2008.12.10:本会議 一般質問

〇二十九番(尾崎大介君) 世界的な金融危機が勃発してまだ日は浅いですが、日本はもちろんのこと、全国でも特に中小零細企業が集中している東京都においても、その影響は小さくありません。これから資金繰りの苦しい年末年始を迎えるわけでありますが、まさに未曾有の危機といっても過言ではないと思います。
 石原知事は、二〇〇八年十二月一日付産経新聞の「日本よ 零細なるものをこそ救え!」というタイトル記事の中で、中略をいたしますが、実は本当に大切なのは、そうした規模の下の、さらにろくな担保も持たぬ、しかし可能性に満ちた零細な企業の窮地を救うかということなのだと述べております。まさに、今がその言葉を体現すべきときであると考えます。
 東京都では、本年十月三十一日付で東京緊急対策Uを打ち出しましたが、緊急融資は当然であると考えます。まさに死ぬか生きるかの瀬戸際に立たされている中小零細企業がいる状況下であると思われますが、手形決済等が予想される年末に果たして間に合うのか、対策実施の現状についてお伺いいたします。
 こうした企業対策においては、大中小を問わずして、いうまでもなく、そこで働く労働者にとっても大きな影響を与えております。特に非正規雇用者、派遣労働者については深刻な課題を抱えており、来期新卒者の内定取り消しも大きくクローズアップされております。
 東京都では、緊急対策Uにおいて、都二十万人と市区町村三十万の連携による五十万の雇用効果対策を掲げています。例えば市町村では、公園の本来機能の回復、福祉施設での社会奉仕活動、放置自転車対策など、雇用創出効果の高い事業となっておりますが、これらの事業は、現状においても、シルバー人材センターなど、既に従事している人がいると思われます。
 そこで伺いますが、これは現在の雇用状況に追加をして行うということなのか、それとも全く新しい事業を創出するということなのか、お答え願います。
 また、派遣労働者は雇用調整の弁にもなり、特に自動車産業を初めとした産業界における派遣労働者の中途解約や雇いどめが相次いでいます。
 都は、こうした派遣労働者についての実態を把握しているのか、また今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。
 一方、来春新卒の就職内定取り消しが問題となっています。
 十一月二十八日付の読売新聞によると、内定取り消しの内訳は、全国十の地域別では、南関東――東京都、千葉県、神奈川県が百四十人と最も多く、その中でも特に東京都が多いという記事もあるわけであります。
 東京都では、この就職内定取り消しの実態をどこまで把握しているのか、また今後の対応についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。
 先ほど述べました非正規雇用者や派遣労働者の実態は、世の中に深刻な課題を刻んでいます。現代の若者が真っ当に生きることを回避し、時に自暴自棄になり、秋葉原の事件のように犯罪に手を染めるのは、家庭や地域など社会のきずなが失われたことに一因があるように考えます。
 今後も、新しい年を迎えられるのか、厳冬の中にほうり出される不安にある状況下で、人間が壊れ、企業、行政が非人間化していくことを防ぐためには、現実に今起きている問題を一つずつ解決していかなければなりません。
 先日、私が受けた相談の中では、将来に希望を持てない、または当座の生活費が稼げないという理由で、娘さんがデートクラブや売春に走ってしまうケースが多いというお話もありました。
 警視庁の統計によりますと、平成二十年に都内で売春行為で検挙された人数は百六十八人であり、うち未成年は五人であります。被害児童数は八人で、いわゆる出会い系カフェを温床とした売春の検挙事例も池袋でことし出ており、十八歳未満の少女が三十一人補導されております。
 こうした問題は氷山の一角である可能性が高く、現代の拝金主義がその背景にあるかと思います。金融危機やそれに付随する派遣労働の問題も、いわゆる大人たちが興じてきたマネーゲームが招いた結果ではないでしょうか。
 将来に希望の持てない若い世代に対し、雇用の面と青少年対策との両面で取り組んでいき、額に汗して働くことが報われるまちづくりを東京都が率先して行っていくことこそが、現在のこうした状況を打開できる唯一の道だと信じてやみません。
 先般、東京都青少年問題協議会では、若者の非社会性をめぐる問題に関し、意見具申をしたと聞いております。都でも、これを重く受けとめ、青少年施策を積極的に推進していかれることを強く要望し、次の質問に移ります。
 次に、地球温暖化対策及び循環型社会形成について伺います。
 都では、カーボンマイナス東京十年プロジェクトを推進していますが、これに関連する諸点について何点かお伺いいたします。
 地球温暖化対策を推進するための目安として、最近ではCO2の見える化が注目をされています。これは、商品、サービスのライフサイクルにおけるCO2排出量などを、ライフサイクル評価手法、すなわちLCA手法により定量的に評価をするものであります。
 都民や事業者に対する行政サービスにおいて、CO2の見える化を利用することは、都の取り組みを理解してもらうとともに、率先的に範を示すことになると考えられます。
 このCO2の見える化の具体的な方法の一つとして、食料品や衣類、日用品などの製造や消費にかかわるCO2排出量を商品に添付するカーボンフットプリントが注目されております。せんべいを例に挙げると、原料である米の生産から加工、包装材料の製造と廃棄、製品の輸送等、せんべいのライフサイクルにかかわる全工程のCO2排出量を測定して製品に表示をするものであります。
 これらCO2の見える化について、今後、都においては率先して取り組む意思があるのか、お伺いいたします。
 喫緊の課題である地球温暖化対策の取り組みとして、低炭素社会の実現に向けた対策は極めて重要であると認識しております。一方で、健全で豊かな社会生活を子々孫々まで維持していくためには、現在のような大量生産、大量消費、大量廃棄物の残滓を引きずった社会構造ではなく、より高い観点から真の循環社会を創造していくことが重要であると考えます。
 具体的には、循環社会の実現に向けて3Rを推進していかなければならないと考えます。
 3Rのうちでは、リデュースが最初に取り組まなければならないことでありますが、例えばコンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売されている食品について、賞味期限が近いからといって廃棄するのではなく、食品衛生法や食品リサイクル法にも配慮をしつつ、例えば福祉施設に提供したりであるとか、厳しい冬の寒空の下で過ごさないといけない、食に困っている人たち向けに提供するなど、何らかの手段を講じることができないのか、見解を伺います。
 次に、家電リサイクル法の範囲外である小型家電でありますが、これは燃えないごみなどとして処理されるものと思われます。どのような形でリサイクルをしているのか、現状を示すとともに、より循環性を高めるために、東京都として実施する今後の取り組みをお伺いいたします。
 もう一つは、二〇一一年の地上波デジタル完全移行に伴うブラウン管テレビの排出増大であります。
 家電リサイクル法に沿って適切に処理、処分されるのであれば問題はありませんが、利用者が支払うべき処理委託料を惜しんで不法投棄が多発する可能性があることが考えられます。現時点でのこのブラウン管廃棄に対する認識と対応策についてお伺いをいたします。
 以上も含め、3Rにはさまざまな課題があるため、東京都、市区町村、国等で発行している資料を整理して、都民や事業者が廃棄する際に取り組みやすくするようなマニュアル類を整備し、これを都内全域で共通化することを提案いたしますが、見解をお伺いいたします。
 東京の環境二〇〇八において、感染性廃棄物の追跡管理システムがクローズアップをされています。医療関係機関から排出される感染性廃棄物は特別管理廃棄物に分類されており、少量であっても不適正処理されると健康被害が生ずるため、適正処理に向けた対策が必要であり、ICタグを利用した追跡管理システム事業も開始されております。
 そこで、都内から排出される特別管理廃棄物には、感染性廃棄物以外に、アスベストやPCBなど、ほかにもありますが、感染性廃棄物のみを対象としているのはなぜなのか。病院だけに対して補助金を出すのではなく、病院以外から排出される感染性廃棄物に対しても、ICタグの代金の一部を補助する制度が必要ではないか、見解をお伺いいたします。
 また、近年、在宅医療の進展に伴い、家庭から在宅医療廃棄物の量が増加をしております。廃棄物処理法では、家庭から排出される廃棄物は一般廃棄物に分類され、市町村がその責任を負っています。つまり、在宅医療廃棄物に関しては市町村に処理の責任があるわけですが、実態は、市町村により対応がまちまちであり、在宅医療廃棄物に関しては、回収、処理をしない市町村も多々あります。
 そんな状況下で、東京都薬剤師会のような公的機関でないところが、例えば薬局から購入した注射針に関しては、薬局にて回収をし、処理を行う取り組みがなされたりしております。
 東京都としては、本来市町村に処理責任のある、この在宅医療廃棄物の取り扱いに対し、どのように考え、市区町村にどのような指導、支援を行っているのか、見解を伺います。
 二〇〇六年に始まった花粉の少ない森づくり運動から二年が経過し、先月、東芝グループと都の間で、多摩における森林整備に関する都と東芝グループとの基本協定が締結されたとのことであります。
 協定の中で、多摩産材の利用拡大というものがありますが、例えば東芝関連施設や従業員の家屋建築等に当たり、積極的に多摩産材を使うなどが最も効果的であると考えます。こうしたことも含め、今後、東芝と連携してどのような取り組みを進めていくのか、お伺いいたします。
 また、森林整備に関して、企業の排出するCO2を吸収するというカーボンオフセットという考え方がありますが、森林の間伐などの費用を都内の企業に負担してもらい、間伐によるCO2削減量を企業の削減量とする取り組みは可能かと思いますが、見解をお伺いいたします。
 こうしたことを含め、石原都政において、知事のいう低炭素都市を目指すのであれば、多摩の森林を整備することが非常に重要であると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 最後に、私の地元の調布市においての京王線立体交差事業について伺います。
 現在、京王線の国領駅から調布駅までの間で地下化工事が進められておりますが、平成二十四年度が完成目途のため、メーンの調布駅は地下化工事が終了をするまで橋上駅舎化されております。
 以前から、この調布駅は京王線の中でも非常に使いにくいという統計が上がっており、現在も一日およそ十一万人が利用するメーンの駅にもかかわらず、エスカレーターも整備されておりません。
 また、橋上駅舎の構内は風通しが悪いため、秋の時点でも、クーラーがついていない構内は蒸しぶろのような状態で、市民からたくさんの苦情が上がっております。このような状況が少なくも新駅舎完成までの四年間続くということは、利用者、住民に苦難を強いるといわざるを得ないわけであります。
 こうした事業を進めていくためには、やはり利用者のことを考えた措置を講じていかなければ、真のまちづくり事業とはいえないと考えます。
 そこで、事業者である東京都は、こうした利用者の声を受けとめ、工事期間中における調布駅利用者の利便性の確保についてどう考えているのかお伺いをし、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


   〔知事石原慎太郎君登壇〕


〇知事(石原慎太郎君) 尾崎大介議員の一般質問にお答えいたします。
 多摩の森林整備についてでありますが、森林は、水源の涵養、生物多様性の保全のみならず、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収、貯蔵するなど、多面的な機能を持ったかけがえのない都民共通の財産でもあります。美しい森に入って、精神的、肉体的にリフレッシュされない人間はいないと思います。
 多摩には、二十三区の面積に匹敵する五万ヘクタールもの貴重な森林が存在しますが、林業の低迷によって、多摩の森林は長年にわたり放置され、荒廃が進んでおります。そのため、都は、林道などの基盤整備を行うとともに、間伐などにより森林再生の取り組みを進めてまいりました。
 また、今般、都道府県と民間企業との間では全国初となる包括的な協定を東芝グループと結びまして、多摩の森林整備にご協力をいただくことになっております。
 今後は、多摩の森林整備を進め、かつての豊かな森林を取り戻し、次の世代に継承していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕
〇産業労働局長(佐藤広君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、経営緊急融資の年末に向けた取り組みについてでありますが、経営緊急融資の利用に必要な区市町村長の認定を円滑に進めるため、都はこれまで、中小企業診断士を三十二の自治体に配置してきたところであります。また、東京信用保証協会におきましても、増員措置や休日の対応など、審査体制の強化を図ってきております。
 資金需要の高まる年末に向けまして、信用保証協会などの関係機関と連携しながら、引き続き適切に対応してまいります。
 次に、雇用創出事業についてでありますが、東京緊急対策Uに盛り込んだ区市町村との連携事業では、延べ三十万人分の雇用創出を目標に、区市町村が地域の実情に応じて新たな雇用創出効果の高い事業を実施できるようにしてまいります。
 区市町村が実施する個々の事業につきましては、区市町村ごとに事業内容を検討していただくことになりますが、支援の対象といたしますのは、新しい事業、または従前から実施してきた事業の場合には、内容、規模を追加して実施する事業と考えておりまして、既存の事業そのままでは対象としない考えであります。
 次に、派遣労働者の中途解約等の実態把握と対応についてでありますが、都の労働相談情報センターには、契約期間途中での打ち切りなど、派遣関係の深刻な相談が多く寄せられており、この三年間で相談件数が倍増している状況にあります。
 都は、こうした労働相談を通じ、労使紛争の解決に向けて支援を行いますとともに、企業に対しまして、セミナーの開催等により法令の周知を図ってきております。
 現下の派遣労働者を取り巻く環境は厳しさを増しており、今後、国と協力し、企業に対して労働者派遣法等の一層の遵守を求めてまいります。
 次に、就職内定取り消しの実態把握と今後の対応についてでありますが、厚生労働省の調査によれば、本年四月から十一月二十五日までの都内新規学卒者の内定取り消し者数は百三十人と、既に昨年度の四倍に達するなど深刻な状況にあります。
 このため、都は、大学の就職部に呼びかけ、東京労働局等の関係機関の協力も得まして特別相談会を開催し、内定取り消しを受けた学生等からの相談に応じてまいります。
 また、都は、国と連携し、経済団体に内定取り消しの防止について要請をしてまいります。
 最後に、多摩の森林整備に関する東芝グループとの協定における今後の取り組みについてでありますが、本協定は、多摩の広域的な範囲を対象としまして、さまざまな取り組みを行うというものであり、こうした包括的な協定は、都道府県と民間企業との間では全国初めてのものとなります。
 東芝には、既に企業の森第一号として多摩の森林整備にご協力をいただいているところであります。
 今回の東芝グループの協力内容は、企業の森事業への参加拡大や、ボランティア活動による植栽や下刈りなどを行うこととしております。
 さらに、保健保安林における都民のレクリエーション等の場の整備や、グループ企業、また従業員による多摩産材の利用拡大などについても盛り込まれております。
 具体的な取り扱い内容につきましては、今後、本協定に基づきまして、関係者による協議会を設置して検討を進めてまいります。


   〔環境局長有留武司君登壇〕


〇環境局長(有留武司君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、CO2の見える化についてでありますが、都は、電気、ガスなどのエネルギー事業者に対し、国の法改正に先立ち、領収書へのCO2排出量の記載を求めるなど、これまでもCO2の見える化に取り組んでまいりました。
 また、各家庭がみずから電気やガスの使用量を把握する環境家計簿も、CO2の見える化を行うものであり、エネルギーの使用を見直すきっかけとなります。
 東京都地球温暖化防止活動推進センターにおきましても、自主活動として、本年八月からホームページへの環境家計簿の掲載を開始しております。
 今後とも、区市町村やNGOとの連携により、家庭に向けた普及啓発活動を行っていく中で環境家計簿の一層の活用を進めるなど、見える化に取り組んでまいります。
 次に、食品廃棄物の発生の抑制、すなわちリデュースについてであります。
 現在、食品関連事業者には、食品リサイクル法により、食品をむだにしない在庫管理や精度の高い需要予測など、食品流通の合理化に向けた取り組みを進めることが求められております。
 また、品質や安全性に全く問題がない、比較的新鮮な食材を食品関連企業から無償で受け取り、それを福祉団体等に寄贈するフードバンク活動を行うNPO法人があることも聞いております。
 都としては、食品廃棄物のリデュースに向けまして、都民や事業者に必要な情報を提供するなど、普及啓発に努めてまいります。
 次に、リサイクルに関する諸課題についてでありますが、家電リサイクル法の対象外の小型家電等のうち、携帯電話については、販売事業者等による自主的な回収が行われております。その他の小型家電については、ほとんどが廃棄物として処理されているため、来年度、リサイクルの促進に向け、必要な検討を行ってまいります。
 地上デジタル放送への移行に伴うブラウン管テレビの廃棄の問題については、デジタルチューナーの普及による廃棄の抑制やリサイクル施設の能力の向上などに国が取り組んでいますが、都としては、今後とも、不法投棄などの問題が生じないよう、区市町村と連携してリサイクルの周知徹底に努めてまいります。
 3Rに関するマニュアルの整備については、都や区市町村、国等の取り組みをまとめ、「東京の資源循環」という冊子で毎年わかりやすく都民に情報提供しております。
 次に、ICタグによる追跡管理システムについてであります。
 感染性廃棄物は、少量でも不法投棄されると人への健康被害が大きいことから、ICタグにより追跡管理できるシステムの普及を図ることが重要であります。
 現在、都と東京都医師会等との連携により、診療所や歯科医院等を中心にこのシステムの普及が進んでおります。
 一方、病院については、感染性廃棄物が大量に排出されることから、その費用負担が大きく、導入がおくれております。このため、今年度から病院を対象にICタグ代の一部を補助する制度を開始し、利用拡大を図るとともに、ICタグの需要拡大、需要増大により単価が引き下げられることを期待しております。
 単価の引き下げにより、研究機関も含め、病院以外の事業者にもシステムの普及が進むものと考えております。
 次に、在宅医療廃棄物の処理についてであります。
 在宅医療廃棄物は、廃棄物処理法上の一般廃棄物であり、区市町村にその処理責任がありますが、その中には感染のおそれがあるものが含まれており、安全かつ適正に処理することが重要であります。
 このため、特に鋭利であり、慎重に扱うべき注射針については、東京都薬剤師会と協力して、地域の薬局で自主回収するシステムを構築してきました。
 一方、点滴バッグなど、感染のおそれのないものについては、家庭ごみとして区市町村が適正に処理するよう指導してまいりました。
 今後、在宅医療廃棄物の増加が見込まれることから、区市町村に対して、薬剤師会や医療機関等との適切な役割分担のもと、排出ルールの徹底など、適正な処理を確保するよう働きかけてまいります。
 最後に、森林整備とCO2削減についてであります。
 近年、森林整備活動への企業の参加が広がりを見せていますが、森林の適正な管理を継続的に行っていくことは、地球温暖化防止にも寄与し得るものであります。
 一方、企業の費用負担により森林整備を行った場合に、その温暖化防止効果を定量的に評価し、認定するための統一的なルールはまだ確立しておりません。
 また、森林が吸収したCO2は、樹木が枯れることなどにより再び大気中に放出されるため、その森林整備による効果は、適正に管理されている期間のみに限定されるという特性もあります。
 地球温暖化防止に向け、企業による森林整備を促進するためには、こうした状況や観点も踏まえた評価等のあり方について検討が必要だと考えております。


   〔建設局長道家孝行君登壇〕


〇建設局長(道家孝行君)
 京王線調布駅付近の連続立体交差事業についてお答えいたします。
 本事業は、都が事業主体となり、道路整備の一環として道路特定財源により実施されており、鶴川街道や狛江通りの交通渋滞や京王線による地域分断を解消するとともに、駅周辺のまちづくりにも寄与する極めて効果の高い事業でございます。
 今年度当初、暫定税率や地方道路整備臨時交付金制度が失効し、事業の進捗に陰りが見えましたが、さまざまな工夫と取り組みにより、遅滞なく事業を進めてまいりました。
 お尋ねの調布駅は、市の中心に位置し、多くの乗降客が利用する主要な駅でございます。仮設の橋上駅舎の設置に際しましては、利用者の利便性の向上を図るため、地元市等とも協議をいたしまして、従来、幅員が二・七メートルでありました自由通路を十メートルに拡幅するとともに、新たに四基のエレベーターを設置したところでございます。
 引き続き、地元市及び鉄道事業者と連携し、利用者の利便性や安全性に配慮するとともに、混迷する道路財源の動向にかかわらず、今後も必要な財源を確保し、揺るぎなく事業を推進してまいります。

 
 

2008.11.11:公営企業委員会 質問

〇尾崎委員 昨今の原油価格の急騰により、さまざまな分野でその影響が出ている中、もとよりバス事業者だけでなく、交通運輸にかかわるすべての事業者も厳しい事業運営を強いられております。最近ようやく、世界的な経済不況等々の要因により、多少原油価格が減少した感はありますけれども、それでも、以前と比べても、まだまだ価格的には高い位置にあると認識をいたしております。
 特にこうした状況下では、自動車の台数が多く、道路渋滞が激しい東京においては、路線バスの走行環境は決していいものではなく、燃費がどうしても悪くなる傾向にあり、最近の軽油価格の上昇が都営バスの事業運営に大きな影響を与えていると推測をいたします。
 そこで、まず、都営バスの走行状況について伺いますが、平成十九年度の都バスにおける平均速度と燃費の状況はどうなっているのか、お伺いいたします。


