター等の医療機関に対しまして、助産師の確保や施設の整備の支援を行っておるところでございます。
 また、院内助産所等を医療機関の中に開設するためには、助産師の自立的な対応でございますとか、院内全体の協力、さらにはリスク管理などの体制を確保していく必要がございます。このため、こうした課題への対応のノウハウなどにつきまして都は医療機関に対して研修を行って、開設促進を図っているところでございます。



◯尾崎委員 平成二十年三月の東京都保健医療計画によりますと、病院勤務医の事務を補助する医療補助者、医療クラークといわれるものでありますけれども、これを導入して医師の負担軽減を図っていきますとされております。勤務医の激務の原因の一つは書類作成の増大にあるという指摘もあるわけであります。この中で現場のお医者さんの負担を軽減するためには、医療クラークの導入をぜひ推進すべきと考えます。
 アメリカなんかでもほとんど、医療業務の、本来のお医者さんの業務の診療業務のほかは、書類作成なんかは医療クラークがほとんど担っている、こうしたことでありますので、ぜひこの医療クラークの導入を推進させていくべきと考えるんですが、この医療クラークの配置については、二十年四月に診療報酬の評価の対象とされております。ですけれども、現場からは十分な評価がされていないという声も多く聞かれるわけであります。
 これは私、昨年の予算特別委員会の前に府中の都立病院の方にもちょっとお邪魔させていただいて、視察をしたんですが、そのときにも、そうした現場の声というものもたくさんお伺いしてまいりました。
 病院勤務医の負担軽減に向けて、東京都は医療クラークの導入についてどのように認識をしているのか、お伺いいたします。



◯吉井医療政策部長 病院勤務のドクターは、多忙な診療業務に加えまして、患者一人一人に対しまして、診断書でございますとか診療録の作成、さらには治療計画の同意書の作成などの事務を行っております。医師の、クラーク、すなわち診療報酬上で申し上げますと医師事務作業補助者とされておりますけれども、医師の指示のもと、代替可能な事務につきましては、こうした事務サポート体制を構築して医師の負担を軽減することは重要であるというふうに認識しております。



◯尾崎委員 やっぱり医療クラークの役割は重要であると考えるとのことでありますけれども、じゃ、この医療クラークの設置の推進のために一体どのような取り組みをしているのか、お伺いいたします。



◯吉井医療政策部長 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、医師事務作業補助者として医師を有効にサポートしていくためには、診断書であるとか診療録など、関係する業務に一定の知識を有することが必要でありまして、診療報酬制度の中でも、知識取得のための研修の実施が求められているところでございます。
 このため、都は、先ほど申し上げました医師勤務環境改善事業の中で、医師事務作業補助者の研修、これを促進するため、救急医療機関などにおいて研修受講に必要な経費を支援しているところでございます。
 さらに申し上げれば、国に対しまして、医師事務作業補助者の配置について診療報酬の拡充を提案しているところでございます。



◯尾崎委員 やっぱり医療の研修受講に必要な経費とかを支援しているということなんですけれども、この医療クラークは、今ちょっとご答弁の中にもあったと思うんですが、例えば単なる事務秘書だと、やっぱり医療の知識がないと、なかなかお医者さんの補助にはならないということでありますけれども、その研修をする際に、今いろいろと雇用情勢等々も悪化をしている中で、医療クラークの研修制度を受けることのできない、受けることができるということを知らない人たちも多分いると思うんですね。事務の能力は非常にあって、例えば、もしそういうことに興味があれば、自分も医療クラークという、こういう資格があれば──資格はないんでしょうけれども、こういった仕事があるのであれば、ぜひこういうところで仕事をしてみたいという人たちは、今たくさんいると思うんです。
 ですから、もちろん必要な経費を支援するということは必要だと思うんですけれども、それと同時に、その周知についてもぜひ、これは東京都の方にも拡大をしていただきたいということをお願い申し上げます。
 続いて、七対一看護導入以来、現場では看護師の争奪戦ともいえるような状況が起きております。実際に医療現場で見聞きしている状況からいたしますと、平成十九年十一月に出された東京都看護職員需給見通しの需要の見通しがやや低目になっているようにも感じられます。この見通しの進捗はいかがでしょうか。



◯吉井医療政策部長 都は、看護師の確保対策といたしまして、養成対策、定着対策、離職防止のための定着対策でございますが、あとは再就業促進対策、こうした総合的な対策を実施して、都内に必要な看護職員の確保を図っているところでございます。
 今、先生ご指摘いただきました需給見通しにつきましては、平成十九年に策定いたしまして、これらの施策について、養成、定着、再就業、それぞれの施策を推進しているところでございます。
 で、平成二十三年、需給均衡を目指すということで、こうした施策を推進するとともに、今までの事業に加えまして、看護職員の地域における再就業を促進するために、ナースバンクで就業あっせんを行っておりますけれども、地域の身近な病院で復帰に必要な研修を行う看護職員の地域確保支援事業、こうしたものを独自に実施するということとあわせまして、さらには平成二十一年度、今年度からでございますけれども、看護職員が妊娠、出産、育児を迎えても離職することなく引き続き働き続けられるよう、三百床未満の中小病院に対しまして短時間正職員制度の導入を支援している、そういう状況でございます。



◯尾崎委員 お医者さん不足を解消するのと同時に、看護師不足を解消するためには、やっぱり看護職員の養成は非常に重要であるわけであります。
 これは私、昨年の二〇〇八年の予算委員会で質問させていただいているんですけれども、東京都は、都立看護専門学校の定員は現状でも十分という認識なのか、お伺いいたします。



◯吉井医療政策部長 都立看護専門学校は現在、看護三年課程七校、入学定員は五百六十名、これで運営を行っているところでございます。民間などを含めまして、都内の看護学校の入学定員は五千人前後で推移している状況がございます。
 急速に進む少子化の中で、看護職員確保対策といたしましては、養成対策だけではなく、定着対策、再就業対策、これらを総合的に推進していくことが重要であるというふうに考えてございます。



◯尾崎委員 先ほどもお話をさせていただきましたけれども、お医者さんが少ないのと、先ほどの医療クラークの数を確保していくということ、そしてこの看護師の不足を解消していくというのは、これはやっぱり三つどもえで、ぜひこれは取り組んでいただきたいということを改めてお願い申し上げます。
 続いて、少子高齢化社会の到来がいわれて以来、久しく時間がたっております。その間、社会経済情勢の大きな変化の波は、子育て世代にも、また高齢者世代にもさまざまな影響を与えております。また、核家族化の進行や独居老人世帯の増加は、これまでの人間関係の基盤でもあった地域社会システムの崩壊を伴いながら、ますますコミュニティの喪失を招いております。
 そのような中で注目されるものの一つとして、幼児と高齢者の共生空間を持つ幼老統合施設というものがあります。都内には現在でも、乳幼児を対象とした保育所等の施設と高齢者施設とが同一の建物に設置されている例や、また同一敷地内に併設されている例があります。私の選挙区であります調布市でも、ときわぎ国領というところなんですけれども、工場跡地を活用して集合住宅を建設する際に、近接して保育所や特別養護老人ホーム、またデイサービスセンターを併設する総合福祉施設を設置した例があります。
 こうした幼老統合施設の設置とまではいかなくても、保育所と高齢世帯を含む集合住宅との複合的な整備が進んでいけば、地域社会において幼児世代と高齢者世代とが日常的に交流し、世代を超えた共生が形づくられ、子育て世代を多面的に支援することができるだけでなく、地域の高齢者にとっても生きがいが生まれ、結果として新たなコミュニティの創出にもつながると考えるわけであります。
 現在、東京都は、待機児童の解消に向けて、保育所の緊急整備に取り組んでいるところでありますけれども、特に大規模な集合住宅が整備される地域で保育所の需要が高まっているとの声を聞いております。集合住宅等の整備に合わせて保育所を整備することは、待機児童の解消とともに、世代間交流の促進につながるものと考えますけれども、具体的な支援の仕組みについてお伺いいたします。