〇斎藤自動車部長 平成十九年度の都営バスの走行状況でございますが、平均速度につきましては、時速十一・二七キロメートルでございます。
 燃費につきましては、一リットル当たり二・二七キロメートルでございます。


〇尾崎委員 都営バスは、約千五百両を保有する大規模自動車事業者であり、軽油消費量も大きく、その分影響も大きいと考えます。
 都営バスにおける軽油価格の動向についてお伺いいたします。


〇斎藤自動車部長 交通局の軽油の契約価格の動向でございますが、平成十八年四月から平成十九年十二月までは、一リットル当たり八十円台から九十円台で推移しておりました。
 平成二十年一月から百十円台へと上昇し、平成二十年七月には、さらに百四十二円へと著しく上昇いたしました。


〇尾崎委員 
軽油価格が上昇していれば、それだけ燃料費も増加するということになると思うんですが、平成十八年度と比較した平成十九年度の軽油購入額がその営業費用に占める割合もお伺いいたします。

〇斎藤自動車部長 平成十九年度の軽油購入額は約十九億四千万円でございまして、平成十八年度の約十七億六千万円と比べ、約一〇%増となっております。
 営業費用に占める軽油購入額の割合ですが、平成十九年度は約五・一%でございまして、平成十八年度の約四・五%から〇・六ポイント上昇してございます。

〇尾崎委員 それでは、今年度の軽油価格の高騰に伴う今後の収支への影響についてお伺いいたします。

〇斎藤自動車部長 平成二十年七月に百四十二円であった軽油の契約価格は、十月には百十七円に下がっております。
 収支への影響でございますが、今後の軽油価格の動向は不透明でありますが、仮に、平成二十一年一月以降、現在と同等の価格で契約した場合には、平成十九年度の軽油購入額約十九億円に対しまして、平成二十年度は約二十五億円となり、約六億円、三〇%の支出増となる見込みでございます。

〇尾崎委員 今の答弁では、約六億円支出増となる見込みというお話でありますけれども、軽油価格の高騰が事業に与える影響は、決して小さくないことがわかります。
 このような軽油が高騰している状況において、事業者として少しでもその影響を軽減する必要があると考えるわけなんですけれども、環境対策の面からも省エネルギー対策を進めることが重要と考えますが、いかがでしょうか。

〇斎藤自動車部長 都営バスではこれまでも、CNGバスや低公害型バスなど、最新の排出ガス規制に対応したバス車両を積極的に導入してまいりました。
 今後とも、低燃費なバス車両の導入を図るとともに、一定速度での走行、的確なギアチェンジ、急発進や急加速の抑制、適切な車内温度の設定など、エコドライブの取り組みにより省エネルギー対策を進め、経費の節減に努めてまいります。

〇尾崎委員 軽油高騰という外部要因により経営状況が左右されるという不運なこともあるとは思うんですが、これは都のバス事業にだけ影響しているものではなくて、交通運輸すべての事業者にかかわる課題でもあるわけであります。
 ぜひとも公営交通である東京都が模範を示し、省エネルギー対策に積極的に取り組んで、堅実なかじ取りをしていくことにより、この難局を乗り切っていただきたいと期待をして、次の質問に移ります。
 私、二〇〇五年に公営企業委員会に所属をし、当時の委員会において都営バスの広告つきのバスについて質問をいたしました。
 当時、導入から五年が経過をし、広告収入が年々減少していて、その原因としては、広告媒体としての目新しさや意外性がなくなり、都心地域では稼働率が高いものの、周辺地域では稼働率が減少しているとのことでありました。
 当然、広告の依頼が減少すれば広告料収入も減るわけでありますから、このことに対しての経営努力、また、具体的な取り組みをその後行っていくとのことでありましたが、その後のラッピングバスの車両数の推移等も含めてどうなっているか、お伺いをいたします。

〇佐藤資産運用部長 平成十七年度以降のラッピングバスの車両数の推移でございますけれども、十七年度末は三百四十三台、それから十八年度末は三百五十八台、十九年度末については三百七十五台、それから今年度、二十年度の、これは九月末現在ですけれども、三百十三台というふうになってございます。

〇尾崎委員 減っているということだと思うんですけれども、その原因と今後の対策についてはどのように考えているのか、お伺いをいたします。

〇佐藤資産運用部長 その原因と対策についてでございますけれども、バスラッピングの需要の少ない地域と高い地域がございまして、そのセット販売や、制作費の安い、いってみれば部分ラッピングと申しますか、パートラッピングの導入によって、平成十八年度と十九年度の稼働台数は増加したものでございます。
 しかしながら、二十年度につきましては、経済状況の急激な悪化によりまして、広告業界全般の広告料も減少しておりまして、その影響から、ラッピングバスの稼働台数も減少していると。
 今後につきましては、経済状況の動向を見据えつつ、多様なニーズのさらなる把握を行いまして、広告販売の増加に努めてまいりたいと思います。


〇尾崎委員 確かに、昨今の景気不況等の原因は予測不能なことであるとは思いますけれども、やはり抜本的なこの改善策を講じることが必要不可欠であると考えるんですね。
 それに関連し、広告等でいえば、今、横浜市で実施をしているストリートファニチャー事業というものがありますが、このストリートファニチャー事業というのは、本来、自治体やバス事業者が整備しなくてはならないバス停留所などの公共インフラを、民間企業が設計、製造、設置のほか、補修、交換、清掃などの維持管理までを含めてすべて無償で行い、その代償として広告スペースの提供を受け、運営する完全独立採算型の事業であります。
 交通局は、平成十九年度から広告つきバス停留所の整備を進めております。広告つきバス停留所は、平成十五年一月に国交省と警察庁が通達の一部を改正して設置が可能になったと聞いております。道路の幅員などの制約があり、どこにでも設置できるというものではないわけでありますけれども、雨風がよけられ、都市の景観にもマッチしたデザインのこうした停留所の整備が促進されることは、都営バス利用者にとっても快適性、利便性が向上すると考えます。
 広告つき停留所は、横浜市など多くの都市でも導入が進められておりますが、他の諸都市では民間の事業者が事業を行っており、行政が直接事業を行っているのは東京都だけではないかと思います。
 改めて、都営バスで広告つきバス停留所を導入した目的と、都の設置した広告つきバス停留所の特徴についてお伺いをいたします。

〇松下バス事業経営改善担当部長 広告つきバス停留所上屋事業の目的は、首都東京の景観、街並みにふさわしい、デザイン性の高いバス停留所上屋を設置し、景観の向上に寄与するとともに、上屋の整備を促進し、お客様の快適性、利便性を向上させるものでございます。
 次に、その特徴でございますが、デザイン性の高さに加えまして、雨風をよけるための強化ガラスの設置、時刻表の文字の拡大、停留所名称の四カ国語表記などにより、高齢者や外国人にとっても利用のしやすいバス停としたこと、また、発光ダイオードや耐久性の高いステンレスの採用などにより、環境に配慮したことなどでございます。

〇尾崎委員 確かに、交通局が設置をしたり広告を集めたりすることは、それなりの労力が必要になるということは理解をしております。ただ、公営交通の使命は、安全、快適、正確にお客様を目的地まで運ぶことにあり、広告つきバス停留所事業は、コストやまちづくりの景観づくりの観点からも、交通局が直接行うのではなく、横浜市のように民間事業に任せた方がいいのではないかという考えもあります。
 そこで、交通局では、なぜ民間に任せず直営で行うこととしたのか、お伺いをいたします。

〇松下バス事業経営改善担当部長 民間事業者とのタイアップについては検討を行ったところでございますが、民間事業者との協議の過程で、上屋の所有権の帰属や利益配分などの条件で双方の主張の乖離が大きかったこと、また、みずから行うことにより、環境に配慮した仕様にするなど行政施策との連携が図りやすいこと、さらに、より多くの収益が期待できることにより上屋の整備が促進できることなどの理由で、直営で行うことといたしました。

〇尾崎委員 今、民間事業者とのタイアップについては検討を行ったが、所有権の帰属や利益配分などの条件で双方の主張の乖離が大きかったことから、交通局がみずから広告つきを設置したと答弁があったわけであります。
 しかし、これは、国が規制緩和をしたのは、民間の活力を活用していくという趣旨であったはずであります。公的な部分で限界があれば、民間にゆだねる部分はゆだねることにより、一般市民や自治体としても、都市景観、美観の維持向上、屋外広告の新しいモデルの掲示、広報媒体としての利用、雇用機会の創出、さらには夜間照明による防犯効果などというメリットが期待できるわけであります。
 先ほど話した規制緩和によりまして、今現在、広告パネルつきバス停留所の設置が認められ、岡山市、横浜市、神戸市、そして万博をやりました名古屋市などが実施をスタートし始めております。
 交通局が直営で事業を行っていることについて、私は少々疑問も残るんですが、快適な停留所の整備について、利用者のこの要望は非常に大きいと思います。自治体の財政負担軽減や、より良質な行政サービスを提供するためにも、また、広告収入で停留所の整備を促進させ、快適な停留所の整備を実現させていくためにも、ぜひ検討していただくことを強く要望して、次の質問に移ります。
 都営地下鉄の都市型豪雨対策について質問いたします。
 最近、従来の想定を超えた局所的な豪雨が頻発をしており、各地でいろいろな被害が発生しています。東京でも先般、下水道工事において人的被害が発生するなど、危険が顕在化しており、都でもいろいろな対策が検討、実施をされていることと思います。
 このような中、特に心配になるのは、地下鉄においてどのような対策がとられているのかということであります。地下空間は多くの人が集まる場所であり、また、ライフラインでもある地下鉄に一たん浸水被害が発生すれば、その都市生活に及ぼす影響は極めて深刻なものであると考えます。
 そこで伺いますが、最近、都営地下鉄において浸水被害が発生をした例があるか、また、その概要はどうか、お伺いをいたします。

〇野澤電車部長 都営地下鉄におきます浸水被害の発生例でございますが、近年、都営地下鉄におきましては、大きな浸水被害は発生しておりませんが、最近の事例といたしましては、平成十三年七月の二十五日、十四時半ころ、新宿区西新宿一丁目のJR新宿大ガード西側にございます大江戸線の新宿西口におきまして、集中豪雨により青梅街道沿いの出入り口から浸水がございました。このときは、通報を受けました駅係員が直ちに止水板を設置するなど、駅構内への雨水の浸水を食いとめましたことから、列車の運行等には影響はございませんでした。

〇尾崎委員 今のところ重大な被害は発生していないということでありますけれども、一方では、現実に対処した経験に乏しいということもいえると思えるわけであります。
 今日のように局所的豪雨による被害の可能性が高まっている中、そのことを踏まえて、設備や体制を整える必要があると思いますけれども、この都市型豪雨などの浸水被害に備えてどのような設備を設置しているのか、お伺いいたします。

〇吉原建設工務部長 都市型豪雨によります浸水経路としましては、駅出入り口と通風口が考えられますが、このうち、駅出入り口からの浸水に対しましては、浸水のおそれがある駅に止水板を備えておりまして、浸水の際に出入り口に設置して流入を防止しております。
 通風口からの浸水に対しましては、浸水のおそれがある通風口に浸水防止機を設置しておりまして、遠隔操作によりこれを閉鎖し、浸水を未然に防止しております。
 また、万が一、通風口からの浸水が発生した場合には、これを検知し、自動的に閉鎖する仕組みとなっております。

〇尾崎委員 それでは、豪雨に備える体制はどうなっているのか、お伺いいたします。

〇室星安全管理担当部長 豪雨に備える体制についてでございますが、都営地下鉄各駅では、駅務管理所ごとに非常時に対応したマニュアルを備えており、浸水時の対策についても、この中で、先ほどの止水板の取り扱いや浸水防止機の運用、職員の緊急時の体制などを定めております。
 このマニュアルの内容につきましては、各所、近辺での豪雨の発生や被害の発生状況などを踏まえて、適時に改定しております。
 また、地下鉄の保守部門においては、警報の発令に応じ、土のうの設置などの出動態勢を整えております。
 さらに、交通局では、浸水被害への総合的な対応力の強化を図る目的で、都営地下鉄の各部門が参加した自然災害防止訓練を毎年実施し、改善点などの把握に努めているところであり、引き続き、万全の体制で豪雨、浸水に対する備えに努めてまいります。

〇尾崎委員 これは、ソフトとハードの両面から備えていることはわかりました。これまでの経験だけでは対処できない事態が、先ほども申し上げましたけれども、発生をしているわけであります。
 最近の各所の豪雨や浸水の事例について、都営地下鉄の具体的状況に当てはめ、検証するなど、これからも新たな状況を的確に把握し、常に施設や体制を見直していくこと、そして、これらの施設や体制が確実に機能するよう、日ごろから緊張感を持って点検や訓練を行っていくことを求めまして、私の質問を終わります。

 
2008.03.19 : 総務委員会

〇尾崎委員 私は、都議会民主党を代表いたしまして、当委員会に調査を依頼された平成二十年度予算案にかかわる議案について意見の開陳を行います。
 二十年度予算案は、堅調な都税収入を受け、一般会計は、前年度比三・八%増、六兆八千五百六十億円の規模となりましたが、一般歳出は、一・八%増の四兆四千百三十七億円にとどまっております。財政規模がほぼ同額の平成八年度当初予算と比較をしても、抑制が効いた予算案となっております。
 歳入においては、都税全体で十九年度最終補正と比較をし百六十九億円、〇・三%の横ばい、とりわけ法人二税は一・六%の減収見込みとなり、企業業績の減速など今後の経済状況に対する警戒感を示しております。
 歳出では、基金積み立てや大規模施設の改修、負の遺産の処理といった備えと補てんの部分が目立ち、その他の経常経費の増は五百三十九億円、二・八%でしかありません。
 原油、資源価格の高騰や米国経済の先行き不透明感、地方法人特別税制度という大きな減収要因、オリンピック招致や社会資本更新経費といった東京の将来需要などに配慮をしつつ、都民生活が直面する課題に適切に対応する予算編成とされていますが、長期にわたった緊縮予算へのなれ、内部努力に伴う定数削減、職員のモラールの低下による企画力や執行力の低下が懸念をされます。
 また、私たちが以前から求めてきた耐震診断や改修などの震災対策の促進や低所得者生活安定化プログラムの充実、小児科医を初めとする医師不足対策などの取り組みはまだまだ十分とはいえず、現代の貧困についての調査やメディアリテラシーへの取り組みなども見過ごされています。
 そして、追加補正の新銀行東京、石原知事のトップダウンでつくられた銀行の救済のための四百億円追加出資は、石原知事を初めとした関係者の責任を明確にするとともに、その実態の解明がなければ、到底都民の理解を得られるものではありません。
 最後に、民主党は、石原知事が妥協した法人事業税の一部国税化を取りやめ、道路特定財源の暫定税率を撤廃し、一般財源化を目指す道路特定財源制度改革関連三法案を成立させ、都財政の危機を救うべく取り組むことをつけ加えておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 最初に、知事本局について申し上げます。
 一、第二期地方分権改革が進む中、国と都による地方税財政改革に逆行した法人事業税一部国税化の合意が行われたことに対して、都は、その汚名を返上するためにも、分権推進に向けた取り組みをより積極的に行うこと。
 一、道州制の導入を図るため、都も自立的で持続可能な国のあり方や道州制ビジョンなどを構想するとともに、首都圏の実態を踏まえた枠組みの実現を検討し、全国知事会等の連携のもと、国にその実現を働きかけていくこと。
 一、「十年後の東京」の実行プログラムの策定では、都政モニターアンケートを反映したのみであり、協働とムーブメントを都民に求めるならば、より理解と協力を得るため、引き続き都民の意見に耳を傾けていくこと。
 一、都民の平穏で安心・安全な生活を守るため、米軍基地による騒音などの生活環境問題の解決に努め、基地の整理、縮小、返還に地元自治体と連携をして積極的に取り組むこと。
 また、返還までの対策として、横田基地の民間航空との共用化の促進等を国に対し強く働きかけること。
 一、アメリカのシリコンバレーでは、スタンフォード大学が人材育成、教育に重要な役割を担っているように、都においても、アジア人材育成基金を活用し、首都大で受け入れた優秀な人材を東京の活性化に結びつけていくこと。
 一、相互理解を深める都市外交においては、従来以上に姉妹・友好都市との交流を深めて、東京オリンピック招致や都市の発展などさまざまな分野で大いに役立てていくこと。
 次に、青少年・治安対策本部について申し上げます。
 一、都内の全小学校に防犯と安全教育を専門とする学校安全専門員の配置を進めるとともに、子ども学校安全ボランティアの活動推進、地元の防犯ボランティアとの連携強化など、地域と学校の防犯ネットワークを強化すること。
 一、高齢者や女性をねらい、還付金詐欺など、悪質、巧妙化し、新たな手口がふえる振り込め詐欺や悪質商法等の被害防止対策を強化すること。
 一、社会性や勤労観などさまざまなことを学ぶことができる中学生の職場体験の実施に当たり、よりきめ細やかな受け入れ先確保の仕組みを構築すること。
 一、少年院出院者などの非行少年たちに対して、国や区市町村、保護司、NPO等との連携により、就学や就労、福祉などの立ち直りに必要な支援を行っていくこと。
 一、交通事故をなくすため、三十日以内交通事故死者の分析を交通安全計画などに反映させるとともに、飲酒運転の根絶対策など交通安全対策を推進すること。
 一、自転車の安全対策として、安全教室の開催や、転倒事故から幼児を守るハートフルメットTOKYOキャンペーンの推進、対歩行者事故対策として賠償責任保険がついたTSマーク制度の認知の向上などを積極的に行うとともに、無灯火走行禁止や改正道交法などをテーマとした広域キャンペーンを実施すること。また、放置自転車対策を推進すること。
 次に、オリンピック招致本部について申し上げます。
 一、スポーツと平和の祭典であるオリンピックを招致するというオリンピックムーブメントの根本的な意義に基づき、国際社会に訴える理念など最高の立候補ファイルを作成するとともに、招致経費もコンパクトな、品格のあるスマートなオリンピックを目指すこと。
 一、招致から開催都市決定に至るまで、国や関係自治体、民間の全面的バックアップを得ていくこと。
 一、NPO法人東京オリンピック招致委員会は、都から財政支出や人的支援を受けるため、招致活動の透明化を図るためにも、早急に都条例に準じた情報公開基準を作成し、公開に努めること。
 次に、総務局について申し上げます。
 一、行財政改革を進めるに当たっては、社会情勢の変化等を踏まえ、あわせて質の向上や住民満足度など、都民の利益に関して研究を進めていくこと。また、指定管理者制度や地方独立行政法人制度、市場化テスト、PFI制度に関しては適切に検証を行っていくこと。
 一、監理団体の自主的、自律的運営と経営改革を促進して、その設立目的を生かすこと。また、公共性、経済性の観点から監理団体の契約の総点検を行い、規定の整備や公表を行っていくこと。
 一、都区のあり方検討委員会の議論を前進させるため、十二年改革を総括し、議論の座標軸を確認した上で協議を進めていくこと。
 一、多摩・島しょ地域の特性を生かした振興発展のために、総合的な施策の実現を図ること。
 一、多摩振興は、多摩リーディングプロジェクト改訂版等の推進を通じて、持続的発展の基礎づくりを促進し、生活都市が織りなす多摩自立都市圏を構築していくこと。また、市町村の要望を今後もより一層踏まえること。
 一、三宅村に対しては、火山活動災害に伴う復旧・復興事業を今後も円滑に進めるため、財政支援を行い、村民の生活再建や産業振興対策に万全を期すこと。
 一、小笠原諸島の復帰から四十周年のことし、国に小笠原諸島振興開発特別措置法の延長の働きかけを行うとともに、航空路開設に関しては、小笠原村の意向や国の動向なども踏まえ、早期に調査検討に取り組み、航空路案の方針をまとめていくこと。
 一、大地震等の自然災害のみならず、大規模事故やNBC災害などの危機に対応するため、全庁的な取り組み体制を構築すること。
 一、犯罪被害者やその家族等の精神的、経済的負担を軽減するなど総合的な支援を行う推進計画の適正な実行を図るとともに、犯罪被害者支援条例の制定を検討すること。
 一、平成二十五年に開催する東京国体の開催準備、メーン会場である調布市の味の素スタジアムを初め、必要な競技施設の整備等を着実に行っていくこと。
 以上申し上げまして、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