◯吉岡少子社会対策部長 都は、保育所の待機児童の解消に向けて、平成二十年度から、従来の一・五倍のスピードで施設整備を行う保育サービス拡充緊急三カ年事業に取り組んでおります。この緊急三カ年事業では、用地確保が困難な大都市の実情を踏まえ、マンション等の賃貸物件を活用した保育所整備に対する補助制度を創設いたしました。
 引き続き、区市町村と連携し、集合住宅等の整備に合わせた保育所等の整備を支援してまいります。



◯尾崎委員 賃貸物件を活用した保育所整備は、用地確保が困難な都市部では有効な方策であると考えます。新たな施設として整備する場合だけでなく、例えば今、地域の商店街を見ても、空き店舗がたくさんあるわけであります。また、統廃合した学校施設を活用して設置していくことも有効であると考えます。地域における幼児と高齢者の交流は、待機児童対策や高齢者サポートなどの直接的効果だけではなく、地域コミュニティの再生などの効果もあることから、地域全体の活性化対策としても、ぜひこれは積極的に取り組むよう、区市町村や事業者への働きかけをお願いいたします。
 次に、特別養護老人ホームの助成についてお伺いいたします。
 特別養護老人ホームなどの施設整備については、今、超高齢化社会が進行している中、在宅志向が強まっております。急増するひとり暮らしの高齢者や老老介護の実態というのは、今後もこれは増加をすると思われ、その必要性は高くなっている状況だと考えます。
 東京都では、こうした状況の中なんですが、平成二十年度、用地助成制度というものが廃止をされてしまったわけであります。現在、都内の特養ホームに申請している市民の待機状況というのは、待機者数が三百八十六人、申し込み延べ件数が七百二十三人、平均申し込み箇所数が一・八七カ所なんですね。私の選挙区である調布、狛江市を初めとして、武蔵野、三鷹というのは、二十三区にちょうど隣接をしているところなんですけれども、この現総定員数以上の待機者がいるにもかかわらず、整備が遅々として進まない状況になっております。
 こうした中で、第三回都議会定例会でも、大都市東京の介護基盤の整備について我が党が質問をいたしました。今後もふえ続ける要介護高齢者に備えて、都は介護基盤の整備を強力にバックアップするため、特別養護老人ホームの整備に当たっては、この土地取得のための助成を改めて復活させるべきと私は考えるんですが、所見をお伺いいたします。



◯狩野高齢社会対策部長 特別養護老人ホームの用地取得費助成事業は、約半数の区市町村で特別養護老人ホームが未整備であった昭和六十年度に開始したものでございます。当時は施設用地の法人自己所有が原則であり、用地取得費の資金調達も困難であったことなど、用地確保が大きな課題となっておりました。その後、国の規制緩和により、民有地の貸し付けによる特別養護老人ホームの整備が可能となり、現在では、定期借地権制度を活用することによって長期的に安定した用地確保が可能となったほか、用地取得費に対する融資制度の充実が図られるなど、状況が大きく変化しております。こうしたことから、用地取得費助成事業は平成二十年度着工分をもって終了したところでございます。



◯尾崎委員 東京の都心区のように用地の確保がそもそも困難な場合に、今後の急速な高齢化の進展を見据えて、東京都は介護基盤の整備をどのように促進していくつもりなのか、見解をお伺いいたします。



◯狩野高齢社会対策部長
 都では、介護サービス基盤の整備のため、未利用の都有地の減額貸付を行うとともに、区市町村みずからが、例えば学校跡地などを事業者に貸し付けた上で独自に整備費補助を実施した場合には、包括補助事業による補助を行うなど、区市町村有地の活用を促しているところでございます。さらに、平成二十年度から、特別養護老人ホーム等について、高齢者人口に比べ整備状況が十分でない地域の整備費補助単価を最高一・五倍に加算するなど、地域バランスを勘案しながら整備の促進に努めております。
 今後とも、区市町村と連携し、多様な手法を活用しながら、介護基盤の整備促進に努めてまいります。



◯尾崎委員 未利用の都有地というのは、学校跡地などももちろん含まれると思うんですけれども、これも私は昨年の予算委員会で質問させていただきましたが、例えば都営住宅の中に空き地があったりする場合なんかは、ぜひこういうのを有効活用して、介護基盤の整備というものを今後も行っていっていただきたいと思うところであります。
 続いて、民間小規模作業所等の介護職員の処遇の改善事業についてお伺いいたします。
 昨今の景気後退に伴いまして雇用情勢が急速に悪化をしている一方で、福祉や、また介護分野は、離職率が高いことに加えまして、地域や事業所によっては人材確保が困難な状況が見られるなど、人材確保は喫緊の課題となっております。そこで国は、平成二十一年度の補正予算において、介護職員のさらなる処遇改善のための取り組みなどを図るため、「介護職員処遇改善交付金に係る処遇改善計画等について」を二十一年六月三日に示しました。
 障害者を支援する施設としては、障害者自立支援法や身体障害者福祉法等の法律に基づく施設もありますけれども、地域において保護者や支援者が自発的に立ち上げた小規模な作業所など、いわゆる法外施設としてサービスを実施している例がたくさんあるわけであります。こうした施設は、障害者が地域で暮らしを続けていく上で、特に日中活動の場として日々欠くことのできないサービスの一端を担っているものでありまして、法律に基づく施設と比べても、その果たしている役割の重要性という点において、これは決して劣るものではないと思います。
 ところが、こうした施設は小規模で経営が不安定なことから、地元で小規模作業所を運営する方々から、運営の厳しさ、職員確保の難しさを訴える声を多々私も聞くわけであります。また、こうした法外施設が法内化をして経営を安定化しようとしても、法人格を持っていないため、まず法人格を取得することから始めなければならないところもあるわけであります。
 そこで、このような法外の小規模作業所などの経営の安定化について東京都としてどのように考え、またどのように支援を行っているのか、お伺いいたします。



◯芦田障害者施策推進部長 小規模作業所などが障害者の日中活動の場として大きな役割を担っていることにつきましては、東京都として十分認識しており、これまでも運営費等の補助を行ってまいりました。
 今後、法外の小規模作業所などは、障害者自立支援法に基づく新体系事業に移行し法定事業に位置づけられることで、国から必要な財政支援が行われ、経営の安定が図られるとともに、法人として事業の透明性や公益性が発揮され、利用者支援のより一層の充実が図られると考えております。
 都は、法内化促進のために必要な施設設備整備の事業者負担を半分に軽減する特別助成を実施するほか、人事、労務、会計、税務等の専門的知識を持った人材を派遣し、法人格取得の支援や団体運営のノウハウを提供しております。さらに、法内施設に移行した後も、障害者自立支援法に基づく報酬額に加えて、都は運営費の一部を補助し、安定的な運営と利用者支援の向上を図っているところでございます。



◯尾崎委員 この法外施設の経営安定化のためには、まず法内化を図ることが重要であり、東京都も区市町村とともに支援する方策を講じているということでありますけれども、これはやっぱり、例えば保育園なんかでも、認証保育所とか市立の保育園だとかいろいろありますけれども、そういった認可をとりたいんだけれどもとれない。こうした民間の小規模作業所なんかでも、そうした整備が整わないからとれない。もちろん、法内施設に移行したいのはみんな移行したいんですよね。だけれども、なかなかそうした整備が整わない中で今一生懸命そうやってやっている法外施設というところを、法内移行するまでの間の事業運営の安定化を図ることは、これはやっぱり私、非常に重要な課題であると認識をいたしているわけであります。
 そこで、関連してもう一点お伺いいたしますけれども、福祉や介護の現場では、他の職業と比較して賃金水準が非常に低く、人材確保が難しい、また職員が定着しないという、こうした問題が指摘されているわけであります。先ほどもちょっとお話をさせていただきましたが、介護人材の処遇改善事業、これが二十一年度から実施されるということですが、この処遇改善事業の対象として、法内施設は入っているんですけれども、小規模作業所などの法外施設がこれには入っておりません。職員の確保や処遇改善が必要なのは何も法内施設に限ったことではないわけでありますから、東京都としても、ぜひひの法外施設職員の処遇改善事業の実施を検討すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。