 
2008.3.12: 平成20年 予算特別委員会
〇尾崎委員 まず最初に、新銀行東京についてお伺いいたします。
 先日、自民、民主、公明の三派合同による津島さんに対するヒアリングの中で、私は、そもそも現在の経営難の状況を生み出したのはどこに問題があったのかということをお聞きいたしました。
 ビジネスモデルそのものに問題があったのか、あるいはビジネスモデルはしっかりとしていたが、そのプランを実行できなかった職員の質に問題があったのか、あるいは執行部である経営陣に怠慢、ずさんがあったのかということをお尋ねいたしました。
 津島さんのお答えは、ビジネスモデルそのものに問題はなく、そのプランどおりに業務を遂行していれば、今日のような状況を招くようなことはなかったという回答でありました。
 金融業を営むビジネスモデルとして、通常、銀行は借り手である事業者や個人に対して、融資プランが支援的なものであっても担保をとるわけであります。一方で、金利の高い高利貸しは、物的担保をとらなくても、人的担保や徹底した回収方法により、確実に貸したお金を回収することで経営を成り立たせています。
 中小事業者支援融資といえば聞こえはいいですが、高利の金融業者に手を出し、再建した中小事業者などはほとんどないといっても過言ではないと思います。農業に例えるならば、山を焼き払って、収穫が途絶えれば、また次の山に火をつける焼き畑農業であります。しかし、これでは社会的にもよくない。ましてや、経済活性化の下支えとなる中小事業者の支援、育成などとはほど遠いといえるわけであります。
 いつまでもこの焼き畑農業をしていたのでは、真の中小事業者育成支援にはならない。かといって、当時の大手金融機関は不良債権処理が一向に進まず、中小企業金融市場には参入していなかったことから、時代に即応して田畑を耕し、肥料を上げ、収穫を上げる近代農業のような理想の融資が模索をされてきたわけであります。
 新銀行東京は、理想の融資を模索する一つの挑戦だったのかもしれませんが、そのビジネスモデルが果たして金融業界で通用したのでしょうか。
 昨年の予算特別委員会の代表質問で、我が会派の田中良幹事長が高橋是清の言葉を引用し、銀行家と資本家は違うと述べ、銀行家である以上、確実に回収の道を模索し、収益を上げることが必要だと質問したわけであります。
 果たして都は、新銀行東京がこのマスタープランで本当に収益を上げられると考えていたのでしょうか、伺います。

〇佐藤産業労働局長 マスタープランは、コンサルティング会社、また監査法人、IT関連会社、カード会社、それから金融関係会社など最大百名規模のスタッフが検討してつくり上げたものであります。
 専門家が知恵を出し合って中小企業への円滑な資金供給を実施する、そういう新銀行創設の理念を実現するために検討を重ねた結果としてのプランであります。銀行としての設立プランでありますから、利益を上げられないと考えてつくるプランなどはあり得ません。

〇尾崎委員
 利益を上げられないと考えてつくるプランなどないと開き直られても、じゃあ現実に利益は上がっていないだけではなく、経営難に陥っていることをどう説明するんですか、これを。答弁を求めます。

〇佐藤産業労働局長
 つくったマスタープランと経営の結果との違いの話だと思いますが、マスタープランは今申し上げましたとおり、いろいろな専門家で、それには旧経営陣も多数参画して平成十六年二月に策定されたわけであります。
 その後、不良債権処理により体力を回復してきた大手銀行、これが貸し渋り、貸しはがしといった、それまでの融資姿勢を一変させて中小企業金融に積極的に参入してきた、こういうのは今でもいわれているところでありますが、そういう状況がありまして、新銀行東京開業直後から、そういう意味では、経営環境としては非常に厳しい競争環境にさらされたということ、そして、先般の調査報告書でも明らかになりましたとおり、旧経営陣の非常識な経営、そういうものがありまして、結果として経営を軌道に乗せることができなかったと、これが今の現状だと思っております。

〇尾崎委員
 大手銀行が中小企業金融市場に参入してくるなどということは、これは当時からさんざん議論されてきたことなわけです。それでもなお市場があるといっていたのは、これはほかでもない東京都なんですよ。
 ですから、四百億円の増資の是非を慎重に今定例会で議論をしているわけであります。それには、マスタープランの検証が必要不可欠なので聞いているんですが、中小企業への円滑な資金供給を実施するということであれば、何も銀行というところでなくても、中小企業向けの制度融資、つくればよかったんじゃないですか。
 平成十五年七月一日の本会議において、都議会民主党の代表質問で、東京都が出資したノンバンクという形態でも、中小企業への資金供給が可能なのではないかという、こうした質問に対して、石原知事は、日本経済再生のためには、眠っている巨大な個人金融資産が生きた資金として中小企業に流れる仕組みが必要だと述べているんですね。また、単なる中小企業の活性化だけではなく、統一ICカードなどを活用した顧客の利便性の向上も当然ねらっていることから、ノンバンクは不可能だと答弁をしております。
 仕組みについてはそういうことなんでしょうけれども、例えば商工ローンなどとリスクのとり方がどう違うんですか、よろしくお願いします。

〇佐藤産業労働局長
 商工ローンは、一般的な銀行の融資と比べまして、比較的高目の金利が設定され、また担保を徴求することで貸し出しに伴うリスクに対応しているというものでございます。
 一方、新銀行東京の融資につきましては、融資先の企業を固まりとしてとらえる無担保のポートフォリオ方式を採用する、そういうことで、全体の中で貸し倒れの損失を吸収して、あらかじめ設定しましたリスクの範囲におさまるように債権の管理を行うところに、これに特徴がありますし、違いもあります。

〇尾崎委員
 商工ローンは、無保証で、融資実行が早く、現地調査を行わないとおっしゃいますけれども、モデル的には新銀行東京と同じような気がするんですね。新銀行東京の売りは、無担保、無保証、スピード融資というふれ込みで発足したわけでありますけれども、金融業では、この無担保、無保証という制度をとれば金利が高くなるのは当然であります。
 また、先ほどの高利貸しや商工ローンの話ではありませんけれども、融資の審査や回収に労力をかける場合、その分、金利を上げなければ収益が出ないわけであります。逆のいい方をすれば、物的担保をとれば、審査の過程や回収業務を簡素化しても、債権焦げつきの損失を抑えることができるわけであります。つまり無担保、無保証制度を実施しておきながら、審査を軽視して、スコアリングモデルに頼って審査をするという簡素化されたスピード融資は、二律背反していると私は考えます。
 加えて、回収業務のノウハウに乏しいようでは、金融業としては成り立たないことは素人のような私でもわかることであります。だからこそ、当時の既存の金融機関の中で、新銀行東京のようなビジネスモデルを実施しているところはほとんどなかったんじゃありませんか。ある意味では、知事のおっしゃるとおり、これは本当に全く新しい銀行であるとの指摘は、至極的確なわけであります。
 先ほども申し上げましたけれども、金融機関の収益を左右するのは融資審査と回収業務であります。特に、新銀行東京のビジネスモデルにおいて、スコアリングモデルは事業の成否を分ける命綱であったわけであります。
 そこで伺いますけれども、初代代表執行役である仁司さんは、三月十一日の読売新聞の報道によれば、スコアリングモデルのプログラムは、必ずしも実態を反映していなかったと語っておりました。そもそもこのスコアリングモデルは、いつ、だれが、どのような依頼を受けてつくったのか、お答えをいただきたいと思います。

〇佐藤産業労働局長
 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、コンサルティング会社や監査法人、IT関連会社ですとかカード会社、金融関係会社などの最大百名のスタッフが検討してつくり上げたのがマスタープラン、このもとに、平成十六年四月に発足した新銀行東京が、開業の期間までの準備期間中にこの詳細条件等を検討して構築したと、これがスコアリングモデルでございます。以上です。

〇尾崎委員
 果たして、このスコアリングモデル、そしてビジネスモデルは、十分に検討されたんでしょうか。そして、知事は専門家にこれを任せたといっておられますが、このマスタープランを推進したのは知事じゃなかったんですか。知事は、新銀行東京の実績として一万三千社に融資を実行し、九千社の中小事業者の業績向上を挙げておられます。
 確かに救済された事業者もいるわけでありますけれども、中には悪質な詐欺まがいの連中が新銀行目当てで群がってきて、融資を受け、倒産したといえば聞こえはいいわけでありますけれども、都民の税金を間接的に搾取をしていったわけであります。
 その要因は、先ほど質問したスコアリングモデルという融資基準に問題があって、本来、このスコアリングモデルは、財務諸表を照らせば、機械的、自動的に融資の可否を判断していたと思いますけれども、知事のいう、六カ月もてばいいから貸せという事業者に対して、そのような恣意的な(発言する者あり)いや、これは知事じゃないです、わかっています。知事のいう、六カ月もてばいいから貸せという事業者に対して、そのような恣意的な判断が入る余地はあったんでしょうか。

〇佐藤産業労働局長
 ポートフォリオ型の融資、これがスコアリングモデルを中心にされたというお話で、スコアリングモデルのみのようなお話ですけれども、マスタープランを見ていただくとわかるんですけれども、スコアリングモデルだけで審査をするような、そんな制度を最初から想定していたわけではありません。
 スコアリングモデルで事業者の財務状況の情報を入れた後、その後定性的な評価を必ずやって、その上で審査に適格かどうか、そういう判断をして融資をする、これがマスタープランで考えている融資の審査の方法です。通例、定性的な評価をするというのは、外部信用情報機関の情報ですとか経営者などに関する定性評価、これに問題がない企業を融資対象であるとするということになっております。
 また、新銀行の方が策定いたしました中期経営計画策定時に、当然細かい審査方法等を監督官庁に出すわけですけれども、定性評価が行われることが明記されているというふうに聞いております。スコアリングモデルだけに頼って審査を行うことが前提であったかのようなご指摘は当たりません。
〇尾崎委員 じゃ、聞きますけれども、もう一方で、開業当初、本店などの窓口に押し寄せた融資の申し込みに対して、新銀行東京は、営業日三日以内での回答を売りにしていたために、限られたスタッフが十分な現地調査を行えなかったことも、これは一因だと思うんですが、いかがでしょうか。
〇佐藤産業労働局長 実地面談とか実態調査が行われることなく、スコアリングモデルによる自動審査に過度に頼り過ぎたのが経営悪化の一因と考えております。
〇尾崎委員 だっておかしいじゃないですか、さっき局長は、スコアリングモデルだけに頼って審査をしてきたとの指摘は当たらないと答弁したんですよ。しかし、今の答弁では、経営の悪化の一因はスコアリングモデルに頼り過ぎたのが原因と。これじゃ、このビジネスモデルプランが間違っているといっているのと同じことだと私は思うんですよね。
 先ほどから申し上げておりますけれども、このスコアリングモデルが新銀行東京の事業の成否を左右する生命線だったと私は思っているんです。
 石原知事は、聞きますけれども、このマスタープランの肝であるスコアリングモデルをどのように総括しているんでしょうか。
〇石原知事 この作成に当たりましては、かなりの延べ時間、かなりの延べ人数をかけて作成し、金融庁のフィルターを通して金融庁の了承を得たと聞いております。
〇佐藤産業労働局長 マスタープランで新銀行が段階を踏んで発展していく、第一段階から第三段階まで、新銀行が着実な業務領域の選択と経営資源の集中という初期の段階から徐々に広げていく、こういう構想でもってマスタープランがつくられております。
 そういう中で、スコアリングモデルについても、顧客情報の積み重ねによりまして、その精度を徐々に高めていくということが当然必要であったと思いますし、先ほど申し上げましたけれども、ちょっと誤解があるといけないので重ねますが、マスタープランで想定しておりましたのは、スコアリングモデルだけに頼ってやるというような審査の方法をマスタープランが記載していたわけではなくて、ただ実際にスコアリングモデルに頼り過ぎた、過度に頼り過ぎたという現実を、先ほど違う面での話をしたわけです。
 そういう意味では、定性評価と一体となって行う審査のツールであったものが、過度に依存されて効果が出なかったという面があると思います。
〇尾崎委員 開業当初に顧客情報の積み重ねなどあるわけはないと推察するんですけれども、仮に百歩譲って、開業してからのしばらくの間はすぐに顧客が集まらないとしても、結局、今現在までにこの目標が達していないということは、そのマスタープランそのものに問題があったといわざるを得ないわけであります。
 おとといの調査報告書を期待しておりましたが、石原知事が、六カ月もてばいいから貸せというめちゃくちゃな経営がなされたといっている割には、そのような具体的な記述は見られません。
 デフォルト発生を容認したかのような常識を逸脱した業務執行の象徴的な事象として挙げている、融資実行実績に応じて年間最大二百万円の成果手当を支給したことや、朝礼等での非常識な言動を繰り返したことは、仁司さんの立場から見れば、大株主の石原知事が融資実績に不満を漏らしていたことに対する危機感のあらわれではなかったんでしょうか。
 このことに対する分析がない限り、石原知事がいう旧経営陣にすべての責任があるとの指摘は、非常に一方的なようにも思えるんですが、仁司さんは本当に、この六カ月もてばいいから貸せといっていたんでしょうか。
〇佐藤産業労働局長 新銀行東京の調査委員会の調査報告書によりますと、過剰融資について、必要金額の確認や返済能力を重視せず、融資限度額いっぱいの融資を奨励したというふうにされております。
 報告書に直接の記載はございませんが、融資実行後六カ月経過後に発生したデフォルトについては、成果手当を算定するもととなる融資実行額からデフォルトした金額を控除することなく、満額支給するという制度がありました。そのもとで、先ほど申し上げましたようなデフォルトを容認するかのような発言を繰り返した。このことで、営業担当者の間には、六カ月経過すればいいという意識を持たせたと銀行は判断しております。
〇尾崎委員 今の答弁では、仁司さんが直接いったということではなく、あくまでも行員に意識を持たせたということで、それも銀行側の一方的な判断ということなんでしょうか。それとも、東京都側から無言の圧力のようなものがあり、銀行が過剰融資を行い、大量のデフォルトを発生させたのだとすれば、経営陣のみに責任をなすりつけるというのは、余りにも無責任であると感じ得ないところであります。
 冒頭に申し上げましたけれども、ビジネスモデルそのものに問題があったのか、あるいはプランを実行できなかった経営陣や職員に問題があったのか、あるいは出資者である都の責任はなかったのかを、まずつまびらかにしてからでなければ、この四百億円の出資の是非、再建策など、議論できようはずがありません。
 しかしながら、今までの説明、答弁では、それが全く見えてこない中で追加出資を強引に推し進めるようでは、とても都民の理解を得ることなどできないと申し述べ、時間がないので次の質問に移ります。
 今日の医療は、急速に進んでいる高齢化社会の到来の中で、都民の需要の増加と、それに加えて医師不足、特に都立病院のような大規模病院の勤務医が少ないことにより、医療制度の崩壊につながりかねないといわれている状況下にあります。
 そうした状況下の中で、都議会でもたびたび、どうすれば必要な医療が適正に提供されるかが議論されてまいりました。
 私は、調布市、狛江市の北多摩三区の選出でありますけれども、先日も同じ三多摩圏内である小平市で、救急車で搬送中の女性が受け入れ先の病院が見つからず死亡してしまうという大変痛ましい事件が起こりました。
 医療崩壊を招く要因の一つとして、核家族化が進んでいるので適切なアドバイスを受けられないことなどにより、軽度の症状でもすぐ病院に行ってしまうケースによる病院のコンビニ化、また医師不足並びに看護師等のメディカルスタッフの不足等の課題があるわけでありますけれども、関連して何点かお伺いいたします。
 私は、都立病院のような公的な医療機関は、収益性を最優先に求めるべきではなく、民間の病院では採算ベースでは厳しくなる部分を補完していくことこそが、都立病院設置の政策目的であり、本格的な医療崩壊が始まる前に、やはりしっかりとした医師確保の対策を立てていかなければならないと考えております。
 そうした中で、都立病院の勤務医の待遇改善などを行っていくことはもちろん必要でありますし、全国の中でも都立病院に勤務する医師の年間報酬は最低レベルでありまして、昨年の本会議などでも、知事は勤務医の待遇改善は当然行っていくべきだとの答弁をしているわけでありますけれども、これがどの程度進捗しているのかお伺いをいたします。
〇秋山病院経営本部長 お話のような都立病院の医師の給与が全国自治体の中でも低いレベルにあったというのは、平成十七年度までのことでございまして、都ではその後、初任給調整手当や宿日直手当の増額などの処遇改善を講じてきております。
 しかしながら、医師の採用環境がさらに厳しさを増すという中にございまして、都立病院医師の安定的確保、定着を図っていくためには、なお一層の改善が不可欠であるという認識のもとに、来年度開講いたします東京医師アカデミーの指導医に対します指導医業務手当、またリスクの高い分娩に従事した産科医師に支給する異常分娩業務手当の新設、初任給調整手当のさらなる増額など、給与の大幅な改善を図るための経費を、現在ご審議いただいております来年度予算に既に計上しております。
〇尾崎委員 報酬面はもちろんのことでありますけれども、本来、医師は患者の病状に全責任を持ち、治療の効果をより一層高めるためには、みずからのことはさておき、あらゆる手だてを尽くすという使命感の持ち主であります。長時間の診療にも、その使命感で意欲的に取り組んでいる方々がほとんどであります。しかしながら、昨今の病院における勤務環境の過酷さは筆舌に尽くしがたいものがあります。
 先日、私は都立府中病院を視察してまいりましたけれども、医師だけではなく、看護師の数も絶対的に不足をしている現状があります。ERや夜間診療の状況も伺いましたが、ほとんどの看護師は患者の対応に追われ、現場では二人の看護師が看護ステーションで勤務をし、救急患者が殺到する時間帯などは総体的な対応ができない状況下にあります。
 現在、ERは、電話で病状を聞いてから診察をするという制度でありますから、ひっきりなしにかかってくる電話も出ることができない状況にあるわけであります。こうした状況が続けば限界を超えることが推測をされ、バーンアウトして看護師をやめたり、勤務医から開業医に転身をするケースなども多々見られるところであります。
 特に東京などの地域では、都市化が進行し、地域の中での生活が希薄になっていることもあり、地域でのかかりつけ医にかかるよりも、設備の整った病院を受診することにより安心を得たいという心理もあり、患者の多くが都立病院を含めた大きな病院を受診する傾向となっております。
 こうした、勤務医が開業医に転身をしていく、あるいはやめていってしまう医師のインセンティブをどう維持していくのかが、医師不足に歯どめをかける喫緊の課題と考えますが、東京都としては具体的な取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。
〇秋山病院経営本部長 まず、委員がご視察になりました府中病院のERでは、軽度から重度に至るさまざまな救急疾患に的確に対応するため、内科、外科を初めとしまして、五系列の診療体制を組んでおります。また、不足しているのではないかとご指摘のございました看護師につきましても、総数で約八十名、夜間でも十名以上の人員を配置するなど、手厚い体制でトータルな救急医療サービスを提供しているところでございます。
 ERの特性上、一時的に救急患者が集中した場合などには、重篤な患者さんから診療するトリアージ、これを行いまして、適切な対応を図っておりますが、診察をお待ちいただくこともございますので、この点に関しましては患者さんに十分説明をして、ご理解をちょうだいしているというところでございます。
 こうしたERでの勤務はもとより、多忙な医師のインセンティブ、これを維持して定着を図っていくためには、給与面、この改善に加えまして、勤務環境の整備も必要でありますことから、医師の過重労働を軽減するための医療クラークの導入や、子育てと仕事を両立して働き続けるための育児短時間勤務制度の活用、院内保育室の充実、さらには職務住宅借り上げの拡充、研究研修費の増額など、広範囲にわたる総合的な医師確保対策を実施することとしておりまして、既に来年度予算案に計上をしているところでございます。
〇尾崎委員 先ほどは医師の報酬面においての質問をいたしましたけれども、非常勤医師の勤務状況はもっと過酷な状況下にあります。非常勤医師は月に十六日出勤と決まっているわけでありますけれども、実際の現場の状況と申しますか、医療行為の特質として、九時−五時で勤務を終了するといった割り切りは実質的には不可能なわけで、休日出勤や過度の残業が常態化しております。
 看護師も、先ほどお話をしたような現状で、夜間診療等に十分に対応できる状況ではありません。したがって、現在の非常勤の医師の待遇改善や、看護師不足の課題を解消していくことも急務と考えますが、お伺いをいたします。
〇秋山病院経営本部長 まず、非常勤医師につきましては、多忙な常勤医師を補完するため、夜間や休日にも勤務日を設定するなど、勤務形態の弾力性を生かした活用を図っているところでございます。
 こうした非常勤医師の報酬は、職務の複雑性、困難性、責任の軽重に応じ、常勤医師の給与とのバランスをとって定めていることから、今回、常勤医師の給与を引き上げたことに伴いまして、非常勤医師の報酬の額の改定につきましても、現在、関係局と既に協議を行っているところでございます。
 また、看護師につきましては、採用努力によりまして、年度当初には定数を超える人員を確保しておりますが、結婚、出産、育児等により、年度途中にそれを上回る離職者が発生する状況にございます。
 このため、年度当初だけでなく、年度途中での採用も弾力的に行い、離職者の補完に努めるとともに、新卒看護師が短期間で離職するケースが多いというために、新卒看護師に対しまして臨床研修を実施するなど、この点に関しましても既に定着対策に取り組んでおります。
〇尾崎委員 現状は、こうした病院勤務医師、看護師の奮闘に対して、さらなる過重な勤務を求める事態となっており、医師の補充は急務であります。特に産科や小児科は救急患者が圧倒的に多く、対応するには一定の数の医師や看護師が必要です。
 最初に質問をした医業収支比率のこの問題でいけば、私は、民間病院でカバーできない部分を行政がしっかりと補完をしていくことこそが、都立病院の政策目的だと信じてやまない立場でありますけれども、だからといって全く収支を考慮しないわけにはいきません。
 国が診療報酬の改定を先般行い、七対一看護の診療報酬は引き上げられたわけでありますから、なぜ民間の病院に倣って、そのときに看護師の定数増加に踏み出さなかったのか、診療報酬の改定に柔軟に対応できない要素があったのか。七対一看護師の定数の枠組みをふやすことで診療報酬もアップをし、人件費を上回る収益を上げることが期待され、それにより収支比率も上昇する可能性があると考えますが、なぜ七対一看護基準を導入しないのか、所見を伺います。
〇秋山病院経営本部長 都立病院におきましては、患者の看護必要度等に応じまして看護師を適正に配置しておりまして、結果として一部の病院では既に七対一看護基準を取得しているという実態にあることを、まずご理解いただきたいと思います。
 この基準は平成十八年度に新設されましたが、全国的な看護師不足の中で、大学病院などが大量に採用を行ったために、病院間の看護師確保競争、これを引き起こしまして、このことが一つの要因となりまして、平成十七年十二月に国が発表しました看護需給見通しでは、平成十八年に千八百五十人の、東京都で看護師の不足見込みであったものが、昨年十一月に都が策定しました需給見通しでは、平成十九年現在、これが三千人近くも不足しているという状況になりまして、看護師不足がより深刻化しているということがうかがえます。
 こうしたことから、いわば看護師をふやしさえすれば収益が確保できる、この七対一の看護基準につきましては、来年度の診療報酬改定におきまして、看護必要度や医師の配置基準などが導入されますとともに、既存の十対一看護との診療報酬上の格差が縮小される方向で、既に見直しが行われております。
 なお、約四百人の看護師を募集しております都立病院が、仮にご指摘のような七対一看護基準の取得を目指しました場合、さらに約三百人、合計で七百人の看護師を必要といたします。これを新卒看護師で確保いたしますと、例えば現在七校ある都立看護専門学校の卒業生すべてを採用しても、まだ不足することになりまして、現実的ではないというふうに考えております。
〇尾崎委員 看護師の確保が困難である現状は理解できますけれども、だからといってこのままの状況が続けば、一人一人の医師や看護師に今以上に負担がかかり、離職率は急増をし、都民が都立病院で診療を受けること自体が困難になりかねません。
 そうした本格的な医療崩壊を招く前に、看護師確保に向けてあらゆる努力を行うとともに、非常勤やパートの看護師の積極的な活用を図っていくことにより、看護師の勤務状況も改善されると考えますが、所見を伺います。
〇秋山病院経営本部長 高度で専門的な医療を継続して提供するという都立病院の使命を果たしていくというためには、看護師を常勤で採用し配置していくこと、これが本来の姿であるという認識をしております。
 このため、看護師の採用に当たりましては、看護専門学校への本部や病院からの働きかけ、数回にわたる説明会の開催、ホームページやポスター、雑誌等を通じた広報、看護学生の実習受け入れなど、年間を通じてさまざまな活動を行い、その確保に努めているというところでございまして、その結果、近年では、先ほど申しましたとおり、年度当初は定数を数十人上回る、こういう人員を確保できております。
 しかしながら、年度途中での離職者が多いため、年度末に向けて必要数に不足が生じていきまして、中途でも採用し切れないということになってまいりますので、都立病院におきましては、常勤配置を基本としつつ、こうした常勤職員の不足を一時的に補うものといたしまして、弾力的な勤務形態を生かした非常勤やパートの看護師を活用し、マンパワーの不足に対応しております。
〇尾崎委員 看護師の確保を図るためには、定着、再就業対策が重要なことは喫緊の課題としてもちろんのこと、次世代を担う看護師の養成は、今お話にあったとおり、必要不可欠であります。看護師の絶対数が不足をしているならば、供給の面からの増員を考えていけば、都立看護専門学校の定員をふやすことが、都内の看護師確保のために必要ではないかと考えます。
 現状として、少子化が進行していることから考えれば、定員数をふやすことが難しいことも理解をしておりますし、看護学校の定数の再編整備をしたのは七対一看護が導入をされる前の話であるわけでありますから、前向きにこの定員増について考えていただくことを意見として申し上げておきます。
 東京都が全国に先駆けて取り組みをし、少しでも多くの子どもが看護師を目指す気持ちを持つよう、高校生はもちろん、中学生も対象として、看護師の仕事、役割などを啓発をしていくことが必要ではないでしょうか。所見を伺います。
〇安藤福祉保健局長 都立看護専門学校では、看護への理解と関心を深め、将来の進路決定の動機づけとするために、高校生を対象に一日体験入学を実施をしております。
 このほか、地域の中学校が実施をする職場体験にも協力をいたしまして、中学生を授業や実習などに受け入れているところであります。
 また、東京都ナースプラザにおきましては、都内病院などの協力を得て行っております一日看護体験学習についても、これまでの高校生に加えまして、今年度より中学生も対象として実施をしているところでございます。
〇尾崎委員 続きまして、介護保険制度が二〇〇〇年四月に導入をされてから早くも八年が経過しようとしております。この間、二〇〇六年には大きな改定が行われ、制度全体を予防重視型システムに転換をするとともに、地域密着型サービス体系が創設をされました。
 都では、平成十八年度から平成二十年度までを計画期間とする東京都高齢者保健福祉計画を策定し、一方、私の地元の調布、狛江市でも、介護保険事業計画を策定しております。
 東京都高齢者保健福祉計画は、老人福祉法第二十条の九に基づく老人福祉計画や、介護保険法第百十八条に基づく介護保険事業支援計画の性格を有していると理解をしております。とりわけ、介護保険制度においては、区市町村が保険者でありますが、都は広域的な観点から必要なサービス基盤の整備を図ることとされています。特に特養ホーム等の整備は、区市町村の保険者や事業運営の主体である社会福祉法人にゆだねているだけでは、その確保が困難となっているのではないでしょうか。
 そこで、まず、東京都全体で特別養護老人ホームの待機者が何人なのか、お伺いをいたします。
〇安藤福祉保健局長 平成十二年度の介護保険制度の実施に伴いまして、特別養護老人ホームの利用については、措置から直接契約に移行しましたことから、いわゆる待機者の概念はなくなっております。
 各区市町村は、介護保険事業計画の策定に当たりまして、入所希望者などを把握しておりますが、都としても、広域的な観点から三年ごとに調査を実施しておりまして、平成十六年度の調査における入所希望者の実数は約四万一千人でありました。
 なお、この約半数は、介護保険施設、病院、社会福祉施設等で生活をしておりまして、また、入所希望者の中には要介護度が軽度の方もいるなど、必ずしも特別養護老人ホームに入所が必要な数をあらわしているものではございません。
〇尾崎委員 また、特別養護老人ホームと介護老人保健施設の、第三期東京都介護保険事業支援計画におけるそれぞれの整備目標に対する実績見込みをお伺いします。
 介護保険事業は、国が定める介護報酬を基本に運営されるわけでありますけれども、介護報酬は三年ごとに改定をされるため、この間二回の改定がありましたが、施設の報酬単価は連続してマイナス改定であります。
 このことにより、特養ホームを初めとする介護保険施設の運営は、軒並み経営が厳しく、高齢化は進展しても施設整備は進まず、さらには福祉人材の雇用の悪化やサービスの質の低下を招き、このままでは介護保険事業は危機的な状況が続くと危惧をしております。
 平成二十年度は、現行の高齢者保健福祉計画を改定し、新たに第四期計画を策定することになるわけですが、これまでの地域密着型サービスについて、代表的なサービスの種類の整備実績についてお伺いをいたします。
   〔大沢副委員長退席、委員長着席〕
〇安藤福祉保健局長 まず、第三期介護保険事業支援計画におきます特別養護老人ホームの整備状況でございますが、平成二十年度の利用者見込み数が三万六千六百五十人に対しまして、二十年度末実績見込みは三万五千六百三十三人であり、介護老人保健施設の整備状況は、利用者見込み数一万八千九百十五人に対しまして、実績見込みは一万七千百十九人でございます。
 次に、平成二十年三月一日現在で、主な地域密着型サービスの整備実績は、認知症高齢者グループホームが定員三千八百六十四人、小規模多機能型居宅介護は三十事業所、夜間対応型訪問介護は同じく三十事業所、認知症対応型通所介護は四百十五事業所でございます。
〇尾崎委員 今までのお話で、私は、東京都全体としてまだまだ整備が進んでいないと考えます。やはり都は、介護保険事業支援計画を策定する義務を有しているわけでありますから、特別養護老人ホームの施設整備にもっと積極的に取り組み、区市町村を強力に支援することが必要であると考えます。
 私は、昨年の六月の財政委員会において、都の未利用地の活用ということを質問させていただきましたが、やはり都は区市町村の施設整備を強力にバックアップをするために、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホームの建設に関して都有地の積極的活用を図るべきと考えますし、また、施設建設に対して建設費補助を引き上げるべきと考えますが、見解をお伺いをいたします。
〇安藤福祉保健局長 昨年十二月に公表いたしました東京都地域ケア体制整備構想では、療養病床の実態調査や医療機関の転換意向を踏まえた療養病床の転換推進計画を策定をいたしました。
 都では、医療機関によります介護療養病床から老人保健施設などへの転換を支援するため、独自の補助を行ってきたところであります。引き続き、医療機関の意向等を踏まえながら、療養病床の円滑な転換を支援していきます。
 次に、都はこれまでも、未利用の都有地の減額貸付によります介護サービス基盤の整備促進に努めてまいりました。
 整備費補助についても、特別養護老人ホームや介護老人保健施設については、平成十八年度に国の交付金は廃止をされましたが、都では引き続き、従来の水準を維持した補助を実施をしてまいりました。
 また、認知症高齢者グループホームにつきましては、国の交付金に上乗せした補助を行うなど、独自の補助を実施をしております。
 さらに、平成二十年度から、施設の地域偏在を解消するため、区市町村の高齢者人口に対する施設定員数の割合に応じて補助単価の見直しを行うこととしております。
〇尾崎委員 また、都営住宅については、私の地元の調布市でも、緑ヶ丘団地等のかなり規模の大きい老朽化団地もあります。建てかえにより特別養護老人ホームの建設用地を生み出すことなどにより、整備を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
〇只腰都市整備局長 都営住宅の建てかえ時の特別養護老人ホームの整備につきましては、都営住宅建設に関連する地域開発要綱に基づきまして、地元区市と協議し、支援してございます。
 今後とも、建てかえに当たりましては、敷地の状況などを勘案しながら、地元区市や関係局と連携し、適切に対応してまいります。
〇尾崎委員 やはり今後は区市町村とも連携を密にし、施設整備に最大限の努力を払っていただき、特別養護老人ホームの整備については、土地取得のための助成を復活させるべきと考えますし、また、民有地の取得助成が困難であるならば、積極的な都有地の活用をしていくことを最後にお願いをいたしまして、私の質問を終わります。


予算特別委員会 録画映像はこちらから。
(2008年3月12日の質疑を選択して下さい)
2007.6.21: 平成19年財政委員会

〇尾崎委員 私からは、報告のあった今後の財産利活用の指針に関連をして、何点かお伺いをしたいと思います。
 都有財産の利活用は、いつの時代でも大切なことであり、そのあり方は重要でありますけれども、その中でも私は、都民が注目する大規模な未利用地の活用についてお伺いをしたいと思います。
 まず、これまで大規模な未利用地の活用をどのように行ってきたのか、一つお伺いをしたいと思います。
〇塚本財産運用部長 これまで二次にわたる財産利活用総合計画では、歳入確保策として、未利用財産を売却することなどによる取り組みを大きな柱としてまいりました。
 このため、大規模な未利用地につきましても、都や地元自治体での利用見込みがない場合には、売却を進めてきたところでございます。具体的には、芝浦アイランドや都立大学跡地などを初めとしまして土地の売却を行ってまいりました結果、約二千百億円の収入を得るなど、財産面から財政構造改革を支えてきたところでございます。
〇尾崎委員 大規模な未利用地は、東京都での利用見込みがない場合、売却をしてきたとのお話でありますけれども、今後、事務事業の見直しなどが進んで、新たに大規模な都有地が未利用となることも予想をされるわけであります。このような土地は、規模が大きい分、財産の活用がどのようになるかによって、都の施策展開にとっても、地域にとっても大きな影響があります。
 このため、大規模な未利用地は民間に売却をするだけではなく、先ほどもちょっとご質問ありましたけれども、さまざまな利活用を図っていく必要があると考えます。
 そこで、今回の指針では、大規模な未利用地の活用をどのように進めていこうとしているのか、お伺いをいたします。
〇塚本財産運用部長 今後の財産運用の指針では、財政再建を達成した都財政の状況などを踏まえまして、大規模な未利用地は、今後売却するだけではなく、十年後の東京を展望した取り組みなど、都の施策を実現するために積極的に利活用していくことを基本としております。
 その際、都がみずから使用するばかりでなく、民間の知恵や活力を取り入れた多様な手法の展開を図ってまいります。具体的には、環境負荷の低減など都が推進する施策と連動した条件を付した上で貸し付けを行うなど、取り組みを実施してまいりたいと思っております。
〇尾崎委員 そこで、大規模な未利用地でいいますと、私の地元の調布市なんですけれども、調布市を初めとして隣の三鷹市と府中市にまたがる広大な調布基地跡地というものがあるんですけれども、ここの利活用も非常に地域でも注目をされております。今後この調布基地跡地は、調布基地跡地関連事業推進協議会などで積み重ねてきた協議を踏まえ、引き続き関連事業を円滑に推進していっていただきたいと思っております。
 と同時に、ここでは二〇一三年の東京国体の開催に当たりまして、味の素スタジアムで開会式などを実施するという案が、東京都の方から先ごろ発表をされております。東京国体は、都で開催をする三回目の大会であり、都民の健康増進やスポーツ振興などに大きく寄与をするもので、都の施策として重要なものであるということはいうまでもないと思います。
 そこで、指針にいう都の施策を実現する都有地の利活用として、この調布基地跡地を東京国体の成功のために有効に活用をしていくべきであると考えておりますけれども、所見を伺いたいと思います。
〇塚本財産運用部長 尾崎副委員長お話しのとおり、東京都は、東京国体開催に当たりまして、調布基地跡地に平成十三年三月にオープンいたしました味の素スタジアムにおいて、開会式や閉会式、陸上競技、サッカー競技を実施する案を発表したところでございます。
 調布基地跡地は、返還後長期にわたり地元市と協議を重ね、利用計画の策定や関連事業の推進などを行ってきた経緯がございます。今後も、調布基地跡地の未利用な土地の利活用に当たりましては、庁内関係局と連携し、地元の市とも十分に協議しながら、あるいは今までの経緯も十分踏まえながら進めてまいりたい、このように思っております。
〇尾崎委員 ぜひ今後も、この指針を具体的な取り組みとして、都民の貴重な財産であるこの土地、その他の都有財産を一層有効に活用していくことを要望いたします。
 特に、調布基地の味の素スタジアムの周りは非常に広大な都有地が残っているんですけれども、これは財務局だけではなくて、都市整備局であったり、あるいは建設局であったり、いろいろな局が所有をしているところがあるんですけれども、これは都民の目から見れば、東京都が持っている都有地という意識しかないわけです。
 それで、東京都が持っているこの土地がこれだけあいているんだから、二〇一三年に東京国体が行われるということで、ぜひこれを有効的に活用していただきたいというのは地域の住民の要望でもありますし、また、地元市でもいろいろと協議をされておりますので、先ほどご質問ありましたけれども、全庁的な連携をぜひしていただいて、都有財産の利活用を進めていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

2007.2.19 : 平成19年財政委員会

〇尾崎委員 最終補正と十九年度当初予算で四千五百三十一億円の減債基金積立不足を全額解消すると。一時は一兆円にも達していたこの隠れ借金をおおむね解消するとのことでありますけれども、そもそも隠れ借金というのはどういうもので、またなぜ発生をしたのか、お伺いをいたします。

〇安藤主計部長 お尋ねの隠れ借金というのは、決まった定義というのはございませんで、東京都が財政再建のためにやらなくてはならない課題と位置づけたものでございますけれども、国や地方自治体において、通常、借金という場合には国債や地方債の残高をいうわけでございますが、東京都で隠れ借金と呼んでおりますものは、将来的に一般会計が負担せざるを得ない都債以外の財政負担というふうに位置づけているところでございます。
 その性格から二つに分類してございまして、一つは、財源不足を補うためのやりくりによって生じたものでございまして、これは予算編成で生じます財源不足を補てんするために臨時的な対策としてやりくりする中で発生したものでございまして、十八年度の時点では減債基金の積立不足がこれに当たります。
 もう一つは、当初見込みどおりに事業が進まずに生じたものでございまして、収支均衡を前提に事業を開始したものの、当初の計画どおりには事業が進まずに欠損金が見込まれるようになったものでございまして、具体的には、市街地再開発事業欠損金と多摩ニュータウン事業欠損金の二つを位置づけているところでございます。

〇尾崎委員 今回のこの最終補正と十九年度当初予算で隠れ借金を解消するというのは結構なことだと思います。都税の増収については、財政調整基金に義務的に積み立てなければならないと聞いております。昨年度は三千百五十六億円の都税で、一千七億円を義務積み立てとしているわけでありますけれども、本年度は税収が三千七百四十三億円ふえたのに、隠れ借金の解消で三千二百五十一億円を減債基金に積んでいますが、この財政調整基金には三百二十六億円しか積んでいないわけであります。これは、財政調整基金条例上問題があるのかないのか、お伺いします。

〇安藤主計部長 結論的に申し上げますと、財調基金条例上の問題はないということでございますが、今回の補正予算では、財政調整基金への積み立ては地方財政法の規定によりまして、法定積立分二百七十二億円をまず基本といたしまして、これは十七年度の一般会計決算の剰余金五百四十三億円ございますが、これの二分の一以上積み立てなければならないものというふうな規定になってございます。この分と、これに加えまして、税収増に伴う積み立て五十四億円を合わせました合計が三百二十六億円となっているわけでございます。
 東京都財政調整基金条例の規定では、当初予算からの都税の増収分は、その一定額を財政調整基金に積み立てることとされておりますが、例外的には、積立所要額の全部または一部を他の基金に積み立てることが必要であると知事が認めるときは積み立てを行わないことができるとも規定をされているところでございまして、今回で申し上げますと、条例上の規定に基づきます本来の義務積立額は計算上は約千二百億円でございますが、この補正予算では、隠れ借金の解消を優先し、これは先ほどご答弁申し上げましたけれども、この例外規定を適用した結果、財調基金への義務積立額は全額を計上しなかったものでございまして、条例上の問題はないということでございます。