◯芦田障害者施策推進部長 臨時特例交付金を活用した福祉介護人材の処遇改善事業は、国が定める基準により、法律に基づくサービスや施設等を対象として、全額国庫補助金を財源として実施するものであり、小規模作業所等の法外施設は対象となっておりません。
 先ほどお答えいたしましたとおり、都は、法外施設の経営安定化と法内化促進のためさまざまな事業を実施しており、今回の処遇改善事業につきましては、都独自に小規模作業所等の法外施設を対象とすることは考えておりません。
 都は今後とも、法外施設が早期に法内化を促進し、経営の安定を図ることができるよう、きめ細やかな支援を行ってまいります。



◯尾崎委員 次に、都有地を利用して市が福祉サービス事業を実施する場合の土地の賃借料について伺います。
 これは具体的な地名です、私の地元の調布市のことなんですけれども、心身障害者通所施設「まなびや」というのがあるんですが、これの土地賃借料の減額について何点かお伺いしたいんです。
 この「まなびや」という心身障害者の通所施設は、定期借地権設定契約により都有地を借りて実施をしております。調布市は、年額五百六十三万円の土地代を毎年東京都に支払っているわけであります。これは一定の減額はされているようでありますけれども、この「まなびや」の近くにある、「ちょうふの里」という、同じく市で開設した特別養護老人ホームの場合は、面積当たりの賃借料が、「まなびや」より低く設定されているわけであります。これは本当に同じまちの中にあって、すぐ近くなんですけれども、「ちょうふの里」の場合は一平米当たり月単価が百九十六円であるのに対して、「まなびや」の場合は一平米当たり月単価三百十四円なんですね。これは同じ福祉施設であることから、「ちょうふの里」と同様に、「まなびや」も土地の賃借料をさらに減額することができないのか、お伺いいたします。



◯芦田障害者施策推進部長 福祉施設整備のために都有地を貸し付ける場合は、地方自治体、民間法人を問わず、原則として財務局所管の東京都公有財産管理運用委員会に付議し、目的、用途など、減額率を含む貸付条件を決定しております。
 ご質問の調布市の心身障害者通所施設「まなびや」は、平成十九年に調布市が開設した施設でございますが、開設に当たりまして、現に都が使用している敷地の一部を使用したいという調布市の意向を受けまして、土地の賃貸契約を締結しているものであり、都は貸し付けに当たり、減額率としては最大の五〇%減額を適用しております。
 一方、特別養護老人ホーム「ちょうふの里」は、平成八年、調布基地の跡地を活用して調布市が開設した施設でございます。土地の貸し付けに当たりましては、当時の調布基地跡地全体の土地の利用計画や関係自治体との協議などを踏まえまして、東京都公有財産管理運用委員会で貸付条件を決定したと聞いておりまして、「まなびや」とは経緯を異にしているということでございます。
 現在、都有地活用によりまして民間事業者が福祉施設を建設する場合においても、減額率は五〇%を上限とされておりまして、お話の「まなびや」につきましても同様の考え方に基づいた減額率が適用されているものと考えております。



◯尾崎委員 一定の減額が図られていることはわかるんですが、今お話にあったように、このケースの場合は市が東京都から借り上げをしているわけでありますけれども、例えば民間の事業者が福祉施設を借りたいというケースもこれから恐らく出てくると思います。そうした場合には、やっぱり福祉目的なわけでありますから、施策充実のために、ぜひ都有地の活用が推進されるよう、私はさらなる減額を最後に要望して、質問を終わります。