〇尾崎委員 隠れ借金の解消を最優先とする考えはわかりました。この隠れ借金なる懸案課題が今回で解消をするわけでありますけれども、今回のように、想定を大きく上回る都税収入があった場合には、今後、一体何に使われるのか。また、先ほども質問にもありましたけれども、財政基盤の強化という話でありますから、やみくもな歳出拡大に回される懸念があるのかないのかをお伺いします。
〇安藤主計部長 想定を上回る都税の増収の活用ということでございますが、これは、都政の課題に着実に対応するために使うということは当然のことだと思いますが、それ以外にも、今後の安定的、継続的な施策の展開を目指しました基金残高の確保といった、その時々で適切に対応していくことになると思いますけれども、いずれにいたしましても、ご指摘のように、やみくもな歳出拡大に回すのではなくて、施策の充実と財政基盤の強化の両面に留意いたしまして、例えば、増収が一時的なものであるかどうかといった分析、さらには将来の見通し、これには景気もありますでしょうし、制度改正等の動向も影響を与えますので、こうした見通しに立ちまして財政運営を行っていくことが重要であるというふうに認識をしてございます。

〇尾崎委員 そうしますと、これで隠れ借金は十九年度の当初予算とあわせておおむね解消をされることとなるわけでありますけれども、あとに残るものとして、多摩ニュータウン事業と市街地再開発事業の欠損金があるわけであります。これらがなぜ隠れ借金となってしまったのか、また、今後どうしていくのか、お伺いをいたします。

〇安藤主計部長 多摩ニュータウン事業及び市街地再開発事業が残っているわけでございますけれども、これはいずれも、地価の大幅な下落などによりまして、当初の見込みどおりの収入が確保できませんで、起債の償還に要します経費等の一部を一般会計が手当てせざるを得ないという状況になったことから、隠れ借金というふうに整理をしているものでございます。
 この事業にかかわります起債の償還等に伴います所要額は、既に毎年度の予算に計上しているところでございます。そして、今後も引き続きこの措置を行うことで、全く無理なくこの隠れ借金については解消できるというふうに認識をしてございます。

〇尾崎委員 平成十八年度補正予算は、隠れ借金の解消の推進、また障害者対策に取り組むといったようなことで、我が党の考え方も反映されたのではないかと認識をいたしているところであります。
 東京都においては、今後も財政が抱える諸課題を十分に見きわめて健全な財政運営を行っていくことを最後に求めまして、私の質問を終わります。

 
2006.11.09 : 平成18年財政委員会
◯尾崎委員 私も、税源移譲の関連で何点か、かぶらないように質問をさせていただきたいと思います。
 この間の三位一体改革における税源移譲を初めとした一連の税制改正によって、都及び都民を取り巻く状況は大きく変化をしてきており、今後ともその動きは強まっていくものと予想されております。
 今回、これらの改正の影響と税務行政運営の面から、何点かご質問させていただきたいと思います。
 税源移譲を初めとした一連の地方税制の改正によって、個人住民税の税負担は大きく変化をするわけであります。国税庁では、税源移譲に伴い、平成十九年の一月から所得税が減税となり、同年六月から個人住民税が増税となりますが、納税者の負担合計額は同じとキャンペーンを行っております。
 しかし、同じ時期から定率減税の廃止などの影響が生じることにより、実際の税負担は明らかに増大すると考えております。また、この個人住民税が増税となる影響は、国民健康保険料などにもはね返ってまいります。このような影響が、税源移譲を初めとした個人住民税の改正で生じるわけでありますけれども、税源移譲による課税所得段階別及び全体の増収額を、都としてはどのように見込んでいるのか、お伺いをいたします。

◯松田税制部長 所得税から個人住民税への税源移譲のために、十八年度税制改正におきまして、これまで課税所得金額の段階に応じて定められておりました個人住民税所得割の税率を、平成十九年度分以降一律一〇%、内訳としましては、道府県民税が四%、市町村民税が六%とすることとされております。
 この税源移譲による都税への影響額を十七年度の課税資料に基づき試算をいたしますと、平年度ベースで三千二十三億円の増となります。課税所得段階別で申し上げますと、課税所得七百万円以下の区分においては、二千百二十七億円の増、課税所得七百万円を超える区分においては、八百九十六億円の増と見込んでおります。

◯尾崎委員 そうしますと、都にとっては三千億円を超える増収になるわけですけれども、これは個人の納税者にとって負担増とならないのか、また、負担増としないために、具体的にどのような措置をなされているのか、お伺いをいたします。

◯松田税制部長 今回の税源移譲に当たりましては、税源移譲に伴い、個々の納税者の税負担が極力変わらないように配慮をした制度がつくられております。
 具体的には二点ございます。一点目は、所得税の税率設定でございまして、個人住民税の一〇%比例税率化に合わせ、課税所得金額に対して所得税と住民税を合計した税率が変わらないように所得税の税率を設定しております。
 二点目は、所得税と住民税とでは、例えば基礎控除額が三十八万円と三十三万円というように差があることから、この人的控除の差に基づく負担増を調整するため、住民税において減額措置を行うことでございます。
 これにより、すべての世帯構成において、人的控除額の差による負担増が生じないようになっております。

◯尾崎委員 これは結果的に、今ご答弁があったとおりなのかもしれないんですけれども、都民の重税感というのは増大するわけであります。都民の都政に対する視線は、当然厳しいものとなります。このことは直ちに納税者の権利として、決して悪いことではありませんが、その際、税務行政遂行上の権利として、納税者の権利が制度的に担保、また保障をされている必要があると思っております。
 しかし、我が国では、平成十四年の通常国会に提出をされた日本版納税者権利憲章、国税通則法の一部改正案というものがあるんですけれども、これは審議をされることなく廃案になっていたり、また納税者の権利は現行国税通則法において、既に必要な範囲の手続が規定されており、行政の公正性と透明性が確保をされているとして、積極的な制定への萌芽はことごとく摘み取られてきたわけであります。
 現状で、国税においても、国税通則法を初めとして各種税法において法には規定をされているものの、納税者の一般的権利を明確に規定をしているものは存在しません。
 これに対して、欧米諸国を初め、諸外国では納税者保護の制度的導入が拡大をされているわけであります。特に、我が国では、源泉徴収制度という納税制度が当たり前だと考えられております。これは給与から税金が源泉をされ、会社が申告をしてくれるという非常にありがたい制度で、なじみがあるということでありますけれども、日本から外に出ると極めてまれな制度といわれております。
 世界を見たときに、納税者というのはタックスペイヤーでありますから、税金を払って国あるいは地方自治体を運営する費用を国民また都民一人一人が払っていると考えます。
 当然税金を払っているわけでありますから、それがどのように利用をされているのか、またどういうところに使われているのかということをチェックする義務あるいは権利が国民の側、また都民の側に保障をされているということであります。
 こうしたことから、我が国においても、納税者の権利を保障する制度を導入、拡大すべきと考えますが、東京都としてどうなのか、見解をお伺いさせていただきたいと思います。

◯松田税制部長 税務行政の執行に当たりましては、法令に基づく適正、公正な賦課徴収を徹底するとともに、何よりも都民の信頼と理解を得ることが重要でございます。
 主税局は、都民の信頼と理解を確保し、納税者の立場に立った適正な事務運営を行うために、納税者の個々の状況に応じた適切な対応、親切できめ細かな対応、説明責任の徹底、個人情報等の適切な管理などを職員に対して常に周知徹底しているところでございます。
 今後とも、納税者の権利に留意した適切な事務運営を行うように努めてまいります。

◯尾崎委員 これはもちろん、納税者の権利を守るためには、行政の説明責任が最も重要であると私は考えているんですけれども、税の仕組みは素人にはなかなかわかりづらいこともあり、説明不足から誤解を招くことがあるわけであります。
 これは私が聞いた例なんですけれども、国税と都税と両方滞納があったわけなんですが、国税当局と調整中に、都税事務所がその人の生命保険を差し押さえたという事案があったわけであります。
 当初は、督促状が出たら十日で差し押さえをしなくてはならないと徴収法で決まっているんですけれども、そうした説明しかなく、滞納者は相当ショックを受けたと聞いております。その後、生命保険を差し押さえたといっても、すぐに取り立てをするわけではなく、国税だけでなく、都税の納税計画もきちんとしてもらいたいということを説明され、納税の意思をきちんと形にして、後日この差し押さえは解除されたわけであります。
 もちろん、滞納者というのはいろんなケースがあると思います。非常に悪質なケースもあると思います。そうした悪質なケースについては、もちろん厳しく対応をしてもらいたいと思いますけれども、ある程度の誠意があるケース、こうしたケースについては十分な説明をした上で、相手の事情もよく聞いて、きめ細かい対応をしていただきたいと思います。
 これは一例で徴収の例をご紹介させていただいたんですけれども、課税段階においても同様に、行政としての説明責任をぜひ果たしていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

 
2006.10.25 : 平成17年度_各会計決算特別委員会第3分科会(第5号)
◯尾崎委員 私は、調布三・四・三二号線の進捗状況について何点かお伺いしたいと思います。
 この路線は、京王線の西調布駅の北口から甲州街道に向かう都市計画道路でありまして、そのうち旧甲州街道から甲州街道に向かって整備中の路線なんですが、これは平成十一年度に事業説明会を行ったにもかかわらず、いまだ整備が完了しておりません。地元住民も、西調布駅前地域協議会を結成して、計画当時から都と協議を進めてまいりまして、計画では、遅くとも平成十六年には完成するという話があった路線であります。
 これは、なぜ進捗状況を促すかといいますと、この路線は、平成二十四年度に完成予定の京王線立体交差事業に大きく関係しておりまして、駅前開発を進める上で、本路線が整備されないと、駅前開発を含めたまちづくりが全然進まないわけであります。
 これは、西調布の駅を挟んで市道が通っているんですけれども、市の方も、この市道の整備をするのに、まずこの都道の整備をしてもらわないとどうにもこの整備が進まないというわけで、都の方にも要望をしているんですが、そこで、これまでの経緯と用地の取り組み状況についてお伺いいたします。

◯藤井用地部長 ご質問の路線は、西調布駅北口から三鷹市境の調布市富士見四丁目に至る都市計画道路ですが、委員ご指摘のとおり、現在、このうち旧甲州街道から甲州街道までを結ぶ区間で事業を実施しております。
 この区間では、平成十三年度末に事業認可を取得いたしまして、十四年度から用地取得に着手しております。十七年度末までに、全体の五割に当たります八百八十平方メートルの用地を取得いたしました。残る用地につきましても、事業実施に支障を来さないよう、引き続き関係権利者とのきめ細かな折衝を重ね、取得に努めてまいります。

◯尾崎委員 これは、私はその地域協議会の方々とも話をしているんですけれども、今は東京都がいろいろと整備に当たっているんですが、最初は東京都道路公社の方が対応に来たり、地元住民としては、対応者がころころころころかわったりして、非常に困惑しているわけであります。
 平成十三年度末に事業認可というわけですけれども、実際、最初、道路公社の方が対応に来たときには、これは平成十一年度に事業説明会を開いているわけでありまして、そのときに、少なくとも四、五年で完成するという話が住民の方にはあったわけで、てっきり四年後には完成するんじゃないかと住民の方は思っていたわけであります。
 そこで、もう一つ大きな視点としては、二〇一六年にオリンピックが開催されることを仮定いたしまして、競技施設の候補にも挙がっている味の素スタジアムがあるんですが、現在、味の素スタジアムでは定期的にイベントが行われておりまして、最寄り駅としては、西調布駅の隣の京王線の飛田給駅というのを味の素スタジアムに来る方たちは利用しているんです。この味の素スタジアムは本来五万人収容という施設なんですけれども、これは今、五万人はイベントがあったときにも来ないんですが、大体平均で三、四万人は飛田給の駅を利用して乗降しているわけであります。それで、三、四万人、あの小さな飛田給の駅で乗降客があるということは、これは一つの許容範囲を超えちゃっているんですよね。
 本スタジアムは、位置的には西調布駅と飛田給の中間地点にありますから、スタジアムのメーンゲートが西調布側にもありますから、これは本来、西調布駅と飛田給駅の両方から行けるような整備がされていれば、混雑を避けるためにも非常に便宜的かなとは思うんです。
 そこで、安全性、また将来性を考慮した上でも、現在おくれている事業を迅速に進めていただきたいと思うんですが、所見を伺いたいと思います。

◯林道路建設部長 本路線の整備は、西調布駅から味の素スタジアムへのアクセスとして重要であるとともに、安全で快適な歩行者空間の確保にも寄与するものでございます。用地取得の進捗を踏まえ、今年度は甲州街道との交差点部におきまして改良工事に着手する予定でございます。
 今後とも引き続き、用地取得の進捗状況を見ながら着実に工事を進めてまいります。

◯尾崎委員 先ほどもいいましたけれども、これは十キロとか五キロとか長い路線ではなくて、たかだか二百メートルの路線なんですよね。二百メートルの路線で、平成十一年度に最初に事業説明会が行われて、もちろん用地買収とか整備というのは相手方のあることですから、なかなかうまくいかないのは、それは理解をしているんですけれども、ただ、この地域協議会の方たちは、地権者も、ほかの路線と違って、二百メートルの路線ですから、そんなに何人もいないんですよね。三、四十人というところですけれども、この三、四十人の方々が、反対している方たちを一生懸命、今、説得に当たるというような努力も地域住民の中ではしているんです。
 ですから、この路線の重要性というのは、オリンピックのことだけじゃなくて、実際、今、定期的に味の素スタジアムで月四回ぐらいは大きなイベントが行われているわけでありますから、この重要性というのはいささかも薄れるものではないと思います。ぜひ関係の地権者の方々とも、生活再建にも配慮していただいて、できる限りきめ細やかな対応をしていただくことを強く要望いたしまして、私の質問といたします。

 
2006.10.23 : 平成17年度_各会計決算特別委員会第3分科会(第4号)
◯尾崎委員 本年四月からスギ花粉の発生源対策が始まったわけですが、この事業は、森林所有者との調整から始まり、伐採作業、その後の森林の整備、また、切り出した木材をどう活用していくかといった広範囲に及ぶわけであります。事業を円滑に進めるためには、これらすべてがうまく機能をしなければならないと考えております。花粉対策は長期的な取り組みであり、地元自治体、森林組合、森林所有者、また木製材業者と十分調整を図りながら事業を進めていただきたいと考えております。
 今回は、その中でも、切り出した木材をどう活用していくかについて何点かお伺いをしたいと思います。
 私は六月の第二回定例会でも質問させていただいたんですが、スギ花粉の発生源対策では、十年間で百八十万本の杉、ヒノキを伐採する計画です。
 現在の多摩産材の流通を見ますと、単に木材を供給するだけでは、切り出された木材を有効に活用することが困難な状況だと考えております。実際、この十月から切り出しが始まるわけですし、せっかく税金を投入して木材を切り出すわけでありますから、需要の確保を整備するのは当然必要だと考えております。
 まず、この需要拡大に当たりまして、切り出した多摩産材を本物の多摩産であると認証する制度である多摩産材認証制度について、現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。

◯大村農林水産部長 現在東京都では、多摩産材認証協議会に対しまして、認証制度の具体的な運用方法などについてアドバイスを行っているところでございます。
 認証協議会への登録事業者数は、本年四月の認証制度発足当初には十九事業者でございましたけれども、九月末現在では四十六事業者に拡大しているところでございます。
 また、本年度の認証材の流通量は、九月末で一千百立方メートル、丸太にして約七千本分となってございますが、先生おっしゃいますように、この秋から、主伐事業の開始によりまして、また伐採が始まりますので、かなり増加する見込みでございます。
 今後も、多摩産材の需要増加が図れるように、認証制度の拡大について支援を続けていきたいというふうに考えてございます。

◯尾崎委員 東京都においても、多摩産材利用の率先的取り組みが必要だと思うんですが、都全体での多摩産材の利用の取り組みについてお伺いをいたします。
 今後の多摩産材の利用拡大のためには、東京都だけではなく、民間においての需要拡大が不可欠だと考えております。しかし、都民の多摩産材に対する認知はまだまだ進んでいない状況だと思います。
 そこで、例えば、木材のよさを理解してもらうのに、理屈だけではなく、子どものころに木と親しむという体験も大切ではないかと考えますが、例えば子どもに対しての多摩産材のPRなどは行っているのか、まず所見をお伺いいたします。

◯大村農林水産部長 木材への理解を深めるには、子どものころから木に親しみ、関心を持つことが必要であるということを認識してございます。
 このため、平成十七年度から、多摩産材を使用した定置型遊具を設置いたしました保育園などに補助を実施しておりまして、昨年度は二施設に対して補助を行いました。今年度は五施設を予定しているところでございます。
 今後も、子どものころから木への関心を高めまして、また保護者や地域住民に対しても木に接する方策を進めることによりまして、多摩産材の普及を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

◯尾崎委員 多摩産材の利用は、今お話のあった、単に製材品としての利用だけではなく、エネルギーを初めとしたいろいろな用途が考えられるわけであります。
 私のところの調布市では、木質ペレットストーブの設置に対して補助を始めていたりするんですが、現在、新たなエネルギーとして注目をされております木質バイオマスの活用を東京都でももっと進めるべきと考えますが、現在の木質バイオマスの取り組みの現状と今後の計画についてお伺いいたします。

◯大村農林水産部長 低質材や端材のエネルギーなどへの利用につきましては、多摩産材全体の付加価値を高めるために有効な手段であるというふうに考えてございます。
 このため、現在、給湯用ボイラーやストーブ、木材乾燥施設で、木質バイオマスを燃料として使用しているところでございます。
 今後も、木質バイオマスにつきまして普及PRを行いますとともに、さらなる活用の方法についての検討を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

◯尾崎委員 我が国の歴史を見ますと、有史以来、豊かな自然の中から産出される木材を巧みに生かして、今なお残っている歴史的な建造物など、木の文化とともに日本の文化が築かれたといっても過言ではないと思います。しかし、木材の輸入自由化以降、世界有数の木材輸入国となり、国内で現在使われている木材の八割は外国の輸入材に依存をしているという状況であります。
 ところが、最近の外国産材の価格上昇、また違法伐採による輸入量の減少といった中で、国産材のよさが再び見直されてきております。
 今年度から始まったこの花粉発生源対策事業は、国のとった拡大造林政策というものですけれども、戦後植林をされた成熟した杉、ヒノキ材を伐採し、地域の木材を安定的に供給するという、まさにこれは時流に乗った事業であると考えております。今まで停滞していた森林、林業の活動に新たな活力を与えるものであり、今後もっと推進をしていただくことを要望しまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、二〇〇七年問題ともいわれる、団塊世代の大量退職についてお伺いをいたします。
 全国で約七百万人、首都圏でも百八十三万人の大量退職が見込まれているわけでありますが、この二〇〇七年問題を二つの視点で見ますと、一つは、有意義な第二の人生を過ごしていくのに、どう必要な支援ができるのかどうか。私が二定で質問をさせていただいたのは、先ほどの花粉症対策などに絡め、森林再生や環境保全活動など、さまざまな社会貢献活動に参加する機会を持つことであります。
 もう一つの視点としては、現役時代の経験を生かして新たな仕事にチャレンジすることなどが、今後の意義ある人生を送っていただくために必要と考えております。
 そこで、急速な少子高齢化が進む中で、社会の活力を維持していくためには、団塊世代が長年培ってきた知識や経験を生かして働くことができるような就業支援が必要であると考えております。都としては、就業支援に対してどのように取り組んでいるのか、現状と今後の施策を伺います。

◯三森参事 団塊世代の就業支援への取り組みについてでございますが、意欲と能力のある団塊の世代が社会で活躍できるよう、就業支援を行うことは重要であると認識しております。
 このため、東京しごとセンターにおいて、きめ細かな就業相談や職業紹介を行いますとともに、再就職支援セミナーの開催、NPOでの就業などの多様な働き方に関する情報を提供してきております。
 また、高年齢者技術専門校では、おおむね五十歳以上の方を対象といたしまして訓練科目を集中的に展開してまいりまして、再就職に向けたスキルアップへの支援を実施しているところでございます。
 今後とも、団塊世代の方々の就業を促進するため、施策の充実を図ってまいります。

◯尾崎委員 戦後の日本経済は、優秀なものづくり技術が支えとなって、大きな進展を遂げてきたと思います。間もなく熟練技能者が大量に退職を迎えることとなり、今ものづくりの現場では、今まで培ってきた技術、技能が失われてしまうのではないかとの危機感を持っております。
 そうした時代状況を背景にして、神奈川県では、本年、かながわものづくり継承塾というのを開設したと聞いておりますが、都では同じような感じで、既に東京ものづくり名工塾というものを実施し、高度な技術や技能の継承を図っていると聞いております。
 このような取り組みの際、例えば熟練技能を持った団塊世代や既に退職している方々を講師として積極的に活用することができれば、雇用の拡大にもつながるだけでなく、世代間交流を通じた取り組みによって、若者の就業意欲の向上にも寄与するものと考えております。
 そこで、この東京ものづくり名工塾の取り組み実績についてお伺いをいたします。

◯三森参事 先生お話しの東京ものづくり名工塾は、平成十三年度に大田技術専門校で開設いたしました。それ以来、順次、立川、板橋、江戸川の各技術専門校において拡大してまいりました。
 平成十七年度は四十三名が受講いたしまして、これまでに百七十三名の修了生を送り出しております。
 また、実施に当たりましては、団塊の世代や既に退職しておられます高度熟練技能者を講師といたしまして招きまして、その豊富な知識、経験の継承に努めているところでございます。
 今後とも、こうした取り組みを推進しまして、団塊の世代から青年技術者への技能継承が円滑に行われますよう支援してまいります。

◯尾崎委員 今お話のあった、この技術専門学校の活用などはお聞きしたとおりだと思いますが、先ほどお話のあった、例えばNPOだとか技術専門学校だけではなくて、より多方面において、今後もこの団塊世代の活用について一層の充実を要望いたしまして、私の一連の質問を終わります。

 
2006.10.18 : 平成17年度_各会計決算特別委員会第3分科会(第3号)
◯尾崎委員 私は、都営住宅の管理について何点かお伺いをさせていただきます。
 決算説明書を見ますと、都営住宅等の管理には、住宅管理費として、平成十七年に約三百五十億円を超える金額が支出をされております。安全管理の視点から見ますと、昨今では非常に物騒な事件が多発をしておりまして、こうした世情においてこれだけの金額が支出をされていることから見ても、多数の住民が暮らす場所である都営住宅は、都民の居住面でのセーフティーネットとして、より一層機能の強化が求められていると考えております。
 一方、住民の日常生活の場であることから、快適な生活の場としての良好なコミュニティ形成への配慮が必要と考えているんですが、そこでまず、都営住宅に住む住民同士の良好なコミュニティ形成に向け、都は管理運営方法も含め、どのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。

◯小林都営住宅経営部長 都営住宅における良好なコミュニティの形成につきましては、自治会など居住者による自主的な活動が重要な役割を担っていると考えております。
 このため、団地には、集会所や公園など居住者の交流の場となる施設を設置するとともに、団地の維持管理などを通じまして、日ごろから自治会等と連携を密にするなどの取り組みを行っております。

◯尾崎委員 これは都営住宅に限ったことではないんですけれども、一般的に、近隣関係においてさまざまなトラブルが起こることが多々あると思います。都営住宅の近隣居住者同士のトラブルは、昨年一年間でどのくらい発生をしているのか。また、その把握方法をお伺いいたします。

◯小林都営住宅経営部長 近隣居住者間のトラブルにつきましては、居住者や自治会などから東京都住宅供給公社の十七カ所の窓口センターなどに寄せられた相談により把握しておりまして、その件数は、平成十七年度で約二百四十件でございます。

◯尾崎委員 こうした近隣関係に関するトラブルについては、通常どのように対応しているのかお伺いいたします。

◯小林都営住宅経営部長 近隣居住者間のトラブルにはさまざまなものがございますが、一般的には、相談を受けますと、事実を確認するため、現地で状況を調査の上、相談者、原因者や関係する近隣居住者から事情をお聞きいたします。その上で、原因者への指導、双方の話し合いの場の設定や自治会等への仲裁の依頼など、状況に応じた対応を行っております。

◯尾崎委員 これはちょっと、私が先日聞いた話なんですけれども、私のところの調布市内の都営住宅の近隣居住者間で、ある世帯の居住者が、別の世帯の居住者から一方的に暴力を振るわれたというケースがあったわけです。この人は住んでいて、上の人が、奥さんがいない間に不法侵入をして、子どもに暴力を振るって殴ったというケースだったんですけれども、暴力を振るった方は、精神的にも非常に不安定なところがあるように思われるんですが、これは明らかに犯罪行為でありまして、これは警察に頼る方法しかないのかもしれないと思っております。
 ただ、このような場合に、暴力を受けた方は、いつ何どき、また同じようなことがあるかもしれない、そこには住み続けたくない、すぐにでも引っ越しをしたいと、そう考えるのが妥当であると思います。
 そこでお伺いをいたしますが、近隣との対人関係でのトラブルによって、都営住宅入居者が住居変更を行うことは認められるのかどうか、お伺いいたします。

◯小林都営住宅経営部長 住宅変更は、世帯人員の増加により住宅が狭くなった場合や、高齢などにより階段の昇降が困難になった場合など、建物の構造上、当該住宅に住み続けることが困難な場合に、他の住宅への変更を認めるものでございます。
 近隣居住者間のトラブルにつきましては、トラブルの自主的な解決が望ましいことから、原則として住宅変更は認めておりません。
 暴力行為につきましては、基本的には警察が解決するべき問題と考えますが、このような場合、特別な事情であると判断する場合には、例外的に住宅変更を認めることもございます。

◯尾崎委員 確かに、すべての対人関係のトラブルに一々対応していたら、その際の住居変更を認めていたら、これは許容範囲を超えてしまって対応し切れないのは私も理解をしております。ただ、今、私がいったようなケースは暴力行為を伴うものですから、緊急避難の必要性は極めて高いと考えます。
 今後、似たようなケースは起こり得るはずでありますし、そこで、緊急避難的な住宅変更について、具体的な取り扱いの手順などについてお伺いするのと、また、ことし三月の第一回定例会で、都営住宅の入居要件として、DV被害者の受け入れを認めるような条例改正が行われたわけであります。今のような時代では、犯罪被害者保護に対する社会的理解も進みつつありますから、このような流れからも、優先的な入居を犯罪被害者にも拡大すべきと考えるが、あわせて見解をお伺いいたします。

◯小林都営住宅経営部長 近隣居住者間の暴力行為を伴うトラブルによる住宅変更につきましては、暴力行為が行われたという事実を被害届などで確認の上、被害状況や本人の意向を踏まえまして、空き家の発生状況を勘案しながら個別に対応しております。
 また、犯罪被害者の都営住宅への優先入居につきましては、東京都住宅政策審議会の答申を踏まえ、現在、犯罪被害者の認定方法などにつきまして検討しているところでございます。

◯尾崎委員 ぜひお願いしたいんですけれども、先ほども申し上げましたとおり、被害者の方は、暴力を受けた時点から、すぐにでも引っ越したいと考えるのは普通であります。都市整備局が配布している住宅変更のしおりには、原則として、隣人関係のトラブルを要因とした緊急避難は認められないとうたっているんですが、この暴力行為のあった場合というのは、明らかに単なるトラブルの領域を逸脱していると考えております。こうしたことを十分考慮していただき、先ほど答弁のあった、ケース・バイ・ケースでいろんな対応があるでしょうが、緊急避難の措置をとる際には迅速かつ柔軟な対応をしていただきたいということを要望し、次の質問に移らせていただきます。
 現在、私のところの調布市で、深大寺の上ノ原地区の明治大学グラウンド跡地というのがあるんですが、ここで民間事業者による大規模なマンション開発が行われております。この開発区域の周辺道路の整備について、何点かお伺いいたします。
 この上ノ原地区は、都市計画道路の整備が、調布市内の他の地域と比べても非常におくれておりまして、この地区都市基盤は非常に十分とはいいがたい状況にあるわけです。また、開発区域周辺には三つの小中学校が点在をしておりまして、周辺道路は生徒の通学路になっております。このため、地域の住民より、今回の開発に伴い、周辺道路の歩道整備など安全対策が求められている状況であります。
 一方で、開発予定地の東側を通る予定の都市計画道路調布三・四・一八号線は、本年四月に公表された多摩地域における都市計画道路の整備方針において、今後十年間に東京都により優先的に整備すべき路線として位置づけられたところであるんですけれども、事業着手には少し時間を要するように聞いております。
 こうした状況において、今回の開発区域の東側にある都営住宅柴崎二丁目アパートの敷地内には、都市計画道路調布三・四・一八号線の計画予定地が空き地の状態で確保されておりまして、その用地の管理は、平成十七年度の東京都都営住宅等事業会計決算の東京都住宅供給公社委託の中で実施をしていると聞いております。
 そこで、この都営住宅の柴崎二丁目アパート内の都市計画道路予定地の道路としての暫定利用の可能性について見解をお伺いいたします。

◯清水参事 都営柴崎二丁目アパートの建てかえに当たりましては、敷地の西側に都市計画道路の予定地を確保いたしまして、現在、その用地は更地として管理してございます。
 この都市計画道路予定地部分の道路としての暫定利用につきましては、今後、地元市などと調整をしていきます。

◯尾崎委員 ぜひ早急に調整をしていただいて、実現をしていただきたいと思います。
 このアパートの敷地の北側の調布市の道路の拡幅整備についても、グラウンド跡地の開発が進んでおりますから、歩行者の歩車道分離というんですか、この安全確保などのため、近隣住民からも非常に早期整備の要望が上がっているわけであります。
 この市道の整備の実現に向けた対応について見解をお伺いいたします。

◯清水参事 都営住宅の建てかえに当たりまして、敷地の西側と同様、北側にも市道拡幅のための用地を確保いたしまして、現在、その用地は、仮設の通学路として、市に対して暫定的に使用許可をしております。
 この市道の拡幅整備につきましては、引き続き、市と調整していきます。

◯尾崎委員 調布市は、交通不便地域の解消を目的に、今、東京都も調布保谷線とか、南北路線の渋滞解消などいろいろやってもらっているんですが、この上ノ原地区から坂を南下したところを通る佐須街道というのがあるんですけれども、これと都市計画道路調布三・四・一八号線の計画線が交差をする場所に折り返し場を暫定的に設けまして、調布駅と結ぶコミュニティバスの運行を十月から開始いたしております。今後も、この道路の整備にあわせて、北側の上ノ原地区へのバス路線の延伸を計画していると聞いております。
 そこで、地域住民の交通利便性の向上のためにも、優先整備路線であるこの都市計画道路調布三・四・一八号線の早期整備を強く要望いたしまして、私の一連の質問を終わります。

 
2006.06.14 本会議 一般質問


○三十番(尾崎大介君) 多摩産材の活用、取り組みについてお伺いいたします。
 まず都としては、本年四月から始まった花粉の少ない森づくり運動において、向こう十年間で百八十万本の杉、ヒノキの伐採が計画されているわけですが、その中から材木として利用できる多摩産材の需要拡大及び市場流通の仕組みなどの整備が不可欠であります。
 そこで、多摩産材の住宅建築の材としての使用や、さらに公園や学校など公共施設等における他の活用方法が検討されているのか、所見を伺います。
 次に、具体的な施策として、多摩産材認証制度と東京の木・いえづくり協議会というものがございます。こうした施策により、多摩産材が市場において割安に供給をされ、一般に普及していけば、現在進行中の東村山本町プロジェクトという、知事の良質な住宅を安価に提供したいという思いから始まった重点プロジェクトの視点から見ても、非常に意義ある施策と思われますが、その内容、仕組み等については少しわかりにくい部分があります。
 まず、多摩産材認証制度については、本制度のかなめの認証機関である多摩産材認証協議会の構成及び仕組みがいま一つ明確ではありません。社団法人全国林業改良普及協会の資料によると、京都府や群馬県などはそれぞれ府と県が直接認証団体にかかわっておりますし、愛知県の例では、認証機関として第三者のNPOが担っております。本協議会の場合、その構成メンバー及び認証の仕組み、都のかかわり方はどうなっているのか、また、今後の当制度への事業体などの積極的な参加の可能性について、所見をお伺いいたします。
 次に、もう一つの施策である東京の木・いえづくり協議会についてですが、昨年十二月の都の報道資料によれば、優遇融資制度、とうきょうの森のいえを創設されていますが、融資条件として、本協議会会員が建築にかかわり、使用する木材の五〇%以上を多摩産材とすることとなっております。消費者である都民にとっても、多摩産材の知識や経験のある協議会の会員に希望に沿う住宅を建設してもらうことは非常に安心でき、さらに融資制度が受けられるとなれば、よりありがたい制度です。
 現在協議会メンバーである工務店は十九社ということですが、融資条件が協議会の会員に限るということであれば、多摩産材に関する知識や経験を有するなどの条件のもとで、今後協議会の会員をふやしていく必要があると考えます。
 また、この制度により、花粉の少ない森づくり運動で切り出される予定の多摩産材が有効に活用されることは、産業振興のみならず、環境面にも貢献することにもなります。
 かような背景も踏まえ、この協議会の現状がどうなっているのか、また、今後より一層の組織の拡大が不可欠と考えますが、所見を伺います。
 次に、多摩産材に関連し、木質バイオマスの活用についてお伺いいたします。
 先ほど申し上げた花粉の少ない森づくり運動においての樹木伐採計画では、当然ながら利用できない木の量もかなりの量になると思われます。一方知事は、東京の温暖化対策として再生可能エネルギーの活用をうたっており、また国においても、本年三月三十一日付で、バイオマス・ニッポン総合戦略の改定も閣議決定されております。
 木質バイオマスは生物の光合成によって生成した有機物ですが、環境にも優しい、非常にすぐれた持続可能な資源であります。先ほど述べた利用できない木とともに、多摩産材の材木製造工程における端材等も含め、これらを現在民間業者において生産がなされている木質ペレットストーブやボイラーなど、木質バイオマスエネルギーとして利用することも可能と考えます。
 平成十四年に東京都農林水産振興財団においては、木質バイオマスエネルギー事業化調査を行っておりますが、調査後の現状はどうなっているか、またエネルギー利用のみでなく、木質チップを利用したバイオマストイレなどへの活用など、今後の木質バイオマスに対する都としての取り組みについて、所見をお伺いいたします。
 以上、多摩産材、木質バイオマスの件に関して、もう少し大所高所からの東京における森林産業の総合的なグランドデザインを描き、特に、先般申し上げた多摩産材の商品としての需要拡大及び市場流通の仕組みの整備は重要であることから、そのための調査や横断的なビジョン策定へ向けての取り組みなども検討してみてはいかがという意見をつけ加えさせていただき、次の質問に移ります。
 二〇〇七年には、全国で約七百万人、首都圏でも百八十三万人の団塊世代の退職が始まると予想されています。これらの定年退職者に対して意義ある第二の人生を送っていただく方策が必要かと思います。
 最近では、定年退職者のレクリエーションのあり方や地域活動へのかかわり方など、さまざまな議論がなされています。その一つとして、森林や農地を活用して豊かなスローライフを実現するために、多摩地域の森林や農地で、多くの退職者が利用できるクラインガルテンのような滞在型農園の整備が必要だと考えます。クラインガルテンにおいて、退職者と地域住民やNPO等との活発な交流が生まれれば、社会とのかかわりが切れることなく、意義ある第二の人生を送ることができると思います。
 また、こうしたクラインガルテンで炭焼きや竹林の手入れ、杉、ヒノキの伐採、広葉樹の植樹体験などと組み合わせれば、副次的効果として先刻の花粉の少ない森づくり運動の一環にもなり、ひいては森林環境の保全にもつながっていくと考えます。
 現在、檜原村において、共同村星の見える丘プロジェクトという試みが、都内の団塊世代を中心にしたNPOや個人のグループなどで始まっております。具体的には、クラインガルテンなどを自分たちの手でつくり、高齢化して手入れが行き届かない山林を借りて植樹や炭焼きを行うなど、共同村で週末を過ごして、地元住民との交流を深める人も出てきています。
 このような活動は現在個人のレベルによって行われていますが、最近の活動の広がりやその社会的な役割を考えれば、地元自治体や都が積極的にかかわることにより、より多くの団塊世代の方々が今後森林再生、環境保全活動などさまざまな社会貢献の機会を得ることが可能になるのではないかと考えます。
 そこで、多摩地域におけるクラインガルテンについて、その現状と今後の都の支援について、お伺いいたします。
 次に、地球温暖化対策についてお伺いいたします。
 東京の深刻な大気汚染については、近年大きく改善が進む一方、自動車から排出されるCO2は、都内の総排出量の約二割を占め、依然として増加傾向にあり、自動車部門のCO2排出抑制対策は、今後も取り組みを強化すべき課題となっています。
 都は今年二月に新戦略プログラムを発表し、自動車からの地球温暖化阻止を掲げ、新自動車環境管理計画書制度については、これまでの計画書制度を改正し、四月から導入されたもので、運送事業者などのCO2削減の取り組みを促すものと伺っております。既存の制度を活用することにより、早期に効果があらわれることを大いに期待しておりますが、今回の新しい計画書制度の内容とそのねらいについて、所見をお伺いいたします。
 また、この計画書制度によって、運送事業者などの積極的な取り組みを引き出していくためには、まじめに取り組む事業者に対して何らかのインセンティブが働くことが重要と考えますが、所見をお伺いいたします。
 こうした対策のほかにも、自動車からのCO2排出削減を進めていくために、天然ガス車などの導入を進めるためには、インフラとしての天然ガススタンドなどの設置も必要であります。国や都は、天然ガススタンドの設置に対して補助を行うなど、支援策を講じてはいますが、私の地元でもある調布圏内のように、まだスタンドのない空白地域もあることから、天然ガス車の導入、普及を進めるため、そうした空白地域の解消に向けて一層努力されることをあわせて要望し、最後の質問に移ります。
 昨今において、ロハスという言葉がよく聞かれます。それはビジネスライセンスとして使われておりますが、その本質は、現在社会問題化している格差社会、勝ち組負け組という価値観とは異なり、地球環境保護と人間の健康を最優先し、持続可能な社会のあり方を志向するという考え方であります。
 さて、このような考え方は、これまで私が質問してきた多摩産材、地球温暖化問題等をも包含する概念ではないかと思います。本定例会冒頭における知事の所信表明の中の、環境基本計画の改定での快適で安心して住み続けられることのできる都市を目指すことや、「東京都環境白書二〇〇六」での持続可能な都市づくりは、このライフスタイルに通ずるものであると考えます。
 また、先ほど触れた二〇〇七年問題で、退職される団塊の世代の方々の第二の人生において、このようなライフスタイルが可能となるようにしていくことは重要なことです。それを実現、実践できるところが多摩地域ではないかと私は確信をしております。
 現在、多摩地域においては、地元住民やNPOなど、さまざまな方たちが、環境、健康、持続社会を意識した活動を行っております。それらの活動は多摩地域にとどまらず、都心の人々も巻き込んだ、ドングリなどの広葉樹の植樹や炭焼きなどの活動、中央区と檜原村との連携した森林保全活動と、広がりを見せております。
 本年二月に発表した緊急三カ年プラン、新戦略プログラムの中で、水源涵養、生物多様性保全など、森林の公益機能を回復させることを目的とした「四季彩(しきさい)の道」づくりの推進、広葉樹の植樹や炭焼きなどの農林業体験の場での自然との触れ合いを進めていくことも提案されています。
 このようにさまざまな活動を展開する東京都においては、より多くの都民がかかわれるようにしていくことを考えていくべきではないかと思います。ぜひ、都民が緑に触れ、緑地保全活動へ参加できる取り組みを一層促進していただきたいと考えますが、知事の所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)

   〔知事石原慎太郎君登壇〕

○知事(石原慎太郎君) 尾崎大介議員の一般質問にお答えいたします。
 多摩地域での緑地保全活動についてでありますが、緑はなぜか非常に、とても人の心に安らぎを与えるものであります。印象的だったのは、東京の自然保護レンジャーのリーダーを務めてもらっています野口健君が、念願のエベレストの登頂を果たして戻ったときに、あの年は非常に風が強くて、雪が少なくて、あちこちに死体が散乱していたそうでありますけれども、アイスホールをおり切ってベースキャンプに着いて、初めてそこで土の上に生えている小っちゃな草を見たときに、しみじみ自分が生きて帰ったという実感を味わったといっていますが、いずれにしろ、緑というのは、人間にとって、人間の感性にとっても非常に大事な存在だと思います。
 都民が自然の保護のための活動に参加することは、環境に対する理解や健康増進の観点からも非常に意義があると思います。都においては、多摩の森林を広葉樹の森へ転換することや、里山を再生する試みなど、さまざまな緑地の保全、回復の事業を展開してまいっております。
 これらの活動には、団塊の世代を初め幅の広い都民あるいは企業やボランティアなどの参加が見られますが、今後とも緑地保全活動に都民が積極的に参加できる仕組みを幅広く推進していきたいと思っております。
 他の質問については、関係局長から答弁します。

   〔産業労働局長成田浩君登壇〕

○産業労働局長(成田浩君) 多摩産材の活用についてなど、四点のご質問にお答えいたします。
 まず、多摩産材の活用についてでございます。
 住宅建築においては、現在、民間の製材所、工務店等が多摩産材を使った家づくりに取り組んでおりまして、都としても、現地見学会の開催を支援するなど、需要の拡大を図ってまいります。
 また、公共施設におきましては、昨年十一月に設置した花粉症対策本部のもと、全庁的に多摩産材の利用を進めておりまして、保育園の木製遊具、道路の木製ガードフェンス、河川の流れを安定させる木工沈床等で活用しております。
 さらに、本年度からは、多摩産材を使用した都立学校什器の標準規格を設定し、その活用を進めるなど、需要拡大に取り組んでまいります。
 次に、多摩産材認証協議会及び認証制度についてでございます。
 本協議会は、多摩地域の森林所有者、伐採業者、製材業者等民間の方々で構成されておりまして、登録事業者が取り扱う多摩産材に対して証明書を発行し、認証することにより、多摩産材の流通の拡大に努めているところでございます。
 都は、多摩の林業振興の立場から、その設立過程から支援してきておりまして、今後は認証制度を関係業界に広く周知することにより、事業者の一層の参加を促してまいります。
 次に、木質バイオマスエネルギー事業化調査実施後の取り組みについてでございます。
 本調査は、製材等の過程で発生する端材等の有効活用に向けて、平成十四年に東京都農林水産振興財団が調査、検討したものであります。その後、本調査をもとに民間事業者が、端材を利用したストーブ用の粒状固形燃料─ペレットと申しますが─の製造を開始し、現在、年間約八十トンを製造しておりますが、都は、ペレットストーブの普及に努めてきたところでございます。今後とも、ご指摘のバイオマストイレなどを含め、木質バイオマスの有効活用について、普及、PRに努めてまいります。
 最後に、クラインガルテンの現状と支援についてでございます。
 クラインガルテンは、宿泊施設を備えた滞在型市民農園でありまして、都市住民が農山村の自然や生活文化に触れながら農業体験できる場であり、ドイツの市民農園が原型とされております。
 都では、農山村活性化の観点から、かねてよりこのような体験交流施設の整備を支援してまいりました。平成五年にはあきる野市で開設されたほか、来春には奥多摩町でも開設予定であります。
 この施設は、お話しの団塊の世代の受け皿としてばかりでなく、生産体験、食育の場としての機能を持つため、整備に取り組む農山村の市町村等を引き続き支援してまいります。

   〔都市整備局長柿堺至君登壇〕

○都市整備局長(柿堺至君)
 多摩産材を用いた東京の木・いえづくり協議会についてのご質問でございますが、協議会は、多摩産材を活用する住宅の供給促進を目的として、平成十三年に、木材供給者や工務店等の住宅生産事業者により設立され、毎年、その普及に向け、セミナーやイベントを開催しております。
 昨年末には、新たな取り組みとして、一定割合の多摩産材を使用した家づくりに対し、民間金融機関と連携した優遇融資制度を創設しております。今後、花粉の少ない森づくり運動などにより供給の増加も見込まれることから、協議会の趣旨に賛同し、多摩産材に関する知識を有する工務店がより多くこの活動に参加することが期待されます。今後とも都は、多摩産材を活用した家づくりの普及に向け、協議会活動を支援してまいります。

   〔環境局長大橋久夫君登壇〕

○環境局長(大橋久夫君) 地球温暖化対策に伴う自動車環境管理計画書制度についてのご質問でございます。
 まず、この制度は、都内で三十台以上の自動車を有する事業者に対し、ディーゼル車規制への対応などの計画と実績の報告を義務づけたものでございます。今回の改正は、従来の内容に加え、自動車の燃料消費量や共同配送、エコドライブなど二酸化炭素削減対策について報告を求めているものでございます。これは、事業者みずからが二酸化炭素の排出量を把握することにより、自動車部門における自主的、積極的な二酸化炭素排出削減の取り組みを促すものでございます。
 次に、事業者の積極的な取り組みを引き出す工夫についてでございます。
 新たな制度では、事業者から実績報告を求めるだけでなく、二酸化炭素削減対策の取り組み状況についての評価結果を事業者本人に通知し、これを次年度以降の削減対策に活用できるような仕組みにしております。さらに、特にすぐれた取り組み内容や、その事業実施者を公表するなど、積極的な取り組みが社会的にも評価されるような制度運営を行ってまいります。

 
2006.03.20 公営企業委員会 質問


〇尾崎委員 今、地球温暖化など、環境問題が非常に深刻さを増している時代でありますけれども、民間企業や公共機関また学校さらには家庭など、社会のあらゆる階層において環境への積極的な取り組みが求められております。こうした中で、つい先日、水道局より十七年度版の環境報告書が公表されたわけですけれども、これに関連して幾つか質疑をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、この環境報告書というのはどのような目的でつくられているのか、お伺いいたします。

〇尾崎参事 水道局では環境負荷の低減を重点施策の一つに位置づけ、平成十二年度には全国の水道事業に先駆けて環境会計を取りまとめるなど、さまざまな取り組みを実施してきました。また平成十六年度には、これまで行ってきた各種環境施策の体系化を図った環境マネジメントシステムである東京都水道局環境計画を策定し、運用を行ってまいりました。
 先日公表した環境報告書は、平成十六年度における取り組みの結果などを取りまとめたものであり、当局が実施している各種環境施策の課題を明らかにすることにより、今後の環境施策の展開に反映させていくものであります。また、これを公表することでお客様に対する説明責任を果たしていきたいと考えております。

〇尾崎委員 この環境報告書には水道局が実施しているさまざまな取り組みが記載されておりますが、その中に、平成十六年度決算版の環境会計も含まれております。環境会計は、環境施策の費用対効果を明らかにすることで都民の理解を得るとともに、水道局としてどのような環境施策を実施していくかの判断に役立てるために、平成十二年度から作成、公表をしていると聞いております。報告書の四三ページにこの環境会計を指数化したものが掲載されて、また平成十三年度からは複数年比較ができるように掲載されておりますが、これについてちょっと幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 環境保全に投入するコストと環境保全対策に伴う経済効果、これは、仮に環境保全対策を実施しなかった場合にかかったであろうコストでありますけれども、両者を比較することによって取り組みの効率性を示すものであると思います。十三年度決算の一・四七から十七年度予算の一・二一まで、毎年漸減傾向にあることが読み取れるんですが、費用対効果でありますから、もちろんこれは数字が大きい方がいいわけであります。これが毎年減っているというのはどういったことなのかなと思います。
 そこで、今後もこの傾向が続くと見ていいのか、あるいはまた、この減少傾向を示す要因はどのようなところにあると認識しておられるのか、お伺いをいたします。

〇尾崎参事 減少傾向の要因としましては、例えば平成十七年度予算と平成十六年度決算を比較しますと、費用は約四億円増加しているものの、効果は約一億円減少、結果として環境施策に関する費用対効果は五億円減少しており、屋上緑化などその効果を定量的に金額換算できない社会活動コストが増加していることが挙げられます。いましばらくはこの傾向が続くものと思われます。

〇尾崎委員 環境施策というのは単純に費用対効果だけで施策の採否を決めることができないということは十分理解をしているんですが、環境を守るためには、たとえ経済効果が上がらないとしても実施せざるを得ないものもあると思います。そうしたことを認識した上で、非常に難しいこととは思いますが、両者のバランスをとりながら進めていってもらいたいということを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 平成十六年度の環境計画の運用結果についてお伺いをいたします。
 水道局では、平成十六年一月に、平成十六年度から十八年度までを計画期間とする東京都水道局環境計画を取りまとめております。この計画では、十八年度に達成を目指す四つの重点項目を含む六十五項目の取り組み事項を定めております。この中で、項目番号四十五番のコピー用紙使用量の削減、四十六番の印刷物の数量の抑制、そして四十九番のごみのリサイクル率の向上、五十四番の営業所等の局施設の屋上緑化の推進の四つの項目にバツがついているわけであります。
 このバツの評価というのは、凡例を見ますと、取り組みが不十分もしくは目標設定に不備があったとこれは見てとれるんですけれども、そこでまず、この四項目について今、どのような状況になっているのかお伺いいたします。

〇尾崎参事 目標に対する達成率が低い四項目のうち、コピー用紙の削減と印刷物の抑制の目標につきましては、都が平成十二年度に策定した地球をまもる都庁プランを踏まえて設定したものであります。この目標設定の考え方が見直されたため、現在水道局においても見直しを検討しております。
 また、ごみのリサイクル向上につきましては、各事業所におけるごみの分別などの取り組みが十分でなかったものであり、屋上緑化推進につきましては、事業所の改修工事とあわせて実施することとしておりましたが、予定していた工事が延期したことにより、目標面積が達成できなかったものであります。

〇尾崎委員 ただいまの答弁で、ごみのリサイクル率の向上については事業所の取り組みが不十分であったとのことでありますけれども、最近では、各家庭においても相当リサイクルの意識が浸透をしております。それにもかかわらず東京都水道局がごみのリサイクル率で目標を達成できないというのはいささか問題があるように思いますが、どうでしょうか。
 そこで、この問題について、今後どのように取り組んでいくつもりなのかをお伺いいたします。

〇尾崎参事 ごみのリサイクル率向上につきましては、各事業所においてごみの分別方法の掲示を重視するなど取り組みの周知徹底を図ったことにより、今年度末の達成率は向上する見込みであります。
 今後も目標達成を目指し、チェックリストの積極的な活用などにより、さらに取り組みを強化してまいります。

〇尾崎委員 事業所に対して取り組みの徹底を図っているとのことでありますけれども、少し遅きに失しているのではないかなという感がございます。今後は、東京都水道局として、ぜひ都民の模範となるような取り組みを行っていただきたいと思います。
 先ほども申し上げましたけれども、環境施策というのは単純に費用対効果だけで施策の採否を決めることはできないということは理解しております。私はこの環境報告書を見て、水道事業の隅々にわたって網羅的な取り組みが行われており、また、水道局が環境問題に真剣に取り組んでいることを改めて実感したところであります。
 環境問題は二十一世紀に生きる我々が喫緊に取り組まなければならない重要課題であり、ぜひ今後とも積極的に取り組んでいただくことを最後に要望いたしまして、私の質問を終わります。

 
2006.03.17 公営企業委員会 質問
〇尾崎委員 先日の予算特別委員会の代表総括質疑におきまして、平成十二年度の包括外部監査で報告された内容について幾つか質疑がありましたが、本日はそれに関連した質疑を幾つか行いたいと思います。
 まず最初に、都営地下鉄の経営健全化に向けた活動について質問いたします。
 都営地下鉄は、大量の輸送需要に対応し、都市機能を維持向上させる重要な都市基盤でありますけれども、巨額の建設費に伴う資本費負担は非常に大きく、収支採算性を確保するのに極めて長期間を要するため、厳しい経営状況にあるといわれております。
 そこで、都営地下鉄の経営健全化に向けた調査研究や制度改善についての国への働きかけをどのように行っているのか、お伺いいたします。

〇谷口参事 交通局では、これまでも総務省等が実施いたしました研究会に参加いたしまして、地下鉄財政の現状と課題を分析いたしました。中長期的な地下鉄財政の健全性確保の方策ですとか、あるいは資金手当の仕組みなどにつきまして研究を行うなどしてきております。また、国への制度改善などの働きかけにつきましては、毎年夏と冬の二回、都といたしまして、関係各省庁に対し行っておりますほか、他の公営交通事業者等とも連携いたしまして、国への働きかけを行っているところでございます。

〇尾崎委員 制度改善について、都が単独で、あるいは他の地下鉄事業者や公営交通事業者とともに要望活動を行っているとの答弁でありますけれども、国への働きかけは具体的にどのようなことを行っているのか、お伺いいたします。

〇谷口参事 地下鉄事業に関する国への提案、要求の具体的内容といたしましては、まず国土交通省に対してでございますが、地下鉄の建設や改良、バリアフリー化、火災対策などに対する国庫補助制度の拡充を働きかけております。また、総務省に対しましては、企業債に関する発行条件等の改善や鉄道施設の耐用年数の延長などにつきまして働きかけを行っているところでございます。

〇尾崎委員 次に、都営地下鉄におけます平成十二年度の包括外部監査による指摘と提言への対応についてお伺いいたします。
 平成十二年度の包括外部監査では、国庫や東京都一般会計からの建設補助金が資本剰余金とされる一方で、補助金によって建設した資産の減価償却費は損益計算に反映される仕組みとなっているため、都営地下鉄の経営状況が実態よりも経営難との印象を与えていると指摘されております。また、補助金相当の減価償却費が運賃で回収すべき原価に含まれておりますけれども、運賃で回収するべき減価償却費は自己資金で取得した資産から生ずる減価償却費に限るべきとの指摘もございます。こうしたことを踏まえ、都営地下鉄の建設補助金の会計処理について、みなし償却の導入が提案されておりますけれども、これに対してどのように対応したか、また、その効果をお伺いいたします。

〇金子総務部長 包括外部監査の意見を受けまして、平成十二年度決算から補助金を充当した資産につきましては、減価償却の対象としない算定方法、いわゆるみなし償却に改善いたしました。この措置によりまして、各年度の経常費用は約七十五億円縮減されることになり、平成十二年度から十六年度までの収支改善額は合計で約三百五十億円となっております。

〇尾崎委員 都営地下鉄は、まず地下鉄を建設して、その建設資金を料金回収等で回収していく、いわゆる先行投資料金回収型の事業形態であります。この事業形態では、開業後の初期段階では、先行投資のための借り入れに係る利息が多額に発生する一方で、元本の償還が進んだ段階では、借り入れ利息が低減いたします。これが各会計期間損益に変動を与える要因となるわけですけれども、このような期間損益計算上に不合理が生ずる主な要因は、固定資産の費用化に当たっての定額法が借り入れ利息を考慮していないためで、固定資産の調達コストが適切に反映されないため、固定資産関係の資本費用が最初は多く、その後低減していく形で費用計上をされてしまうためであります。
 そこで、平成十二年度の包括外部監査では、減価償却における年金法の導入についての検討が提案されておりますけれども、その後の動きと現在の状況についてお伺いいたします。

〇金子総務部長 今お話のありました年金法は、設備投資のために調達した資金の利子負担と減価償却の合計額が各年均等になるように、いわば元利均等払いの仕組みでございます。事業の初期に減価償却費が軽減され、収支の改善につながる方法でございますが、法令では年金法は減価償却の方法として定められていないため、現在のところ地下鉄事業では採用には至っていないものでございます。先ほどの総務省の研究会でも話題になりましたが、参考事項として記載される程度にとどまっているものでございます。

〇尾崎委員 関連なんですけれども、予算特別委員会の代表総括質疑では、トンネルの減価償却は本来必要ないのではないかとの意見も述べましたけれども、トンネルの減価償却の考え方について、どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。

〇金子総務部長 現在、トンネルにつきましては、地方公営企業法の関係規定に基づきまして、定額法または定率法で行うことになっておりまして、当局では六十年の定額法を取り入れて減価償却をしております。

〇尾崎委員 これでもう質問は終わりますけれども、最後に、都営地下鉄の経営状況は、ストックの面からも、フローの面からも、決して悪いものではないと考えます。先ほども話ありましたけれども、平成十八年度は、東京都交通局経営計画チャレンジ二〇〇四の最終年度を迎えて、その次の経営計画策定も並行して行われる予定でありまして、経営アドバイザリー委員会が設置され、既に会合も開かれているようでありますけれども、今後も引き続き経営改善に努められることを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

 
2005.12.09 公営企業委員会 質問


〇尾崎委員
 今回の事務委託解消の関連で、多摩地区において進行中の事務委託解消について、何点かお伺いさせていただきます。
 現在、水道局では、平成十五年度に策定いたしました多摩地区水道経営改善基本計画に基づいて、多摩の市町への水道事務の委託を順次廃止しております。私の地元の一つであります狛江市におきましても、既に事務委託解消に向けた移行計画が策定されており、平成十九年度から都への業務の移行が開始されると聞いております。
 都の直営となった場合に、市民から見て一番変わることは、市役所から水道の窓口がなくなることだと思います。都では、事務委託解消に伴って、市民の窓口となるサービスステーションを多摩地区全体で十二カ所程度設置するとのことで、単純に計算いたしますと、二市町に対して一カ所のサービスステーションということになります。これまでは、料金の支払いや各種の手続を行う必要があれば、市役所に出向いたついでに用事を済ませられたのが、事務委託解消後は、それができなくなるばかりか、窓口自体が市内になくなる市が出てくるわけであります。先日の事務事業の質疑では、利用できる金融機関が拡大するというお話でしたが、料金の支払いはいいとしても、サービス全体を考えた場合に、それで十分なのかということが懸念されます。
 そこで、市内に窓口がなくなる市について、サービス水準をどう維持していくのか、お伺いいたします。

〇松井調整部長 水道料金の支払いにつきましては、今、お話がございましたように、現在、各市町が指定している金融機関を東京都の指定金融機関に改めることによりまして、都内のほとんどの金融機関におきまして口座振替や料金の支払いができるということになります。
 また、各市町で受け付けております各種申し込み、届け出、問い合わせにつきましては、来年度開設を予定しております多摩お客さまセンターで一元的に対応していくこととしております。
 さらに、事務委託解消に合わせまして十二カ所程度設置するサービスステーションは、居住地にかかわらず、どこでも利用が可能ということになりますので、外出先においても最寄りのサービスステーションが利用できるということになります。
 こうしたことで、現在に比べまして、お客様の利便性は大幅に向上するというふうに考えております。

〇尾崎委員 今後もサービス水準の一層の向上を図られるよう努めていただきたいと思います。
 事務委託解消の目的は、これまで市町ごとに運営されてきた業務を都が一体的、広域的に運営をすることでサービス向上や経営の効率化を図るというものですが、狛江市も多摩地区の一部であり、地理的には世田谷区とも接しており、市民の行動範囲も、どちらかといえば区部の方に広がっているように思います。地元では、区部と一体的に運営する方が合理的であると考える向きもありました。こうしたことを踏まえて、同じ都営水道なのですから、区部と多摩とを一体的に運営していくことについてお伺いをいたします。

〇松井調整部長 来年度開設を予定しております多摩お客さまセンターにおきましては、区部のお客さまセンターとの相互連携を実施していくというふうに考えております。
 また、事務委託解消の進捗状況に合わせまして、さらにサービス向上と経営効率化を図るため、区部と多摩との窓口などの営業業務全般にわたる一体的な運営についても検討を行ってまいります。

〇尾崎委員 同じ東京都に属しているわけですから、区部と多摩とで相互に連携することにより、一層のサービス向上と効率性発揮を目指していただきたいと思います。
 次に、PRについて伺います。
 先ほど、事務委託解消によりサービス水準は向上するということでありましたが、実は、窓口が遠くなって不便になるのではなく、窓口はふえ、便利になるということを都民にきちんと理解してもらえれば、この事務委託解消もよりスムーズに進むと思いますが、どのように都民に対してPRをしていくのか、お伺いをいたします。

〇松井調整部長 事務委託の解消に当たりましては、水道局のホームページ、「水道ニュース」のほか、市町のホームページや市町の広報紙など既存の広報媒体を有効に活用するとともに、対象地域へのポスターの掲示やビラを各戸配布するなどによりまして、事務委託解消後のサービス体制などについて地域住民の方々のご理解をいただけるよう、十分周知に努めてまいります。

〇尾崎委員 次に、事故等の対応についてお伺いをいたします。
 水道は、限りある水資源を利用して事業を行っており、水道管の破裂事故等には一刻も早い対応が求められます。また、水道は都民の生活と都市活動に欠かせないものでありますから、万一断水などの事態が起きた場合、迅速に対応することが必要であります。
 都では、今後、多摩地域内に四つの管理事務所を設けて事故等に対応していくとのことですが、これもまた調布、狛江市域からは遠くなるとのことで、事故の発見や対応等がこれまでより遅くなるのではという懸念がありますが、どのように事故等の早期発見を図っていくのかお伺いいたします。

〇松井調整部長 多摩地区に設置を予定しております四カ所の集中管理室では、所管区域におきます配水系統の圧力や流量のほか、浄水所等の稼働状況を常時広域的に、一元的に監視することが可能でございます。
 また、来年度開設予定の多摩お客さまセンターでは、休日、夜間を含め二十四時間体制で漏水や断減水等の通報を一元的に受け付けることとしております。
 こうしたことによりまして、事故等の発生や配水への影響などの有無を速やかに把握できるものと考えております。

〇尾崎委員 早期発見についての答弁は理解できましたが、事故に対しての対応はどうなっているのか、お伺いいたします。

〇松井調整部長 今申し上げました集中管理室やお客さまセンターの開設によりまして、事故等について早期に発見することとともに、広域的、一元的な情報の把握で適切な判断が可能となります。それをもとにいたしまして、現場調査の初期対応や漏水修繕の工事には待機業者等を活用しまして、当局と民間事業者が一体となって迅速かつ的確な事故対応を図ってまいります。

〇尾崎委員 現在は、市の職員や地元の指定業者などが迅速な対応をしていると聞いておりますが、事務委託解消後もぜひ迅速な対応に万全を期していただきたいと思います。
 次に、事故と同様にいつ起きるかわからない震災への備えについてお伺いをいたします。
 水道局では、経年管の取りかえなどを計画的に進めることで施設の耐震化を進めていると聞いております。そこで、震災時等の応急給水体制はどのようになっているのか、お伺いをいたします。

〇松井調整部長 震災時の応急給水につきましては、東京都地域防災計画に基づきまして、応急給水槽の整備など給水拠点における飲料水確保は都が行いまして、住民に対する直接的な応急給水につきましては市町が行うということになっております。
 こうした役割分担に基づきまして震災時に円滑な応急給水が行えるよう、日ごろから市町との連携体制を十分に整えまして、的確かつ迅速な対応を図っているところでございます。

〇尾崎委員 これまでは市の水道部署と防災部署が相互に連携をとってきたわけでありますが、今後は、防災部署は市、水道事業は都の直営と、自治体が分かれることになるわけですから、十分に連携を図りながら確かな防災体制を構築していってもらいたいと思います。
 最後に、まだ移行計画が策定されていない市について伺います。
 狛江市は既に移行計画が策定されておりますが、私のもう一つの地元であります調布市とは、現在、策定に向け協議中とのことであります。事務委託解消に際して解決すべき課題は多々あると思いますが、最も大きな課題は職員の処遇問題であると思います。各市においても行財政改革を進めている中、水道部署の職員の処遇もまた考慮しなければならないということになると、これまで水道業務に従事していた職員の人件費が新たに市の一般会計の負担となることもあり、市によっては直ちに配置転換をすることが難しい場合もあると推察をいたしております。
 都としては、各市の事情も踏まえながら、まだ移行計画の策定に至っていない市と協議を重ねていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

〇松井調整部長 これまでも、事務委託の解消に当たりましては、各市町における職員の水道部署からの配置転換などを勘案しまして、段階的に業務を移行するなど、市町の個別事情に十分配慮してまいりました。この結果、現在、十八の市町につきまして移行計画が策定されておりまして、未策定の市は残る七市となっております。
 今後も、市町個別事情に配慮しながら協議を行いまして、円滑な事務委託の解消に向けて万全を期してまいります。

〇尾崎委員 ぜひ、事務委託解消によって生まれるメリットについて、都民はもとより、各市に対しても十分に説明を行い、理解を求めながら、計画期間の平成二十四年度までに多摩地区の経営改善を着実に進めていってもらうことを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

〇松村委員 今回の議案は、四市の東京都水道事業の事務の委託の廃止及び下水道使用料徴収事務の受託の議案ですけれども、これは、今も質問があったとおり、多摩地区水道経営改善計画に基づくもので、多摩地区二十五市町全体の水道事業を統合して民間委託に移していこうということについてです。
 我が党の基本的な態度については、一昨年、この同時期に、当時、木村委員が質疑しています。今日においても基本的態度は全く変わりませんので、ここでは繰り返しませんが、その当時、検討中ということで明らかにされなかったことが幾つか見えてきたこともありますので、何点か質疑させていただきたいと思います。
 そこで、まず、徴収業務だけではなく、給水装置業務、それから施設管理系業務を民間委託するとしていますが、それぞれの業務のどの分野をどの範囲で委託するのかをお聞きいたします。

〇松井調整部長 施設整備や水運用にかかわる計画策定など、事業運営の根幹をなす業務は当局で行うということになりますが、今ご指摘のございました徴収業務、給水装置業務、施設管理業務のそれぞれについてできるだけ業務委託を図っていくということで、徴収業務につきましては、水道料金等の窓口収納、水道の使用開始、中止等の受け付け、水道料金等にかかわる問い合わせなどの徴収系業務を委託していきたいと考えております。
 また、給水装置業務につきましては、メーター交換、給水装置工事申請の審査、検査の補助などの給水装置系の業務を考えてございます。
 また、施設管理系の業務につきましては、小規模な浄水所、給水所等の運転監視、設備の保守点検、工事監督などの施設管理系業務を委託していきたいというふうに考えてございます。

〇松村委員 既に、今回の議案を含めると、六市一町ということですが、平成十六年度で多摩市が移行していますけれども、徴収系業務の移行は十六年度ですけれども、例えば給水装置、それから施設管理系業務は、お聞きしましたところ、平成二十一年度ですよね。五年間ぐらいずれているんですけれども、それは、まだ委託の、今いった分野とか範囲がはっきりしていなかったからなのか、または、それぞれの今までの市町の職員などの転換とか、そういうことからの配慮というか、当該市町との話し合いによるものなのか、ちょっとそこら辺、大分乖離が、徴収系だけではなく給水も施設管理もすぐ移行しているところと、長期の期間をかけて移行するところといろいろあると思うんですけれども、そこら辺についてちょっとご説明をいただきたいと思います。

〇松井調整部長 先ほどもご答弁申し上げましたように、事務の移行に当たりましては、各市の実情を十分把握しながら協議を進めてきております。その結果、多摩市につきましては、先ほど先生のご説明がございましたように、徴収系が十六年、給水装置、施設管理系は二十一年というようなことで多摩市と話がまとまりまして、実施してきております。
 そのほかの市におきましても、各市の実情に応じまして、徴収系が早く、その後給水装置あるいは施設管理系の業務が移ってくるというようなことで、各市の職員配置の転換ですとか、そういった計画によりまして協議を進めた結果、そのようなことに両者で協議が成立してきているということでございます。〇尾崎委員 今回の事務委託解消の関連で、多摩地区において進行中の事務委託解消について、何点かお伺いさせていただきます。
 現在、水道局では、平成十五年度に策定いたしました多摩地区水道経営改善基本計画に基づいて、多摩の市町への水道事務の委託を順次廃止しております。私の地元の一つであります狛江市におきましても、既に事務委託解消に向けた移行計画が策定されており、平成十九年度から都への業務の移行が開始されると聞いております。
 都の直営となった場合に、市民から見て一番変わることは、市役所から水道の窓口がなくなることだと思います。都では、事務委託解消に伴って、市民の窓口となるサービスステーションを多摩地区全体で十二カ所程度設置するとのことで、単純に計算いたしますと、二市町に対して一カ所のサービスステーションということになります。これまでは、料金の支払いや各種の手続を行う必要があれば、市役所に出向いたついでに用事を済ませられたのが、事務委託解消後は、それができなくなるばかりか、窓口自体が市内になくなる市が出てくるわけであります。先日の事務事業の質疑では、利用できる金融機関が拡大するというお話でしたが、料金の支払いはいいとしても、サービス全体を考えた場合に、それで十分なのかということが懸念されます。
 そこで、市内に窓口がなくなる市について、サービス水準をどう維持していくのか、お伺いいたします。

〇松井調整部長 水道料金の支払いにつきましては、今、お話がございましたように、現在、各市町が指定している金融機関を東京都の指定金融機関に改めることによりまして、都内のほとんどの金融機関におきまして口座振替や料金の支払いができるということになります。
 また、各市町で受け付けております各種申し込み、届け出、問い合わせにつきましては、来年度開設を予定しております多摩お客さまセンターで一元的に対応していくこととしております。
 さらに、事務委託解消に合わせまして十二カ所程度設置するサービスステーションは、居住地にかかわらず、どこでも利用が可能ということになりますので、外出先においても最寄りのサービスステーションが利用できるということになります。
 こうしたことで、現在に比べまして、お客様の利便性は大幅に向上するというふうに考えております。

〇尾崎委員 今後もサービス水準の一層の向上を図られるよう努めていただきたいと思います。
 事務委託解消の目的は、これまで市町ごとに運営されてきた業務を都が一体的、広域的に運営をすることでサービス向上や経営の効率化を図るというものですが、狛江市も多摩地区の一部であり、地理的には世田谷区とも接しており、市民の行動範囲も、どちらかといえば区部の方に広がっているように思います。地元では、区部と一体的に運営する方が合理的であると考える向きもありました。こうしたことを踏まえて、同じ都営水道なのですから、区部と多摩とを一体的に運営していくことについてお伺いをいたします。

〇松井調整部長 来年度開設を予定しております多摩お客さまセンターにおきましては、区部のお客さまセンターとの相互連携を実施していくというふうに考えております。
 また、事務委託解消の進捗状況に合わせまして、さらにサービス向上と経営効率化を図るため、区部と多摩との窓口などの営業業務全般にわたる一体的な運営についても検討を行ってまいります。

〇尾崎委員 同じ東京都に属しているわけですから、区部と多摩とで相互に連携することにより、一層のサービス向上と効率性発揮を目指していただきたいと思います。
 次に、PRについて伺います。
 先ほど、事務委託解消によりサービス水準は向上するということでありましたが、実は、窓口が遠くなって不便になるのではなく、窓口はふえ、便利になるということを都民にきちんと理解してもらえれば、この事務委託解消もよりスムーズに進むと思いますが、どのように都民に対してPRをしていくのか、お伺いをいたします。

〇松井調整部長 事務委託の解消に当たりましては、水道局のホームページ、「水道ニュース」のほか、市町のホームページや市町の広報紙など既存の広報媒体を有効に活用するとともに、対象地域へのポスターの掲示やビラを各戸配布するなどによりまして、事務委託解消後のサービス体制などについて地域住民の方々のご理解をいただけるよう、十分周知に努めてまいります。

〇尾崎委員 次に、事故等の対応についてお伺いをいたします。
 水道は、限りある水資源を利用して事業を行っており、水道管の破裂事故等には一刻も早い対応が求められます。また、水道は都民の生活と都市活動に欠かせないものでありますから、万一断水などの事態が起きた場合、迅速に対応することが必要であります。
 都では、今後、多摩地域内に四つの管理事務所を設けて事故等に対応していくとのことですが、これもまた調布、狛江市域からは遠くなるとのことで、事故の発見や対応等がこれまでより遅くなるのではという懸念がありますが、どのように事故等の早期発見を図っていくのかお伺いいたします。

〇松井調整部長 多摩地区に設置を予定しております四カ所の集中管理室では、所管区域におきます配水系統の圧力や流量のほか、浄水所等の稼働状況を常時広域的に、一元的に監視することが可能でございます。
 また、来年度開設予定の多摩お客さまセンターでは、休日、夜間を含め二十四時間体制で漏水や断減水等の通報を一元的に受け付けることとしております。
 こうしたことによりまして、事故等の発生や配水への影響などの有無を速やかに把握できるものと考えております。

〇尾崎委員 早期発見についての答弁は理解できましたが、事故に対しての対応はどうなっているのか、お伺いいたします。

〇松井調整部長 今申し上げました集中管理室やお客さまセンターの開設によりまして、事故等について早期に発見することとともに、広域的、一元的な情報の把握で適切な判断が可能となります。それをもとにいたしまして、現場調査の初期対応や漏水修繕の工事には待機業者等を活用しまして、当局と民間事業者が一体となって迅速かつ的確な事故対応を図ってまいります。

〇尾崎委員 現在は、市の職員や地元の指定業者などが迅速な対応をしていると聞いておりますが、事務委託解消後もぜひ迅速な対応に万全を期していただきたいと思います。
 次に、事故と同様にいつ起きるかわからない震災への備えについてお伺いをいたします。
 水道局では、経年管の取りかえなどを計画的に進めることで施設の耐震化を進めていると聞いております。そこで、震災時等の応急給水体制はどのようになっているのか、お伺いをいたします。

〇松井調整部長 震災時の応急給水につきましては、東京都地域防災計画に基づきまして、応急給水槽の整備など給水拠点における飲料水確保は都が行いまして、住民に対する直接的な応急給水につきましては市町が行うということになっております。
 こうした役割分担に基づきまして震災時に円滑な応急給水が行えるよう、日ごろから市町との連携体制を十分に整えまして、的確かつ迅速な対応を図っているところでございます。

〇尾崎委員 これまでは市の水道部署と防災部署が相互に連携をとってきたわけでありますが、今後は、防災部署は市、水道事業は都の直営と、自治体が分かれることになるわけですから、十分に連携を図りながら確かな防災体制を構築していってもらいたいと思います。
 最後に、まだ移行計画が策定されていない市について伺います。
 狛江市は既に移行計画が策定されておりますが、私のもう一つの地元であります調布市とは、現在、策定に向け協議中とのことであります。事務委託解消に際して解決すべき課題は多々あると思いますが、最も大きな課題は職員の処遇問題であると思います。各市においても行財政改革を進めている中、水道部署の職員の処遇もまた考慮しなければならないということになると、これまで水道業務に従事していた職員の人件費が新たに市の一般会計の負担となることもあり、市によっては直ちに配置転換をすることが難しい場合もあると推察をいたしております。
 都としては、各市の事情も踏まえながら、まだ移行計画の策定に至っていない市と協議を重ねていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

〇松井調整部長 これまでも、事務委託の解消に当たりましては、各市町における職員の水道部署からの配置転換などを勘案しまして、段階的に業務を移行するなど、市町の個別事情に十分配慮してまいりました。この結果、現在、十八の市町につきまして移行計画が策定されておりまして、未策定の市は残る七市となっております。
 今後も、市町個別事情に配慮しながら協議を行いまして、円滑な事務委託の解消に向けて万全を期してまいります。

〇尾崎委員 ぜひ、事務委託解消によって生まれるメリットについて、都民はもとより、各市に対しても十分に説明を行い、理解を求めながら、計画期間の平成二十四年度までに多摩地区の経営改善を着実に進めていってもらうことを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

 
2005.11.15 公営企業委員会 質問

〇尾崎委員 初めて質問させていただきます。民主党の尾崎でございます。よろしくお願いいたします。
 まず最初に、私からは、広告を訴えるバス、いわゆるラッピングバスについて何点か質問させていただきます。
 都内などを走っているラッピングバスは、以前は非常によく見られましたが、最近は減少している感がしたんですが、聞きますと、車両数においては平成十五年度末は四百六十八台、平成十六年度末には四百三十一台、また今年度の十月末には三百六十九台と、年々減少しているようでありますが、この原因についてお尋ねをいたします。

〇松村資産運用部長
 その原因といたしましては、導入から五年が経過し、広告媒体としての目新しさや意外性が減少していることが挙げられます。
 また、フルラッピングは制作費等が高いため、費用対効果の面から、広告主がラッピングバスを走らせたい地域及び広告予算を投下する時期を限定していることなども指摘できます。
 そのため、都心地域につきましては高い稼働率となっておりますが、周辺地域は稼働率が低い状況でございます。

〇尾崎委員 制作費が高いなどの理由は業者さんとの関係もあるんでしょうが、広告の依頼が減少すれば広告料収入も減るわけですから、このことに対しての経営努力、また具体的な取り組みを行っているのかお伺いいたします。

〇松村資産運用部長
 需要の少ない地域を対象に、稼働率の向上を目指しまして、稼働率が高い地域の路線とのセット販売や、制作費の安いパートラッピングの販売などに力を入れているところでございます。
 このような取り組みによりまして、まだまだ回復したとは申せませんが、本年十月のラッピング車両は、年度当初に比べまして七%の増加となっております。今後とも地域ごとの多様なニーズを十分に把握し、それに応じた広告販売を実施してまいります。

〇尾崎委員 ありがとうございました。ラッピングバスについてはわかりました。
 次に、都電や都バスの中づり広告について何点かお伺いいたします。
 車内広告を私もよく見るんですが、大手の会社だけではなく、例えば地元の業者さんなどがその地域を走るバスや都電に広告を出したいという声をよく聞きます。これに対し、どうすれば広告を出せるのか、また出せるならそのことについて何かPRをしているのかお尋ねいたします。

〇松村資産運用部長 都電、都バスに車内広告を出していただくためには、当局が指定している広告代理店を通じて申し込んでいただくことになっております。
 なお、代理店につきましては、局のホームページに掲載しているほか、駅のポスターボードにも広告担当部署の連絡先を記載しております。
 また、駅や都電、都バス営業所などに問い合わせていただければ、担当部署等の案内を行っております。

〇尾崎委員 先ほどのラッピングバスの話とちょっとリンクするんですが、都バスなどの広告は、私鉄に比べてまだまだあきがあるように思います。それに対しふやす取り組みを何か行っているのかどうかお伺いいたします。

〇松村資産運用部長
 都電につきましては、中づり、窓上を除きまして良好な状態で稼働しております。また、都バスにつきましては、まだまだあきがあるという状況でございます。
 そこで、都バスにつきましては、本年から複数の営業所をセットにした割引販売を始めますとともに、いす席の背面を活用した販売を実施いたしました。
 都電、都バスとも、車内広告の需要は中小企業や病院などの地元の広告主が多数を占めております。したがいまして、これらの広告主に対します周知方法について創意工夫を凝らし、販売促進に努めてまいります。

〇尾崎委員 ありがとうございました。
 次に、女性専用車両の導入状況と今後の対応について何点か質問をさせていただきます。
 関東における鉄道会社の女性専用車両につきましては、大手私鉄各社は本年五月から導入を開始していると聞いております。女性専用車両は、女性の安全、また快適な通勤通学を保障するとともに、私たち男性にとっても痴漢等の冤罪防止に寄与するものであると思います。大変混雑いたします特に朝のラッシュ時間帯などにおいては、もはや必要不可欠なサービスの一つであると認識をしております。
 そこで、確認でありますが、都営地下鉄の女性専用車両の導入状況についてお伺いいたします。

〇佐藤電車部長 この女性専用車両の導入状況についてでございますけれども、本年五月から、新宿線におきまして、朝のラッシュ時間帯の京王線からの相互直通運転の列車に女性専用列車を試行的に導入しているというものでございます。
 実施に当たりましては、車両やホームに案内表示をするとともに、お客様の多い駅に案内整理要員を配置するなど、そういったことをした結果、大きな混乱は発生してございません。

〇尾崎委員 都営地下鉄の実施状況については確認できたんですが、また導入に当たってホームに案内整理員を配置し、特段の混乱もなく導入できたことについては評価ができます。
 でも、肝心なのは、鉄道事業者側の考え方ではなく、乗客の意見であると思います。今回の女性専用車両の導入に当たり、交通局においては乗客のアンケート調査を実施したと聞いておりますが、私は、冒頭申し上げましたとおり導入について賛成であります。乗客から賛成、反対を含め、さまざまな意見が出されていると思います。そこで、交通局が実施したアンケート調査の状況、また特に女性専用車両に対する意見や理由についてお伺いいたします。

〇佐藤電車部長 このアンケート調査につきましては、本年十月に実施をいたしました。その結果につきましては、女性専用列車の導入に賛成といったようなものが約六六%でございます。賛成の主な理由としましては、まずは安心して乗車できる、痴漢冤罪の防止に役立つといったものでございます。
 また一方、反対の理由としましては、乗降に便利な車両に乗車できなくなったとか、男女差別につながるといったものでございます。

〇尾崎委員 アンケート結果については確認をさせていただきました。特に六六%、約三分の二にも上る乗客が導入に賛成であれば、既に社会的に認知をされ、かつ必要不可欠なサービスであると考えます。
 JR東日本や東京メトロ、また東急電鉄は、五月以降も順次女性専用車両の拡大を進めておると聞いております。都営地下鉄においても、乗客サービスの向上を図る上からも新宿線以外の路線に女性専用車両の拡大を行うべきと考えます。相互直通運転を実施している各社との調整、導入に伴う混雑の緩和や乗客へのPR等々、いろいろ難しい面はあると理解できますが、女性専用車両の拡大は、もはや避けて通れないものと考えております。
 そこで、都営地下鉄における今後の女性専用車両の拡大の考えについてお伺いいたします。

〇佐藤電車部長 今後の女性専用車両の拡大についてですけれども、先生ご指摘のとおり、JR東日本、それから他私鉄においても現在やっているところでございますが、都営地下鉄としまして相互直通運転を実施している各社ございます。そことの関係もまずはございますので、今後は検討してまいりたいというふうに存じます。

〇尾崎委員 ぜひ早期の実現を要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。